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プロローグ

ある、夏の月のこと。

賑やかな笑い声が絶えないことが有名なサファイア王国の城はいつもと違い、静まり返っていた。

廊下では威厳のある歴代の王達が睨みを利かせ、階段の上では初代女王陛下が、にこりと笑っている。

賑やかさがなくなった城は威厳があり、不気味である。が、賑やかさが完全に無くなった訳ではなく、城のある一点に集まっているだけだった。

なぜ、城中の猫も杓子もその一点に集まっているのかというと、現女王陛下の身に約1000年前の予言の子が宿っていることが判明し、今出産の時を迎えたからである。

「ぅぅぉおんぎゃあーーー!!!」

「おめでとうございます、女王陛下。お二方(・・・)とも元気な女の子でございます。」

そして、世界を変えるとされる特別な能力を持った予言の子(ふたりのこども)が、今誕生したのであった。

その後、数年の時が経ち、双子の王女は、喋れるようになり、勉強も始まった。この時から、幼い双子の王女の身には莫大な魔力が眠っていた。

二人には、性格や見た目など、共通点がほとんどなかった。

まず、二人は、朝起きてから勉強の時間までの過ごし方が、大きく違っていた。

第一王女である、サファイアは、勉強までの朝の時間すべてを読書に費やした。

一方、妹である第二王女のトパーズは、年相応に外で走り回り、蝶を追いかけたりなどして過ごしていた。

勉強のときも、性格の違いが出た。

サファイアは、静かに勉強を進め、成績も宮廷教師が驚くほどまでに良かった。

勉強の時のトパーズはというと、落ち着きがなく、飽き性で、勉強もあまり得意ではなかった。

王国に使える家臣たちは、二人を比べるとき、いつも口をそろえてこう言った。

「「サファイア様は、完全なる予言の子であるが、トパーズ様は、平民の子と大して変わらない。今までの王女・王子様方にも劣る。」」

と。

いつも二人は比べられて育った。

秀才のサファイア。凡人のトパーズ。

そう言われながら育った。

あの日までは。

十数年の時が経った。双子の王女は15歳を迎えた。

どんなに言われようとも、私達は、予言の子であることは変わらない。その事実は揺るがない。

たとえ、どれだけ離れていたとしても。

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