第四十五話 奇襲とトイレ
つい先程まで、私たちは訓練を見ていた。
そこに、ハンスやエリアとイリスが目に入ったのだ。
マクミランが、護衛でこっちに付いていたので、訓練はハンスが相手をしていた。
2対1とはいえ、ハンスを押し切ろうと奮戦している様だ。
よし、かなり善戦しているわ。
もうそろそろ、細マッチョはいけそうね。
エリアが、ハンスの木剣を叩き落とすと、イリスがハンスの手を取り捻り倒すとエリスが木剣を胸にあてる。
お~ さすがだわ
『パチパチパチ』
私は、二人をただ褒めていただけだった。
そうなのだ、私は褒めていただけで、他意はない。
なのに、ため息を付くお父様と、私を見る視線に疑問をもった。
何故、私を見るのかしら。
(よかったね~。 2人がかりとはいえ、良く、やったよ。 でもね。
なによ、良かったじゃない。 でも、何で私をみるのよ。
まあ、あれだな、最後の技じゃないの。 誰も知らないだろ。
そこが良いんじゃないの。 練りに練った作戦よ。)
「一つ聞くが、アンジェ 何かやったか?」
『ハッ』
もしかして、嫌な予感がしてきたわ。
ここは、知らぬ存ぜぬで、乗り切るしかない!
「何の事でしょう。
お父様、私は、何も存じていませんわよ。」
いけないわ。
筋肉たちに、勝つことに目がいって、今日の事を知らせていなかったわ。
まぁ、私もどこに行くのか知らなかったけどね。
そうなのだ。
単に、剣で挑んでも筋肉には勝てない。
そこで、鍛錬の中で、古武術を教えていたのだ。
何で、古武術かって。
皆は、剣術も格闘もそれなりにこなしてきたわけだけど。
剣は、分が悪いから格闘技なのだよ。 ワハハハ
単に、パンチや蹴りを入れても効果は薄い。
私は、日本という国の技を利用することにしたのだ。
力のない者でも、倒すことが出来る。
親指、小指の一本でも、最悪、手首でも取れればいいのだ。
ちなみに、頭部制御投げも教えているが訓練では頭から落とさない様にしている。
やり方は、色々あるが、腰投げ 四方投げ 一教 など。
まあ、危険なので、もしもの時まで使うなと、知識としては知っておいて悪くはない。
「面白い。
では、少し儂も行ってこようか。」
セルシ様が、可笑しなことを言っているわ。
「今日は、お相手をするために、来たわけじゃないのだから、 また、次回に致しましょ。」
「エド、あれは何なのだ。」
大伯父様からの、聞かれたエドは沈黙のまま悩んでいる。
まあ、知る訳がないのよ。
お父様にも、誰にも言ってないしね。
その間に、下に降りていくセルシ様だった。
セルシ様は、強かった。
ハンスと違って、拳も蹴りも使ってエリアたちを倒していく。
エリアたちに、投げられても、回転して立ち上がり決めることが出来ない。
それはもう また新たな筋肉が現れたように
「セルシ
犯人が分かったぞ。
アンジェの相手を、少して見せてくれ。」
『およ』
エリアたちを、見ている間にお父様とマクミランが吐いたようだ。
二人の私を見る目が、諦めの眼差しで私を見ている。
またなの
私の、逃げ場はないようだに思ったので仕方なく、エリアたちに駈けよった
「二人とも、凄かったわ。
数か月で、良くここまで覚えたわね。」
「アンジェ様!
どういうことですか。
何故、私たちが~。」
ちょっと ボロ(・・) 疲れた、二人が私に抗議するように言ってきた。
私が悪いわけじゃない、きっと今から同じ目に合うのだから
「エリア、イリス 今から私も同じ目に合うのよ。」
空を見上げながら、涙ぐむ。
何故だ、何故なんだ。
どうしてこうなった。
そうだわ。
「セルシ様、私は防具を付けておりませんし、立ち合いは危険なのでわ。
お父様たちに言って、また今度にいた いた しましょ。 ねっ。」
痛いのは、嫌だし。
どうして、こうなった。
全力回避だわ
「そうだな。」
『やった』
「一太刀、打ち合うことにしよう。
痛くも無いようにするから、問題ないだろ。」
いやいやいや、問題だらけだよ。
この世界の人間は、どうぢてこんなのばっかりなのかしら?
打ち込むにしても、防御しているのだから、攻める隙も無いし
ま だ 背が低いから、振り下ろす所も限られるし
『あっ』
しゃがんで、受けてもらえたらいいのでわ ハハハ~
(なーに、馬鹿な事を考えているんだよ。 早く終わらせて来いよ。
他人事だと思って、今日は付き添うだけで、こんなの予定にないのよ。
でも、無理だろ。 サクッとやられて来い。 フハハハハ
疲れるのも、痛いのも嫌なのよ。 今日の予定にない事はしたくない。
こういう物は、時間をかけるほど、きつくなるんだよ。)
仕方ない
さっと、終わらせる ケガもなく、痛くも無く
出来れば、手を抜いて
アンジェは、ブツブツ呟きながら、木剣を持った。
さあ、どうしたものかしら?
腕を、引っ張っても転がせそうにないし
(ダメもとで、逆袈裟斬りに持っていったら?
うーん 上からは無いよね。 セルシ様も、分かって待っているんじゃ?
だから、何時もの構えで、直前で軌道を変えるんだよ。 目隠しになれば良いし、一太刀で受けられてもかまわないだろ。 ついでに、回転も追加して見たら? 相手は、受けるだけだから、背を向けても、斬られることは無いぞ。
そうね、飛ばされることも 無いはずだわ。)
「作戦は、決まったのか。
さあ、何時でもいいぞ。」
やれやれ、男って物差しが、力が全てなのかしら?
私には、理解できないわ。
と思いながら、私はセルシ様の相手をすることになった。
そうして、今
私は、嫌々ながらも立ち合いをさせられている。
セルシ様は、剣を下げて構えているのよね~。
受け流す気満々なのでわ。
「セルシ様~
じゃあ、行きますよ~。」
私は、胸の位置に構えて、駈け寄ると
直前で回転して、右下から左上に斬り上げる。
『あっ』
回転方向で、来る方向がバレているわ。
でも、左利きだから少しは驚かせるかも
セシルからは、回転したアンジェから切り上げて来る斬撃に、受けるタイミングが遅かった。
払うことが出来ずにいたが、受けることは出来たので一太刀で終わりである。
剣が打ち合ったので、終わったとみんなが思ったとき
およ
後ろに回り込めそうだわ。
と、思った瞬間
剣を、放して横に入り飛びつくと背中にたどり着く
「アンジェ、何やってるんだ。」
「終わったので、おんぶをして貰おうと・・・」
「次は、こちらが打ち込むはずだが 」
「嫌ですわ。
受けきれる力も自信もありませんもの
木剣が折れて頭が割れる気がしますわ。」
『フハハハハ』
「そんなに、力を入れるつもりもないから、安心して構えていればいい。」
そんなはずはない
本当かしら?
背中で、悩んでいる私に セルシ様は
「剣を、頭の上で水平に構えていなさい。」
何をするおつもりなのかしら?
仕方なく、ズルズルと降りると言われたとおりに構える。
「これでいいの?」
「そのままだぞ。」
セルシ様は、そのまま剣を合わせると力を入れて押し込んできた。
やっぱり、頭を割る気だわ。
『あわわわわ』
私は、座り込み剣を下した。
「いいだろう。 これで十分だよ。」
優しいセルシ様に、戻ったようだわ。
嗚呼、頭が無事で良かったわ。
エリアとイリスが、寄って来た。
セルシ様は、お父様たちとお話をしているので、ちょっと休憩だ。
家に戻ると、ワイスが待っていた。
「アンジェ様、こちらへ。」
呼ばれるままに、ついていくと
トイレの前だった
「何なのよ。
こんなところに呼んで。
疲れたのよ。 大変だったのよ。」
「まあまあ。
そういわずに、見てください。」
ワイズに、言われるがままトイレに入ってみると
なんじゃこりゃ~。
出来てるじゃん。
もう出来たの
「これって」
「お待たせしました。
まだ、ここだけですが、下水の通してみました。」
得意げに、ワイズが説明してくれたが、早いだろ。
寝ずに掘ったのか
でもでも、これはいいものだ。
よくやったよ、ワイズは凄いよ。
アンジェは、疲れが少し和らいだ。
いつも、ありがとうございます(*‘∀‘)
タララッ タッタラー 筆者は、バテ気味になった。
薬草は持っていない(ノД`)・゜・。




