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第四十六話 帰還する者とやって来るもの

 エドの執務室には、モルドレッド公爵、ハイド伯爵とマクミランが集まっていた。


 それぞれに、思うことがあるのか、誰もまだ言葉を発してはいなかった。


 エドは、長く感じるこの雰囲気と圧迫感に疲弊していた。


 もう、何でこうなった。

 早く帰ってもらいたい。

 でも、如何したらっ

 って、アンジェだろ、アンジェの事でしょ


 そこに、いつものエドの姿は無く、只々時間だけが流れていく。


 モルドレッド公爵は、席を立つと、いったん部屋を出て行った。


「エド アンジェ事で隠していることはもうないよな。」


 ハイド伯爵の後には、沈黙のまま時間が経とうとしていた。


 何を、何処まで


『バンッ』

 勢いよく扉が開くと、モルドレッド公爵が戻ってきた。


「エド あれは何だ。」

「あれとは?」


 エドは、マクミランを見るが、首を横に振る。


「閣下、あれとは」

「確かに、まだ出来たばかりだった様だし見ておらんのか。」

「よい、ちょっとついてこい。」


 部屋の全員で、あれに向かった。

 何時もの、トイレだ。

 伯父様がいった(・・・)のはここだったのか。


 エドは、中に入ると


 なにこれ

 いつ だれが どうやって

『クッ』

 アンジェだな アンジェしかいない


「おー、これはりっぱな。

 家にも欲しいくらいだ。」

 ハイド伯爵は、単純に褒めている。


「え え え エドさま。 これは」

 マクミランは、素が出ていた。

 皆がいるのに、名前呼びだ。



 アンジェは、まだ気付いていなかった。

 ワイズのここ(・・)は、屋敷全部であることを

 そして、夢中になると止まらない厄介な病気を患っていることを


 再び、執務室へ


「まず、王都か閣下の所くらいじゃないと見かけないし、誰やらせたのだ。」


 エドは、直ぐに諦めた。

 如何、庇おうかと考えていたが、フォローも限界だった。


「少し長くなるが、ここでも一部の者しか知らせてないのです。」


 エドは、アンジェの事を話し始めた。


 そして、アンジェは


「でかしたわっ。 ここで過ごしてもいいくらいだわ。」

(いや、それは無いだろ。 快適になったのは、分かるがな。

 ワイズには、何かお礼でもしようかしら。 街のお供に、お兄様役なんてどうかしら?

 何の、罰ゲームだよ。 

『んっ』レノムどうした。

 やり過ぎたようだ。

 久しぶりに出て来たかと思えば、何を言ってるんだよ。

 今に分かるだろう。

 もう、何時もながら何言ってるの はっきり言いなさいよね。

 ・・・)




「で 仕事を与え、給金を出して、仕事がない者達も減り治安まで良くなっていると?」


「本当なのか?

 そのアンジェのが、言いだしたのは」


「ここで、嘘を言ってどうする。

 アンジェの態度も言ってることも、前と変わらないのだが、私の知らない知識を持ってしまったのは事実だよ。」


「んー 困ったのう

 他にも、何か使えることも知っているかもしれないな。」


「ただ、エドの娘として婚姻にやるのも考えを改めないといけないかもしれないな。

 それに、今日の手合わせで分かったが、あれは普通の子の力ではない。

 ハンスを、倒したことにも関わっている様だしな。」


「それは、どうしてだ。

 変わっているが、俺の子に変わりはない。

 婿入りがいいけど、そこまでなのか?」


「考えてみろ、これで啓示を受けて力を得てみろ

 力のバランスが取れないし

 そのことで、相手が嫌がるだろう。」



 アンジェの知らない所で、話が膨らんでいく。

 そして、期待も勝手に膨らんで盛り上がっていく面々だった。



 あれから、お父様たちは数日にかけて打ち合わせをして、私にも構ってくれなくなった


 これは、一種の放置プレイなの?

(いや違う。 プレイ言うなよ。

 でも、お呼びも無ければ、何時もの日と変わらないじゃない。

 元々、じっとしてろって言われていたじゃないか。

 そうね、頭も無事だったわけだし、たまにはこんな日があってもいいわね。 って言うわけないじゃん。

 わーかったよ 目立つことはするなよ)


 すると、アニーとエリアがやって来た。


「アンジェ様、あれはいいものですね。」

 いいものって、あれってなんだよ。


「アニー、挨拶もしないでアンジェ様に失礼ですよ。」

 っと、エリアが言っているが、その顔はアニーと一緒だな。


「おはよう。

 二人とも、気に入って貰えてよかったわ。」


「臭いもですが、清掃も楽になったと評判ですよ。」


 元からその予定で、作らせたのだから当然なのだけれど、褒められるのは悪くない。


「今日も、呼ばれてないわね。」


「はい。

 エド様からも、何も指示は受けておりません。」


「そう。

 なら、今日は取って置きの場所でいるわ。

 アニーは、知っているでしょ」


「エリア、鍛練の後は休んでいいわ。

 私は、庭で過ごすから護衛はいらないから。」


「いえ、お役目ですから、お供します。」

 真面目かっ。

 それだから、恋の一つも出来ないのよ。

 私は、そんなことを考えながら準備を終えると訓練場へ向かった。


 何故、また此処にいるのよ。

 待っていたように、私を見るセシル様が、笑って手を振っている。

 後ろを振り向いたが、誰もいない。

 あ~、これは私に向けた手だわ。

 エリアもイリスも、顔が引きつっているわね。

 何とか、穏便に済ませる事はできないかしら。


「御機嫌よう、セルシ様、今日は何かありましたか?」


「いやなに、先日のハンスに使った技を見たいと思ってな。

 見学しようと待っていたところだ。」


 でたわ。

 でも、見るだけなら大丈夫よね。

 痛くない痛くない。 頭は大丈夫


(アンジェの、頭の中は、壊れているけどな。

 なによ、教えるのは時間がいるけど見るだけでしょ

 それで済むと思っている所が、おめでたいわけだな件だが)


「それじゃ、始めようかしら。

 二人とも、大丈夫よ。

 さっさと、終わらせてしまいましょう。」



 日課の訓練の後、取り入れた剣技と格闘術をしてひと休みする。


「やはり、面白い。

 一度、その技を私にもして見せてくれ。」



「えっ

 見るだけなのでわ。」


「ああ、そうだ。

 見るだけだ。

 ついでに、技を受けてみるだけだ。」


 仕方なく、エリアとイリスを見るが嫌そうに首を振る。

 どうやら、トラウマを植えつけてしまったようだ。



「もう、二人が怯えているじゃないですか。

 私じゃ、まだ背も力も無いのでお相手できませんし

 困りましたわ。」


「なら、どうやっているのかを教えてもらえるか。

 それなら、アンジェに出来るだろ。」


 そうきたかっ

 くそっ

 投げ飛ばしてやりたいわ

 疲れてるのに、だらだらとしていたいのに、邪魔ばっかり。

 エリアたちみたいに、大きければ


「もう、少しだけですからね。」


 取り合えず、殴っても蹴っても効果は期待できないし

 これは、ハンスを転がした時のことよね。



 セルシ様は、本当に受けるだけで向かってこなかった、

 まあ、いいかな

 精神的に、疲れはしたけどね

 そうよ、弟子 セルシ ねっ!

(なーにが、弟子だよ。 そんな、物騒な弟子はそく破門だ。

 勿体ないわね。 まあ、もうすぐ帰っちゃうんだけどね。)



 その日、エリアとイリスを連れて、あの木の枝に登る。


 せ せ 狭いわね

 三人は厳しかったか


「ここからの、街が一番、綺麗に見えるのよ。

 セト達は、元気にしているかしら。」


「見る場所で、こんなにも違っているのね。」


「今から、多くの人や物が入ってくるのよ。

 二人とも、街を守って大きくしていきましょ」


「で アンジェ様は、次は何をされるのですか?」


「別に、考えてないわよ。

 あれもこれも、成り行きでしかないのよ。

 今の、のんびりした日が続けばいいわ。」

(フラグだな。 嗚呼、フラグが立ったな。

 もう、嫌な言い方をしないで。)



 それか、いつもと変わらない日が経ち、大叔父様も、セルシ様も帰っていった。

 その間は、鍛錬にセルシ様が参加するようになったのは言うまでも無かった。


 6か月後の、4月

 王国187年

 もうすぐ、誕生日 なのに

 年も明けて春の寒さが遠くへ去ったころ、懲りない帝国が進行してきたと知らせが来た。



 同時に、お隣のベルナン子爵が頼んでもいない、ロベリア領都から援軍をかってでてきた。


 何か、嫌な感じがするわ。

(そっちは、エド達に任せておくしかないだろ。

 そうだけど、もうすぐ誕生日なのに来るなんて! 

 あ あー、そんなもんだよな、アンジェの感じは ちょっと期待した俺の感動を返してくれ。

 でも、7日よ。 おめでとうって言って貰いたいじゃない。 くっ 許すまじ!)


 でもベルナン子爵か、公爵領の貴族が何故



いつもありがとうございます(*‘∀‘)


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