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Reversal World  作者: せーりゅー
錬金術師の少女と謎多き少女
32/46

辺境の街と足の治療の始まり

能力の把握、もとい簡単な遊びが終わり、ナカザ王子が大変満足そうな表情をしながらノートらしき本に結果を書き込んだ後


手持ち無沙汰だったトゥールさんが淹れた飲み物を飲んで少し休憩を挟み、次の話に⋯


「いや素晴らしい結果だった。少し見ただけで全て暗記し正解するとは⋯途中から珍しくメルニスが意地になって意地悪な事をし始めたが、それでも「殿下、いい加減にして次の話に移りませんといつまで経っても終わりませんよ?」⋯すまない、本当に珍しかったものでな」


⋯次の話に移ったのだった




「さて、君の実力が一部とはいえ示された事によって、支援を行うに値する人物であるとギルドとして判断する訳だが⋯」


「⋯すまない、正直トゥールから提出された資料では君は⋯シエル君は呪いの影響から回復ポーションの供給が精一杯なのではないかと考えていた」


「だがメルニスとのやり取りを見て、シエル君にはトッププレイヤーの中でも非凡の才能を持っているのを感じ取れ、考えが間違いであることに気付かされたのだ」


「そのお詫びとして、支援の一環として元々紹介のみ行う予定だった足の治療が出来る医者について、こちら側で治療費を全額負担させてもらう事にした」


「足の治療か⋯⋯って出来るんですか?」


医療に関してはさっぱりだけど、街を見てて病院みたいな建物も無かったのに、そんな技術があるんだろうか?


「出来なければわざわざ出来るとは言わんよ」


「彼は以前、魔物との戦闘で腕を切断された兵士の治療を担当していたのだが、初めて「はい殿下、話が長引くのでそこまでです」⋯つまり経験があり治療は可能、という事だ」


⋯もしかして王子って話がいつも長かったりするのかな?

止められて一瞬やらかしたって顔してたし、メルニスさんもいつもの事みたいな態度だったし


「ただ治療にはどうしても時間がかかるし、シエル君にはかなりの苦痛を強いられるが⋯それでも構わないか?」


⋯まあそれは妥当だろう

俺自身は無かったが、たまにテレビで大怪我をして試合に出られなくなったスポーツ選手が、治して復帰する為にリハビリをしている所をやっているのを見てつらそうな感じがしたしな


でも⋯だ、それでも俺は⋯


「⋯ではお願いします、このまま移動を手伝って貰いながらいくんじゃどうやっても詰みますから」


目標の1つが最初の街で達成出来るならば、例え中々成果が出なくても、激痛だろうが精神的苦痛だろうが我慢してやるさ






場所は変わり、冒険者ギルドの前

少し待っていてくれと言われて俺とトゥールさんは、近くの料理店で待機してたのか妙に美味しそうな匂いがするみゃーこと合流していた


そして物凄く目立っていた


「みゃーこ、僕は一緒にいるように言っていた筈だよね?それなのに何で君は離れてたのかな?」


車椅子に座ってみゃーこを膝に乗せて顔をフードで隠した俺に、パッと見で判断しづらい容姿をしたトゥールさんが怒った表情で話している状態は、端から見ると説教している様にしか見えず、通り過ぎる人達からの注目を集めてしまっていた


⋯本当は送ってくれたんだけど、言うなって言われてるからな


「よし、探していたトゥールの相棒もいるな」


「あ、王子早かったです⋯ね?」


「ん?どうした、この格好は似合わないか?」


「⋯いえ、非常に似合ってますが⋯⋯何故ギルドの受付嬢の制服を?」


格好だけなら受付嬢らしいのだが、立ち振舞いがさっきと変わらず王女らしいものなので非常に不自然な感じがする


「その事か、私はさっき言った通り特殊でな」


「その事から帝国のバカ共に狙われ続けているもので、ギルドの受付嬢の格好で変装をしないとまともに外に出る事すら出来んのだ⋯なのでこの姿の時はどちら側だろうとアニスと呼んでくれ」


「分かりました⋯ところで、メルニスさんや護衛は居ないんですか?変装しているとはいえ、襲われない訳じゃないと思うんですが⋯」


「それについては問題無い。狙われているのは確かだが、帝国の奴等が勝手に決めたルールとして、冒険者ギルドの受付嬢には危害を加えないというのがあってな」


「こちら側から手を出さなければ奴等は絶対に何もしてくる事は無いので、1人で行動している訳だ」


「ちなみに手を出さない理由としては、冒険者ギルドが無いと世界がつまらなくなるだろうから⋯だそうだよ、好き勝手やってこっちは迷惑してるのに本当腹が立つよね」


「全くだ⋯さて、医者の所に向かうとしよう。先に向かわせたメルニスを待たせるとネチネチ小言を言われかねないからな」


「それにしてもこの服は少しキツいな、たまにしか着ないとはいえ新調すべきか⋯」


そう言ってナカザ王子⋯もといアニスさん?は大きな胸を押し込めて窮屈そうにしながら長い金髪をポニーテールにした姿で、こっちだと先導し始めた


声に出しては言わないけど、精神的には男な俺には目に毒なんだよなあ

スタイルが良いし、精神的には同じ男なのもあって綺麗な動きをしている反面で、ちょっと無防備な所があってヤバい


⋯どうせ前を見なくていいしみゃーこを見てるか






暫くみゃーこを見続け呆れられたりしたものの、無事?に医者の居る建物まで着いた


「なんとなく予想してたけどやっぱりか⋯」


王子がわざわざ案内していた時点で予想はしていたけど、やはりと言うか領主の館にいるらしい事が分かった


「領主は今無龍の被害の確認とかで忙しいから居ないけど、また後で来る事になるから覚えててね」


⋯会うの?領主様に?


「それは当分先だから気にするな、今は足の治療に来たのだからその事を優先するべきだ」




先に待っていたメルニスさんに扉を開けて貰い、館の中を進んでいく事少し⋯

人の居ない廊下を進んで突き当たりの部屋に入ると目的の人物は居た


部屋に入るのは俺とメルニスさん、この後の事を考えると男は居ない方が良いだろうとの判断らしい

⋯俺も男なんだけどなぁ


「初めまして、今回のトッププレイヤーさん、先にメルニス氏から話を聞いているよ」


「はい、初めまして」


目的の人物は、薬品が大量に棚に並べた研究室に居た

服装は黒いローブに眼鏡で、何か模様が刻まれている手袋を着けた、目の下にホクロが特徴の男性だ


「時間がかかるから早速⋯といきたい所なんだけど、一応確認ね」


「僕は医者とは呼ばれてるけど、実際のところは治療系の魔法が得意な研究員だ」


「足の治療は1度やった後に研究もしたから出来る自信はあるけど、治療に伴って発生する痛みはどうしても酷いものになると思う」


「でも1度始めれば途中で止めるのは出来ない。僕のやり方だと中途半端に止めると悪影響が出てしまうし、なにより僕が嫌だからね」


「⋯それでもやるかい?ここで止めて他の方法を探すのもアリだと思うよ」




「やります、なんとなくですけど早くまともに戦える様にならないといけない気がするんです」


忘れている何かが⋯


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