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Reversal World  作者: せーりゅー
最弱の錬金術師
8/46

とある冒険者の出会い

~ある大陸の端に位置する村にて~


近くにある森の動物から守る為の木製の壁が目立つ村の前、その玄関に当たる門から中に入る数台の商隊の馬車が村を賑わせていた。


商隊は歓迎された村人達によって開けた場所に案内され、商隊に所属している使用人や護衛が荷物を降ろす中で、それとは別に護衛の依頼を受けた冒険者達は長旅の疲れを癒すべく各々散らばっていった。


その中にいる見た目では男か女か判断がしづらい中性的な見た目をしたトゥールもその冒険者の一員だ


ちなみに彼は男である

紛らわしい見た目に声も若干高く、無邪気な性格をしているので間違ってよく同性からプロポーズされ、その度に「僕は男ですよ?大丈夫ですか?」とどっちとも取れる言い方をきょとんとした顔で言い放ちやがるので毎回こっちが相手の心配をせざるを得ず、マジで本当にこいつは幼なじみじゃなかったら付き合ってらんねえよ


「よっし!これで無事に依頼半分達成!後はちょっとここの手伝いをして帰るだけだね!」


ほらまたこれだ、危険も無く着いたから体力が有り余ってやらなくていい事までやって好感度爆上がりでまた来るんだよマジでなんなのこいつ俺の苦労分かれや何で俺が野郎のフォローしないといけないんだよバカたれが


「じゃあまた薬師のおじさんの為に森で薬草採ってこようか、多分また在庫を切らして困ってると思うし」


あのじいさんな、じいさんには世話になってたから良いがそれ以外は絶対止めとけ、ろくな事にならん


「よしじゃあ消耗した道具も無いからこのまま行くよ、ちゃんと付いてきてねみゃーこ」


「みゃー」


⋯何だよ悪いか、散々ボロクソ言ってた奴が猫で

元々人間の男だったんだよ


けどこいつがダンジョンの罠で危なかった所を身代わりになって、気づいたら猫になってて拾われてたんだよ

⋯自分でも意味不明だしこいつも悲しんでたから詳細は聞けずじまいだが、まあいいだろ別に


とりあえず今の俺はメス猫のみゃーこだ、どうせ元には戻れねーし名前も気に入っちゃいねーがほっとけないこいつに付いていけるだけで充分だ









薬草を採りに森で一時間、トゥールと俺は周辺を警戒しつつ順調に薬草の採取を進めていた

とはいえトゥールの役目は俺が見付けた薬草を採取させるだけで他には一切触らせてない

こいつに採取させると毒草やら毒キノコばかり知らずに集めやがるから止めさせた方が安全だからだ




きっかけはレッサーウルフが何かから逃げてるのを遠くから見た時だった

微かに感じた異臭に、最初はアンデッドから逃げているのかと思っていた


けどアンデッド特有の嫌な感覚が無く、トゥールが全く警戒してなかったのもあり、とりあえずは無害だろうと一旦警戒を解いたのだが⋯



くっさい

肉食動物が居なくなっていいけどくさい

原因はあの森の奥でもぞもぞして非常にゆっくりとした速度で近付いてくるあのぼろ雑巾みたいなやつだろう


⋯トゥールに調べてきて貰うか



「みゃーん(おいトゥール、見てこい)」


「ん?何だいみゃーこ、あっちに何かあるのかい?」


「みゃー(そうだよ一人で見てこい)」


「分かった、じゃあ一緒に行くよ」


「みゃっ!?(ちょっ待て!持ち上げるな!)」


「大丈夫だよみゃーこ、僕が守るから安心してね」


「みゃっ⋯ぎにゃー!!(待っ⋯ぐえぇぇ!?)」


「え!?みゃーこ?みゃーこー!?」


正体を探る為にトゥールに行かせようとしたのは良かった

ただこいつは臭いがまだ届いてなかったのか俺を抱き上げて、あろうことかダッシュで臭いの元に向かったものだから速攻で耐えられなくなり気絶する羽目になった


マジで⋯⋯目が覚めたら絶対顔ぶん殴る⋯⋯⋯




これが後に聞いた、真っ白女と俺達の出会い

⋯らしい

出会い(2人と1匹の内1人しか意識のある人が居ない)

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