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妖古コン東西  作者: MUZIHO
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第二話

「ただいま」


帰宅すると台所で料理を作っている母さんが話しかけてくる。


「お帰り信太。今さっきニュースなんだけどあんたも気を付けなさいよ」


なんでもこの近くで殺人事件があったらしい。学校からも連絡がスマホに来ていた。なんでも成人男性が、全身の骨を折ってなくなっていたらしい。犯人は今だにわからず夜に一人の外出は極力避けるようにとの事だ。


「強盗殺人でも無いそうだけど世の中には訳の分からない人も多いからね」


「はいはい」




(しん)おはよう。なんかつかれてない?」


そう声をかけてきたのは茶髪の少し細身の男子、友達の武田駿(たけだしゅん)。運動神経抜群でまだ上級生がいる中でも活躍するバスケ部のエースだ。


「おはよう。所で一ノ(いちのせ)は?」

「体調不良で今日も休み」

「またか……」


一ノ瀬智樹(いちのせともき)、武田とは違い運動神経は良くないが授業態度も良い優等生で体が弱く休みがちな所が玉にキズの黒髪ぱっつんの同級生。

二人とも小学校の時からの親友だ。


「ハチ君が亡くなって悲しむのは分かるけどいつまで引きずっててもハチ君は喜んではくれないぞ」

「分かってるよ」

「ハチ君もそんな君を近いところで見守ってくれるさ」


実際近くにいるんだけどね。

まぁ、駿なりの励ましだろうと受け取り話を進める。


「疲れてる様に見えるか?」

「全身から吹き出るオーラがまさしくね。そう言えば左手の甲はどうしたんだ?」


そう言われて左手を確認すると手の甲に鳥居とそれを囲う丸が痣のように浮かび上がっていた。


「なんだこれ?」

「特に害が有るわけでも無さそうだし大丈夫かな?」


いや、勝手に決めつけないで欲しいけど……。

まぁ、良いか。


「所でどうしたんだよ。もうすぐHRが始まるぞ」

「今日は部活が休みみたいでさ帰りに(とも)のお見舞いも兼ねて家に行こうぜ?」

「部活が休みって昨日やってた事件だろ?危なくないのかよ」

「明るいうちに行って帰ってくれば大丈夫だろ?」

「分かったよ。じゃ、また後でな」


話が纏まったタイミングで担任の先生が教室に入ってきてそのままHRが始まった。

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