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第四十一話 お説教とまた出くわす

 昨日の、アンジェは見事にバレてしまった。

 それも、開き直って、夕食までおかわりするほどに。

 そして、遅くにアンジェとステフに説教を受けるエド。

「全く、どういうおつもりなのです。

 お父様だけならまだしも、大叔父様方まで娘の部屋にお越しになるなんて!」

「貴方、アンジェの言う通りですわよ。

 折角、ここなら見つからなと思っていたのに。」


 エドは、何故か静座をして話を聞いている。

「まさか、ごはんを食べているなんて思わなかったし、叔父もセルシも早く会いたいってさ・・・。」

 だんだんと、小さくなる声に、申し訳なさを感じる。

 ちょっとは、反省している様にみえる。


「貴方は、全く仕方ないですね。

 でも、娘の部屋に返事も無いまま入ってくるのは宜しくなくて!」

 お母様の、久しぶりのお説教は、エドの心にダメージを与えていた。


「すまん。

 分かったから、もう・・・」

 お父様は、最初は頭を下げていただけなのに、お母様に「そこに、お座りなさい」と言われて膝をついていたのが、だんだんとお尻まで崩れ落ちて正座みたいに。

 まぁ、背筋が伸びてないのは減点ね。

(まあまあ、正座の概念も無いだろうから、それくらいは許してやれよ。足が痺れて立てなくなるぞ。

 そうなの、ノブ達は正座をしていたから分かるのね。

 そうだぞ、慣れてない者がすると、痺れて立てないし無理やり立つと怪我までするからな。)


「お母様、もうそれくらいにしておきましょう。

 お父様も、悪気があってされたことでは無いのですから。」

「そう。

 アンジェが、許すなら私もこれ以上はエドを攻めるのは止めておきましょう。」

『ホッ』としお父様と目が合う。

『ありがとう~』

 とお父様の目が言っているように思えたその時。


「ところで、アンジェ。

 貴女もです。何故ですの。

 たった、数日が我慢できないのです。」

(おや、お母様の怒りが私に向いてるような。

 いや、その通りだろ。)


 私は、膝を付き手を合わせて、お母様を見上げる。

 隣で、お父様は顔色が悪くなっている。


「アンジェ、聞いているのですか!」


 私の足も膝も限界を迎えると、そのままお尻が着地した。

 正座の完成である・・・。

『チーン』

(正座ってこんな風に出来あがって伝わったんだわ。

 アンジェ、それは違う。)

 思わずして、久しぶりに、皆の突っ込みが一致する。


 何処からか、鈴の音が聞こえたような。


 アンジェが、限界を伝えようとした時には、お父様は俯き固まっていた。


 それから、アンジェも固まった。



 翌朝から、アンジェはアニーとミリーに足を揉みほぐして貰っていた。

 いやぁ。

 あれから、お母様のお説教が延々と続くとは思わなかったわ。

 もう、お父様なんて、カルビンに抱えられていたものね。


 私は、気づいてしまったの

 我が家の、本当の序列がね!

 そう、頂点に立つのは、お母様だってことを。

「ねえ、アニー。

 今日は、予定はあるの。」

 何故か、アニー達の冷たい視線を受けつつ

「特に、ありません。

 目だたない様に、ついておくように言い使っております。」

「まぁ、素敵だわ。

 転がっているだけで、良いなんて。

 お父様方は、何をしているのかしら。

 お母様は、どうしているのかしら。」

 私は、二人の事を気にかけているような振りをして、聞いて見る。


「エド様は、本日も打ち合わせでしょう。

 ステフ様は、ロッテと気分転換に買い物でもと街に行かれるそうです。」


 全く、お母様は、街へ行かれるなんて、うらやま・・・

 ん、んんっん。

 領民思いなのかしら。

(アンジェはさ。昨日の事、もう忘れてるでしょ。

 そそそ、そんな事ないはよ。視察もお忍びも、街や領民の事を思えば大事なお仕事ですもの。

 お前の場合は、遊びたいだけだろうに。

 チッ。

 おぉい。今、舌打ちしただろ

 気のせいですわ。 ちっ。)


「今日は、訓練も終わったし、私たちも街へ行ってみましょうよ。」


 アンジェの言葉に冷ややかな視線を向ける二人。


「もう、お忘れになったのですか!

 エリアとイリスからも言っておやりなさい。」

 おおう。

 エリアとイリスも、お目付けを頼まれているのね。


「まあ、それなら大丈夫でしょう。

 少し、見てくる程度ならお母様たちから見つかる事も無いでしょうし、打ってつけじゃないの。」

「今、行かなくても、またゆっくり見に行けばいい事です。」

 アニー達は、首を横に振る。


 暇をもてあそぶアンジェは、部屋に引きこもっていることに耐えられるわけがなかった。

 今度こそ、見つからずに、いられる場所を考えたのだ。

 何かを、忘れているアンジェに気づくことは無かった。



 何時もの、5人と街へ


 おっ、手を振ってくる子供達を発見する。

 セトにエル達だ。


(愛い奴よの~。

 な~に、年寄りじみたこと言ってる。年もほぼタメじゃん。

 いいのよ。気分気分~。)

「久しぶりね、みんな元気だった。」

「うん。私たちは、いつも通りよ。

 でも、お父さんたちは、急に人が増えて来て、何か心配してたよ。」

「ああ、俺の母さんは、前より治安も良くなってお客さんも増えたって言ってたな。」


「そうなのね。

 聞いたアニー、工事をやったかいが合ったはね。」

「そうですね。

 アンジェの言ったことで、ここまで街が変わるとは思いませんでした。」


 アンジェの得意げな顔に、不思議がる子供たち。

 しかし、ここで遊んでいるわけにはいかなかった。


「みんな、今日は用事があるのよ。

 また今度、遊びましょう。」

「珍しいね。アンジェが、遊び以外に用事なんて。」

「うっさいわい。

 私だって、いつも遊んでばかりいられないわ。」


 嘘である。

 いつも、どうやって手を抜くか、遊びに行くか、考えているのに友達の前では、見栄を張りたいお年頃である。


 アニー達は、分かっている様子で、生温かい目でアンジェ見つめている。


「さあ、急いで行きましょう。

 じゃあね、皆またね。」



 アンジェ達が、門を過ぎると、見違えた光景に驚く。

 大まかに、分けられた集落。

 それに、見覚えのない溝?堀が領都の壁に沿って掘られようしていた。


 いやいやいや、おかしいわ。

 わたしは、指示していないわ。

 何故、ここに堀を作ろうとしている?

「誰か、知ってるかしら?」

 アンジェは、アニー達を見るが、返事も無い。


 誰の仕業かしら?

(誰って、ワイズかアベルしかいないだろ。

 そうね。ここの担当だし、あとで聞いておかないとね。)

「アンジェ様、見違えるほど変わってしまいましたね。

 人も建物も、まだまだですが。もう、動き始めていますのね。」

 イリスは、感動しているのか、高揚した感じで話し始めた。

「何もなかった、ここに敵とはいえ、人が住みだそうとしている風景は、感じるものがありますね。」

 ミリーも、広がる景色の件化に感動している様だ。

 私も、ちょっと、いや少しは嬉しい気分になる。


「みんな、分かっているの?

 いくら、家が建っても人が住んでも、敵なのよ。

 気を許しては、いけないわ。」

 アニーのひと言で、皆の目が覚める。

「私は、覚えている。

 どんなに小さな戦いでも、皆が元気に戻ってくることは無いって、アンジェ様と教会で見た事を忘れることは無いわ。」

 アニーには、領都での悲しむ人の姿と声が思い出しているのだろう。


「そうね。

 その通りだわ。

 ここも、また戦場になる可能性があるわ。

 まだ味方とは言えない人には、気を引き締めておかないとね。」


 それぞれに、思いを巡らせながら、広がる光景を見つめいた。


 そろそろ、帰ろうと思ったその時だった。

「さぁ、今日はこれくらいで戻りましょう。」

 後ろを向いたとき。


「あ」

「え」

「あれ」

「えぇ~」


「またなのか、アンジェ。」

「ご、ご、ご機嫌よう~、お父様。」

「何故、ここにアンジェリカがおるのだ。」

 叔父様からも、驚きの反応が声に出る。

「何の格好だアンジェ。

 側におる者達の中には、昨日(さくじつ)の侍女もおるようだが。

 説明してもらおう。」


 駄目だ。

 正座は、嫌よ。

 お父様!頑張って、ここを切り抜けないと、また正座よ正座!


 しかし、エドにアンジェの思いは届かなかった。

 誤魔化す理由も見つからないエドは、自分は知らなかった、関係ないと

 そんな感じの目で見返す。


 腕を組み、余計な圧をかけてくる大叔父と『さあ言え』と言わんばかりの叔父が進路を塞ぐ。


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