プロローグ
「⋯は?嘘だろ?」
朽ちてボロボロになった、元は誰かが住んでいたであろう小さな家には不釣り合いな美少女が、埃や血で汚れたベッドの上で自分の身体を確認し、愕然とした表情で呟く。
「何だよこの白い小さな手は、針で貫かれて足は感覚が無いし髪の毛は長いし白いし背は明らかに縮んでるし胸は膨らんでるし背は縮んでるし声も高いし背は⋯」
「落ち着け⋯身体は貧弱でMPは使えず武器もまともに持てない⋯おまけに女にされている」
「⋯一体どうすりゃ良いんだ?」
混乱していて考えても何も思い付かず、かといってそのままだと何も出来そうにない事を悟った美少女?はとりあえず本か何か情報を手に入れられる物を探そうとベッドから立ち上がろうとして
「⋯立てん」
足が不自由な事を思い出して止め、仕方なく頭から腕立てをするみたいにゆっくりとずり落ちた
⋯もっとも力が足りず軽く地面に頭突きをするはめになったが
「いつつ⋯まさか武器どころか自分の体重さえ支えられないとは思わなかったぞ⋯」
「⋯これがトッププレイヤーの末路か」
元のゲームではトッププレイヤーの中でも上位に存在し、対人戦では一対一では負け無しだったのが見る影もなく
今となっては非力で何もかも苦労する少女に成り下がったとは誰も思わないだろうな
⋯あの時、何があった?