第三十八話 女子会2
アンジェ達は、テーブルを囲むように座ると、お菓子に、果実水を飲みながら会話をする。
「ところで、アニーは想い人はいるのかしら?」
「アンジェ様、なにをいきなり。」
私の言葉に皆が、アニーを見つめる。
「私は、騙されませんわよ。アニーから、名前を聞きたいのよ。」
周りの視線を受けて、少し頬を染めるアニー。
「何を、勘違いしているのか分かりませんが、アンジェ様の侍女でそれどころではありません。」
何故か、皆が『うんうん』と顔を立てに振る。
げせないわ。
「アニー、そこまで隠そうとは、分かりました。
団長のマクミランとは何も無いと?」
アニーの言葉に、怯むアニーは、『はぁ』とため息を付く。
「急に、集めて何かあると思いましたが、人の事を早々詮索するものではありません。」
「でも、その顔から思うところはあるのでしょ。」
みんなも、また、ニマニマとしながら『うんうん』と頷く。
アニーは、少し諦めたのか言葉を選ぶように考える。
「分かりました。お話いたします。
マクミラン様の事は、お慕いしております。
ですが、お話しできるような事は、何もありませんわ。」
アンジェは満足げに笑顔を見せる。
「でしょう。私の観察に間違は無かったわ。
では、皆の恋のお話もこの際、お話ししましょう。」
アニーの、ホッとした顔に引き換え、ミリー達の顔は引きつっている。
「ミリーは、何方かいらっしゃるの?」
「いえいえ、そのような方は、いません。」
アニーは、『ホッ』としつつ、ニコッっとミリーを見つめる。
アンジェは、それを見逃さなかった。
「ミリーは、ハンスってところかしら?」
「な、な、なにを、仰っているのですか。
ハンス様と私じゃお相手になりませんよ。」
今度は、ミリーに皆の視線が向けられる。
「団長と副団長も、もう結婚していていいのに、まだ独身ですもんね。
でもでも、アニーとミリーがお相手では、他の方の入る込む余地は無いですね~。」
モーラの残念そうに言う。
「私も、お相手がそろそろ見つけたいのに。」
更に、愚痴っぽくモーラは、拗ねる。
「あの筋肉が良いの?ハンスの顔の傷に、惹かれてかしら?」
エリアが、可笑しな質問をする。
イリスが、咄嗟にエリアの腕を引っ張るが、アニーの顔が少し引きつっている事には気づいていなかった。
「エリアさん、筋肉とは何ですか!
何方の事かしら?ねぇ。」
アニーは、エリアだけでなく、イリスとアンジェにも向けられた。
「ど、ど、どなたって。
あ、あの団長の素晴らしい筋肉の事を言ったのでは。
鍛えられた筋肉が素晴らしいかと。」
イリスが、フォローする。
「そうですよ。団長の筋肉が凄いと思って」
「そうね、アニー、別にマクミランが筋肉って事じゃないのよ。
まあ、共感としての筋肉はマクミランへの愛称だけどね。」
アンジェまたも、自爆した。
「分かりました。特別に私たちから、鍛錬をもっとしたいとお伝えしておきますね。」
アニーとミリーは顔を合わせて笑顔で返す。
イリスは、巻き添えを、アンジェとエリアは返す言葉が浮かばないようで、ぐるぐると目を回す。
イリスは、ミリーは何故と思い聞いて見た。
「ミリーは、どうしてなの?
想いの方でも、兵士に傷はつきものだし副団長の場合は、それが良いとか思うのだけれど?」
「何故?
もうお忘れになったのですか?
最初に顔を合わせた訓練から、何を言ったか?ねえアンジェ様。」
既に忘れ去っていたアンジェは顔を傾けるだけで思い出せない。
「あぁ。アンジェ様の事は、皆さまで情報が共有されているのですね。」
イリスは、諦めてまとめた。
「まあ、今宵は楽しくお話をする為に集まっているのだから、このお話はまたの機会にね。」
アンジェは強引に、話題を変えようと必死だった。
周りも、楽しく過ごしたいのは同じだったので、アニーとミリーの恋話は終わった。
「モーラは、もういいわね。
まだ、恋する相手もいないようだし。」
アンジェは、ひと言多く、時に心を抉るような一撃を与える。
「アンジェ様、それは酷いではありませんか。」
モーラが、呟くとミリーが頭を撫でて慰める。
「そんなつもりは、無かったのよ。でも、モーラは、今は好きな方はいるの?」
「今は、まだ。
でもマクミラン様やハンス様のように、強くてお優しい方がいらっしゃればと思っています。」
すると、アンジェとエリアとイリスがハモった。
「優しいですって!」
また、アンジェの口は、余計な言葉を吐き出す。
「もう、鍛錬、鍛錬ってスパルタよ。
優しさの欠片も無いわ。それ」
「それ以上は、お止めください。」
咄嗟に、エリアとイリスが、アンジェの口を塞ぐ。
「なにひゅるのよ。」
「アンジェ~、鍛錬が足りないようねぇ~。」
アニーとミリーは、頷くと。
「お仕置き、三倍!」
エリアとイリスは、もううなだれてガクガクと震えていた。
エミーは、仕方なさそうに次の番へと話を進める。
しかし、エリアとイリスも、モーラと同様にお相手の『お』の字も無かった。
「でも、モーラは年齢的にもまだいいけど、皆は貴族でしょ。
婚約とかしてもおかしくないでしょう?」
「いえいえ、私もミリーも男爵家の出身だけですし、アンジェ様の様に侯爵様の直系に繋がる訳でもないですので、後2.3年はこのままでも問題ないですよ。
それより、エリアとイリスはどうなのです。」
(アニーもミリーも15歳だから、18歳くらいがリミットなのかな。)
「私は、騎士爵家ですし貴族と言っても良くて男爵や大店に嫁ぐ感じでしょうか。
今は、考えてもいませんが。」
エリアは、少し笑いながら話してくれた。
(エリアは、17歳だけど大丈夫なのかしら?3年後に生気が抜けてなければいいけど。)
「私は、諸事情というか。
ハイド伯爵領の男爵家ですが、婚約から逃げてリヒタル子爵軍に入隊して先伸ばしているので、少しでも時間を稼ぎたいとか何というか。」
「えぇ、何で?お父様やお母様は、許して頂いているの?」
イリスは、とんでもない事を言い出した。
「伯爵様からお父様にも婚約の仲介の話が合ったのですが。
花嫁の作法など、合わなくて・・・正直に刺繍など下手ですの。」
(何てこと、言い出すのよ、この子は。16歳なのに私より、斜め上を行っているのでわ。)
「えぇ~。
ハイド伯爵からの仲介を断ってきたの!
大丈夫なの、お家の方は?」
「ええ、それはお父様から猶予を頂いています。
無期限ですが。それに、今の軍属でしたら早々に辞めさせることも出来ないと聞いていたので。なので、伯爵や家じゃなくて、こちらにお世話になっているのです。」
(綺麗な顔して、不器用なんて。じゃなくて、生き方も、不器用だわ。)
「皆の事情はよーく分かったわ。
アニーもミリーの事も、応援したいわ。
それと、エリアとイリスは、私と淑女のお稽古も一緒にいかがかしら?
良い相手を探して、婚約ぐらいしなさいよ。
モーラは、このままでいわ。侍女として問題ないし。」
アンジェは、エリアとイリスが、心配になって来ていた。
いつも、皆は私を心配してか?過保護に、なっているけど、この二人はそれ以上だわ。
それからは、休日や趣味に人気のお店の話をして、ベッドに横になると、アンジェは、アニーに抱き着くように直ぐ、眠りについた。
(いや~、今日は大収穫だったな。女子会なんてと思っていたが。
お風呂は良かった。目に映る写体を頭に記録するのに全神経を集中したからなぁ。)
ノブを始め、皆は如何わしい事に、夢中になっていた。
多分、復活です。
また、よろしくお願いします(≧▽≦)




