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Reversal World  作者: せーりゅー
錬金術師の少女と謎多き少女
35/46

辺境の街と治療と不思議(下)

「じゃあ早速だけど、痛みで暴れないように先に身体を固定させて貰うよ」


「ちょっとキツく縛っちゃうけど、暴れて怪我したら大変だから我慢してね⋯⋯シエル様どうかな?痛い所は無い?」


痛くはない、痛くはないんだけど⋯

ベッドの上で大の字に拘束されて、これから男に足を触られて苦痛を味わうというのは、絵的に大丈夫なんですかね?

メイドさんの他にアシスタントらしい女の人がもう1人いるし、先に痛いのは伝えられてるから仕方ないんだろうけど


「よし大丈夫そうだね、それじゃ治療開始。⋯アシスタントさんは痛み止めの魔法と布で足が見えない様に目隠しを、メイドさんはシエルさんの状態を確認して、辛そうなら適宜対応してあげて下さい」


「一応痛み止めの魔法でかなり楽にはなりますが、これは今だけです」


「今は魔法を併用しないととても耐えられないので使用しますが、シエルさんの場合、下手に魔法を使えばそれだけで力が抜けてしまいリハビリどころでは無くなりますので、基本的に使用は禁止です」


ああなるほど、魔法なんて魔力の塊だから⋯

ってなんかアファさん口調変わってない?


「では今から神経を再生する為に足を切開します、感覚は無くても変な違和感が出ますので我慢して下さい」


⋯ちょっとむず痒い感じが来た


「次に神経再生に必要な触媒⋯これは知らない方が精神的に楽なので伏せますが、これを神経の途切れている境目に魔力で作った糸で縫い接合」


「それってなぬいぃっ!?」


「切開した際に出た血とこの薬品と合わせ、本人の身体に優しい薬液を作成、更にこれを再生を促すポーションに混ぜる事で触媒の活性化を計ります」


「~ッ!?」


「最後に切開した足を糸で縫合し、再生魔法をかければ第一段階は終了⋯ふう、やっぱりプレイヤーのいる今の時期なら衛生面や過程をある程度省略出来るから楽だね」


「⋯ごめんね、いくら痛み止めがあるって言っても手早くやろうとし過ぎたみたいだ」


「これも出来る限り負担をかけさせない様にやった事なんだけど、やっぱりこの辺は本物の医者みたいにいかないや」


「⋯アファ様、シエル様は今ちょっと聞いていられない状態ですので、暫く安静にさせてあげないと」


「そうだね⋯どちらにせよ後は暫く再生魔法とポーションに浸した包帯を巻いて治さないとだから安静にさせる予定ではあったし、今日は長く続くように魔法をかけて休ませようか」


「そうして下さい⋯今は隠しているので大丈夫ですけど、人に見せちゃいけない顔になってましたから⋯」








どうも夜中にこんにちは、起きたら新しく足の感覚が増えたシエルです


記憶を失った影響か、足の動かし方を忘れてて、僅かに感じる足の感覚に違和感を感じるんだよな


⋯まあいい、再生魔法の影響か動けないし、全身が気だるくなってるから強引に寝るに限る




「シエル様、朝ですよー起きてくださーい!」


⋯朝か


「おはようございます⋯」


「シエル様おはようございます!朝食の準備と、これからの予定についてアファ様から聞いてきましたのでお伝えします」


「⋯身体が動かない」


「その事についてですが、シエル様は足の神経が完全に再生するまではアファ様が定期的に再生魔法をかけていくとの事で、暫くその状態のままなんだそうです」


⋯マジで?首しか動かせない状態で寝たきり生活をしろと?


「安心して下さい、動けないシエル様の代わりに私が全てのお世話をする事になりましたので、必要な事なら何でも言って下さい!」


⋯なんでだろう、ただ1度メルニスさんに説教された時以外はちゃんとしてた筈なのに、めっちゃ不安なんだが


「そしてなんと!今だけでなくこれから先の旅にも付いていくようにとの命令で、私も旅に加わらせて頂きます!」


「ええ⋯⋯こんな状態の自分が言うのもどうかと思うけど、メイドさんって戦えるの?」


てか現状戦えるのが戦闘力未知数のトゥールさん位しかいないのに、負担が増えるような事はしたくないぞ


⋯とそこまで考えた所で、部屋の扉が開く音がして、誰かがこの部屋に入って来たのが分かった


「それについては私がお教えしましょう」


「あ、メルニスさん」


「申し訳ないですが、エルメアさんは1度退室して頂きましょうか。この後の説明をスムーズにする為に」


「分かりました!では暫く窓の掃除に行ってきます」


「話が終われば交代しますので、それまでは頼みますね」


⋯あれ?なんかまたモヤモヤしてきた


「⋯さてシエル様、先程の会話に何か違和感を覚えませんでしたか?」


違和感⋯か


「⋯何かはよく分かりませんが、モヤモヤする気持ちはあります」


「それだけでも充分です。⋯実はあの子は、トゥール様が連れてきた方でして、かなり特殊な力をお持ちなのです」


特殊⋯とな?


「その力は完全には把握しておりませんが、人以外の生物と敵対せず、人に対しては強力な知覚妨害を無差別に発揮している⋯というものです」


「無差別とはいっても本人には自覚は無く、また記憶喪失で名前以外何も覚えてないらしく、力については私達で検証した分以上は不明な部分が多数残っている状態です」


⋯なるほどつまり?


「シエル様が感じた違和感はあの子、エルメアさんの知覚妨害による影響で名前を忘れた影響ではないかと思われます」


忘れた影響?忘れた⋯忘れた⋯⋯


「ああそうだ確かに!そういえばあの時聞こうとして一瞬で忘れてたんだった」


「⋯普通なら違和感どころかそんな人がいる程度にしか感じないものなのですが、シエル様はやはり違いますね」


「話はここまでにしておきましょう。何故私が知覚出来るかはあの子が教えてくれますし、何より久しぶりにちゃんと話せる人が出来て嬉しそうな時をあまり邪魔したくありませんし」


「⋯あの子は旅に連れていっても問題無いのは私が保証します。とはいえ暫く後にはなりますが、その時はあの子が嫌がらない限り連れていってあげて下さい」


「⋯分かりました、その時は是非」


⋯なんか話す時間が変じゃないとか、朝飯食わせて貰いながら聞くようなものじゃないよなとは思ったけど、メルニスさんのエルメアさんを思う気持ちはよく理解出来た


⋯今までほとんど見向きされなかったから嬉しかったんだろうな



神経再生に使った謎の触媒、無駄に長い設定を思い付いたけど、書く機会がなさそうなので軽く紹介程度に

名称・カオスエイリアンワーム

魔力を持たない動物に寄生する魔物で、寄生された動物は高い再生能力を獲得し、異常行動を取り群れから孤立する習性がある

見た目は50cm程度の極彩色の毛虫で、寄生すると全ての毛を寄生対象に刺す為、同じ個体が複数に寄生する事は無い

触媒として使ったのは寄生前の個体の腸部分

ワームが寄生すると、内臓がその生物の部位に対応した部分に変化をする特性を持っており、活性化させる事で特性を発動させて再生治療に利用した⋯というもの

ちなみにプレイヤーの居ない時期なら、触媒の洗浄及び加工、患者の体調を完璧な状態にした上で衛生面を万全にして、医療設備を完備した部屋で神経を一切傷付けず時間をかけて手術をする必要があります

それでも感覚が鈍くなった部位にしか使えませんし、切開して神経に触媒繋げて薬液かけてはい終わりになんてしようものなら死ねます

確実に死ねます



エルメアの力、知覚妨害についての補足

知覚妨害は妨害を受けてからの時間の経過により強固なものとなり、知覚出来ていない状態から3日も経過すると、最低限のどういう仕事をしているかという情報は残るものの、どういった人物か、名前や性格はどういったものかが記憶に残らなくなる性質を持つ


急に説明し出したのはこれが原因

3日後には違和感すら無くなって、エルメアからどうやって接しても永久的に他人関係で固定されるので、早めに説明をする必要があったという事です


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