辺境の村~療養と情報~
「ああやっぱりトップだったんだね。じゃないとやたら弱いその身体も針まみれだったのに全く血も出てなかった足もおかしいからね」
「んーその顔混乱してるね、分かるよ僕も最初に聞かれた時は意味不明だったし」
「とりあえず説明するね、何で僕がトッププレイヤーっていうのをしってい!?」
あ、猫がぶっ叩いた
変な光景を見させられている
猫が飼い主に猫パンチを食らわせた後にみゃーみゃー鳴いて説教(?)をしている光景だ
うんよく分かんない、なんかトッププレイヤーって言われて反応はしたけど、多分今の俺にあれこれ説明されても全部頭から抜け落ちる自信があるぞ
そもそもここにいる理由も分からないしどうやって来たのかですら曖昧だし眠たいし
うん眠いんだよ、楽な姿勢で腹も膨れたし汚れてたのも拭いてくれてすっきりしたし、何より説教中の猫がお腹の上にいて心地良い温かさが⋯⋯
おはようございます良い朝ですね
駄目だよ疲れきった人を満腹にして綺麗にして温かくさせたら寝るに決まってるじゃん
ちゃんとした場所で寝たお陰か体調はかなり良くなった
頭痛は相変わらず治らないけど、身体の痛みはけっこうマシになったし腕も動かせるようになった
熱も無いし喉も痛みが無いから殆ど治ったような気がする
あの人達はどこかに行ったみたいで姿は見えない
⋯まあ怪我人が夜に寝だしたら普通は出直すか
起きてちょっとしたら、パンと野菜スープの載ったトレーを持った兵士の女性が牢屋に入ってきた
「良かった、お嬢ちゃん目覚めたのね」
安堵の表情を浮かべ、女性は手に持っていたトレーを近くの机に置くとこちらに振り向き、こちらを観察し始めた
⋯ん?お嬢ちゃん?
「⋯うん!これならもう包帯を外しても大丈夫そうね、大人しくしてて偉いわね」
⋯んん?
「そうだ、お嬢ちゃんはもう怪しい人じゃないのは皆ちゃんと分かったからここから出てもいい事になったの、だからご飯を食べたら出ましょうか」
⋯⋯⋯ああ忘れてた
「じゃあ私は食べ終わるまでにちょっと用事を済ませちゃうから、食べたらこの鈴を鳴らしてね」
俺、小さい女の子になってたんだったな⋯
殆ど声出してなかったし異常に貧弱な身体に気を取られてたけど、他人から見たらぼろぼろの少女だったんだよな⋯
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯はぁ
朝食を食べ終えた俺は、すぐに鈴を鳴らさずこれからの自分について考えてみた
自分の身体の変化については正直ステータス画面を見ないと詳しく解らないので、後でアイテムを
譲ってもらおうと思う
足が動かないのはどうしようもないので、後で車椅子とか馬なりでなんとかしよう
でだ、俺の事について考えてみるとヤバい問題に行き着いた
俺の名前がさっぱり思い出せない事、それと戦闘スタイルも思い出せない事
⋯⋯戦闘職で色んな武器を使ってたのは覚えてる
けどそれ以上どんな形で戦っていたのか、どんな構え方をしてたのかが何一つ思い浮かばなかった
そして名前、これは現実の方なら思い出せるのだが、何故かゲームの時のを忘れてたんだ
これは誰かと⋯居ればの話だが、合流したとして現実での知り合い以外だと信用してもらえない可能性が出てくる
例えば
「俺はお前のフレンドだ!」
「は?誰だよお前、そんな見た目のやつフレンドにいねーよ」
「信じてくれ◯○!俺の名前は忘れたけど確かにフレンドなんだ!」
「いや誰だよ意味分からん」
ってなるのがオチだろうし、下手すれば敵対する可能性もあるのが怖い
⋯⋯⋯詰んでないこれ?
ある程度書き貯めたいので更新は15日からになります




