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Reversal World  作者: せーりゅー
最弱の錬金術師
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辺境の森

目が覚めると、知らない緑が広がっていた。

ここはどこだろうか?木によって光は遮られて暗く、周りを見てみても木の根や蔦に遮られてあまり良くは見えないが⋯⋯


てかそもそも何でこんな良く分からない場所に居るんだったっけ?この前は確かイベントに参加して⋯


目が覚めたばかりの頭でどうでもいい事ばかり考えていると、少し遠くの方から動物の遠吠えみたいなのが聞こえてきた。


そういや森だし敵も湧くよな、相手の強さも知らないしとっとと移動しますか


とりあえず移動しないと危ないと感じた俺は、目が覚めてからずっと座っていた体勢から立ち上がろうとして、そこで漸く自分の身体の異常に気が付いた。


「⋯ん?何か足が⋯!?」


声が⋯高い

足も感覚が無い

良く見たら足に大量に針が刺さってるし、そのせいか全身に殆ど力が入らない


「何だこれ⋯クソゲー始まったか?」


身体の異変に気を取られ、気が付けばさっきの声の主だろう狼が3匹、俺を囲む形で接近し唸り声を上げていた。


見た感じ、ホワイトウルフか⋯

明らかに調子が悪いけど武器さえ出せば!?


とりあえず手元に武器を出す為にインベントリを開き、何時もNPCや動物系エネミー相手に使う氷竜牙の細剣を出すと、普段なら片手で軽々と扱えていた筈の重さが両手で持とうとしても全く持ち上がらない程に重くなっていた。


更には武器を出したのを見たホワイトウルフが反応し、正面に居た一匹がまだ何の準備の出来ていないのを見て即座に飛び掛かってきた。


「クソッ!とにかく盾だ、確かこの辺にっ!」


武器を持てないのが分かった俺は狼が動き出したタイミングで他の武器を出すのを諦め、身を守る為の盾を素早く取り出した。


「聖銀の盾だ、それとこれでっ!」


しかし、その選択は予期せぬ原因から完全に裏目に出た


出したタイミングは完璧で狼が噛み付く瞬間に出した為、攻撃は完全に防げた。

だが防いだ衝撃で木に挟まれ、軽く盾に打ち付けられ、更にはその盾に触れた場所が焼けるように痛み出した。


「ぐっうううぅー!?」


盾が痛い

盾に触れた手が焼ける

そもそも何故ゲームの筈のここで痛みが?


頭の冷静な所が痛む身体の事を無視して自分を分析している


⋯幸いこれ以上襲われる事は無い

冷静な部分があるのも盾と同時に出したアイテムのお陰で安全が確保されたからだ。


【獣避けの悪臭袋】

動物系エネミーの遭遇を避けるこれには、嗅覚の鋭い犬や狼の遭遇率が0となり戦闘も終わらせる事が出来る効果があり、今回はこれに助けられた。


「ハァ⋯ハァ⋯⋯⋯ヤバい、これじゃ死ねる⋯」


「とにかく安全を確保しないと⋯剣と盾はインベントリに⋯悪臭袋は臭いけど着けてないと⋯」


盾に打ち付けられた時にチラッと見えた家、朽ちてはいるけどまだ形は残っているし入れば⋯


距離にして10m位、特に障害物もない地面は普通に歩けば数秒あれば余裕で移動出来るのだが、何が原因か足が動かず力が出ず体力も尽きかけた俺には辿り着くのに非常に長い時間這いずり続けなくてはいけなかった。

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