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Reversal World  作者: せーりゅー
最弱の錬金術師
20/46

辺境の村~錬金術再び(下)~

魔力枯渇の影響をまた1つ知りがっかりしてから少しして、体力を少し回復させた俺とシンシアさんは、ポーションの作成に取り掛かるべく炊事場まで移動してきていた


素材は魔力水と刻んだ薬草

工程は前と同じく錬金術スキルを使いつつ鍋で煮込み混ぜるだけなので、色々と対策してみた


まず力不足

これはかき混ぜ棒を長い棒2本と縄を使って高さを固定して、持ち上げる力を使わないようにすることで解決


次にしん⋯足が不自由で高さが足りない問題

前は食材を置くためのスペースに乗ってやっていたが、流石に危なかったので台を用意してもらってその上から混ぜることで解決


最後に体力不足

これは正直どうしようもないので、完成か失敗かに関わらず限界を向かえたらシンシアさんに伝えて終了する事に決まった


ちょっと雑だけど、資金が足りずに借り物を使っているのでそこは我慢


力がいる部分は任せていたが、極力自分に出来る作業はしてきた

後はかき混ぜるだけだ




かき混ぜ棒の固定よし

台の安定感もよし

後は体力勝負だ、ひたすらかき混ぜて変化を待つのみ

さて、頑張りますか






んー⋯手は疲れないな

意外としっかり支えられてて混ぜやすいな




⋯うん、これは暇だ

前は失敗だらけで気付かなかったけど、単調過ぎて無駄な事ばかり考えてしまう


シンシアさんは書類仕事をやるみたいで集中してて話しかけづらいし、トゥールさんは何処に行ったのか分からない、みゃーこは⋯いても喋れないしいいや








ぐーるぐーる回して混ぜて、変化無くてもひたすら混ぜて

暇になっても手はぐーるぐるっと

力が無くても問題なし


俺は無力な錬金術師、エルフなのっに魔力なーし

太陽浴びたら焼けちゃう身体、教会近いとへろへろだ






シエルちゃんが歌っている

多分即興で適当に、それも無意識で歌っているんだろうけど、ちょっと離れてる私にしっかり聞こえてる

いつもだったらあんまり喋らないのと、あんまり表情を変えないからそうは見えないけど、こうやって無意識に何かやっている所を見ると非常に可愛い


なんか自虐的な感じもするけど、本人が気にしてないから問題なし、むしろ癒されて仕事が捗るのでどうか気付かずに歌っていてほしい


あー⋯幸せぇ⋯⋯⋯










⋯ポーションデキマシタ




⋯⋯⋯暇だからと頭の中で考えた適当な歌を、気付いたら口ずさんで歌っていたっぽい


鍋の液体の色が鮮やかな青色に変わって、成功を確信して振り返ると、いつの間にか書類が片付けて近くでにこやかにしていたシンシアさんを見て気づいた



⋯死にたい


「良かったわよシエルちゃん!内容はちょっと考える所はあるけど非常に可愛かったわ!」


「⋯⋯殺してぇ」


「ちょっ!?待ってシエルちゃん何でナイフ出してるの早まっちゃダメー!!」






~数時間後~


「何かもう色々とスミマセンでした⋯」


「ああうん気にしないで、早く休みなよ」


「はい⋯⋯ではまた⋯⋯⋯」




ちょっと前の事


とある用事の為に今日はシンシアさんに任せて森に出掛けていた僕は、村に帰ると公衆浴場の辺りが騒がしい事に気付いた


マナーの悪いよそ者でもやってきたのかと、仲の良い村人に話を聞いてみると、どうやら炊事場の方でシエルちゃんとシンシアさんが何かやらかしているらしく入るに入れなくなったらしい


そこで他人事じゃないと急いで炊事場まで行ってみると、顔を真っ赤にして何故かナイフを持っているシエルちゃんが、取り乱して混乱している様子のシンシアさんに手を抑えられては放す謎の拘束を受けている光景だった


後で聞いてみると、どうやらシエルちゃんが何か⋯詳しくは教えてくれなかったけど、その何かをやらかして恥ずかしくなって死にたくなったらしい


それをシンシアさんが止めようと急いで手を掴んでしまい、シエルちゃんが痛がっているのを見てしまって混乱し、あの意味不明な行動に出てしまった⋯とのこと


その事に呆れてしまった僕は、二人にデコピンをして痛がっている隙にナイフを没収し、シンシアさんを放置してシエルちゃんを車椅子に座らせ、何かが入った鍋を収納させて蜂蜜飴を口に放り込ませて宿に帰ることにした訳




⋯明日は説教かな

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