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Reversal World  作者: せーりゅー
錬金術師の少女と謎多き少女
30/46

辺境の街と冒険者ギルド(中)

ソファーで座ったまま、特に意味もなく部屋を眺めている事数十分

部屋の外から誰かがノックをしている音が、会話を終えて静かになっていた部屋に響き渡っていた


「戻ってきたみたいだね⋯っと忘れてた、ごめんごめん今開けるよ」


窓を開けてみゃーこが来るのを待っていたっぽいトゥールさんは、ノックの音に反応はしたものの、開けに行くまでに何度か外をチラ見していた


「ごめんね、ちょっとシエルちゃんと一緒にいた筈のみゃーこがどこかに行っちゃって、そっちに気を取られて忘れてたよ」


「頼むから覚えててくれ⋯男の時なら良いがこっちだと力仕事は大変なんだ⋯」


「それ毎回メイドさんに頼んだらって言ってるんだけどね⋯君が意地を張るから皆困ってるの知ってるかい?」


「それはだな⋯⋯ああもう今は後だ、お前が連れてきたお客さんをもてなすのが先だ」




「すまない、さっきまで面倒事の対処に手間取っててな、昼時なのもあり昼食を用意させて貰った」


「食べながら聞いて貰うつもりだが、その前に1つ確認したい事がある」


「それは俺⋯いや私もあるのですが、聞いてもよろしいでしょうか?」


「敬語は止めてくれ、多分この格好で判断したのだろうが、私はお飾りみたいなものでメイド達が着飾らせてくるから仕方なくやってるのだ」


「なら謙遜は止めてくれ⋯そもそも君がお飾りならこの辺一帯の安全どころか複数の街を維持出来る筈がないんだってば⋯」


なんかトゥールさんが嫌な顔をしてる⋯


「久しぶりだったから完全に忘れてたよ、いつも君に会わせようと誰かを連れてきたら絶対こういう風になるのを」


「だがこれは事実で「事実だったら僕は何も言いません」優秀なのは兵士達で「それは指揮官の君が優秀だから」だがこれは姉さんの教えが「それに加えて臨機応変に対応してる時点で立派に出来てるわこの自称脳筋王子!」自称ではない!」


うわー⋯なんて頑固なんでしょうかこの王子様

⋯うん、やっぱり精神は男だったんですねこの人


いや最初はドレスを着た女性が綺麗な動きで入ってきたから貴族の人なのかと思ってたんだけど、話し方が男っぽいし、妙に違和感があったから納得だよな


「失礼致しますシエル様。暫くの間王子様とトゥール様の口喧嘩が収まりそうにありませんので、お先に王子様直々に御運び下さった昼食を御召し上がり下さい」


「うひゃい!?」


びっくりしたぁ!?


「驚かせてしまい申し訳ありません。私、メイド長をさせて頂いているメルニスと申します」


「シエル様の事はトゥール様から予め情報を頂いておりますのでご安心下さい」


「ただシエル様の好みにつきましてはまだ理解出来ていない部分がありますので、お出しする昼食の中に好まれない物が入っている可能性がある事をご了承下さい」


⋯気が付いたらもう既に昼食がセットされている

しかも最初王子が持ってきたパンとベーコンエッグの他に無かった筈のコーンスープが増えてやがる⋯!


「失礼、食事がしやすくなる様に少しお身体の方を触らせて頂きます⋯これでどうでしょうか?」


「えと⋯はいありがとうございます⋯」


⋯はっやい、もう何十回と繰り返してきたみたいに迷いなくクッションやら足置きをセットして小さ⋯自分でも食べやすい姿勢に変えたよこのメイド長


「ではごゆっくり、あのお二方は言いたい事を言い終えるまではあの調子ですので気にせずお食事をお楽しみ下さい」


「はい、なんか色々ありがとうございま⋯⋯もういない⋯」


ちょっと飯や二人に目がいってる間にもう部屋から出ていったのかよ⋯忍者かあの人?






昼飯、とても美味でした。

王子の用意していただけあってパンはふわふわ、ベーコンエッグは見た目は普通なのにめっちゃ旨い

コーンスープはあまうまでした


⋯俺はどうやら甘い物が一番の好物になったっぽい

男の時はそこまで好きじゃなかったんだけどな




話は戻り昼食後、俺は食べ終わったのを見計らい部屋に音もなく入ってきたメイド長さんことメルニスさんに、まだ言い争っている二人の事について聞いてみる事にした

ミルクティーうまー⋯


「お二方の関係ですか⋯ではシエル様、トゥール様についてはどの程度知っていますか?」


どの程度?


「んー⋯⋯男だっていう位?」


「⋯そうですか、では私からは異国の友とだけ、後は本人に直接聞くのがよろしいかと」


軽い話題程度に聞いてみただけなのになんか重要そうな感じがする⋯

まあいいや、なら別の話題にしようか


「じゃああの王子様?は元プレイヤーだったの?トゥールさんが彼とか彼女とか曖昧な言い方をしてたけど⋯」


「それは半分違いますね、詳しくお伝えするには長くなりますので省略させて頂きますが、あの方は2人の魂と身体が1つに閉じ込められているのです」


「あの方の魂と身体は就寝時にランダムで王子様であるナカザ・アストラード様と王女様のアーシャ・アストラード様のもののどちらかに入れ替わります」


「運が良ければ魂と身体が合致した状態でお目覚めになりますが、大抵は今の様に別々の状態で過ごしておられます」


「この際なので教えておきますが、名前を呼ばれる時は魂の出ている方でお呼び下さい。今の場合ではナカザ王子と」


「⋯こんな事教えて良かったのか?」


「疑問に思うのは分かりますが、この世界の国は帝国を除けばこんな感じなんです⋯例外はなく負ければ帝国の遊び道具としてどこかしら壊され狂わされるのです」



「⋯失礼しました。そろそろお二方の口喧嘩も終わりますので私は昼食の準備に取り掛からせて頂きます」




壊され、狂わされる⋯か



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