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第50話 武器データベースアップデート

巨大魔石に近づくと俺の体に異変がおきた。


「ラウル・・それよりもあなた・・また体に模様が」


「えっ?」


イオナが俺に言ってくる。


「あの・・ラウル様・・模様が光っていますよ。」


マリアも言ってくるので、俺は自分の体を見下ろしてみる。腕に変な線が出ていてそれが光り輝いている。なんか光の粒子が血管をめぐるように、その線に沿って流れているのだ・・。なんだ?・・



俺が後ろを振り向くと・・オーガ達がまた跪いている。


「えっと、ギレザム?なにしてんの?」


「恩方様に起きましてはご健勝のようで何よりです。」


「なに久しぶりにあった人みたいに、かしこまって言っちゃってんの?今の今まで普通に会話してたじゃないか。」


暑中見舞いハガキの文言のような事を話して、いきなりギレザムとガザム、ゴーグが頭を深く下げている。痣がでるたびに魔人がこうなるのか…ウザいな。


「あの・・ラウル?おそらく・・それが原因じゃないのかしら?」


魔石を指差して言う。


イオナが俺の変な体に出た線が、巨大な魔石に関係しているんじゃないかと言う。魔石から俺に流れるように赤い光が流れ込んでいる。


「そうでしょうね」


体が熱い。なんか・・暴れたい気分だがとにかく深呼吸してみる。


「すぅーーー」


少し落ち着いて来た。体の異変に気が付いて、深呼吸した。自然に目を瞑ってみたらさらなる変化に気が付いた・・武器データベースのインターフェースが変わっている。ユーザビリティが良くなっているように思える。なんだか・・ボタンが増えているみたいな気がするがなんだ?一つに触れてみる。


「おお!」


意識の中で兵器の種類ごとに一覧になって、さらにソートがかけられるようになって出てきた!


場所 陸上兵器LV3 航空兵器LV0 海上兵器LV0 宇宙兵器LV0

用途 攻撃兵器LV4 防衛兵器LV1

規模 大量破壊兵器LV1 通常兵器LV3

種類 核兵器LV0 生物兵器LV0 化学兵器LV0 光学兵器LV0 音響兵器LV2

対象 対人兵器LV4 対物兵器LV3

効果 非致死性兵器LV1

施設 基地設備LV2

日常 備品LV2


文字の羅列が頭に飛び込んできた。えっと・・LVってのはたぶんレベルって事だよな。自分のレベルが分かるようになったって事かな?LVの基準も良く分からないができることが違って来るのか・・?


俺は一番トップに来ている陸上兵器LV3を押してみる。


陸上 戦闘車両LV0 装甲車LV3 自走砲LV0 トラックLV1 トラクターLV1 水陸両用LV2


おお!こうなっているのか?そりゃすげえ。レベルが分かるようになっているのか。


えっとレベルが上がっているのは陸上兵器の他に攻撃兵器、対人兵器、対物兵器か・・陸上兵器LV3・・・これいままで使用した兵器の頻度か?M93フォックス装甲車を使ったからじゃないのかね。攻撃兵器と対人兵器がLV4拳銃や機関銃、ミニガンも使ったしな。対物兵器LV3は対戦車ロケットランチャーや対物ライフルだな。


「・・ウル・・ラウル・・ラウル!」


イオナの声で我にかえった。


「あ、はい。何?母さん。」


「びっくりしたわ。まったく動かなくなるから。大丈夫?」


「ごめん・・考え事してた・・」


「よかった。」


体に浮き出た痣はいつの間にか消えていた。


「とにかく、ギレザム!ガザム!ゴーグ!立てよ。」


「は、はい!」


3人が直立にたった。ギレザムとゴーグは自衛官の格好をしているので、まるで自衛隊の訓練のようにザッ!っと音を立てて素早くたって直立不動になった。


「直立って・・や・・やすめ!」


「はい!」


3人は肩幅よりやや狭い状態に左足だけを動かしてたち、両手は右手を後ろ手にして腰の下あたりに組んだ。親指だけ曲がっている。あれだ・・皆川に教えてもらった陸自の休めの姿勢じゃないか?なんでこいつらが・・その姿勢をできるんだ?


「えっと、す・・すわっていいぞ。」


なにか操り人形の糸がほどけたように、楽に動き始めた。


「お前たちどうしたんだよ。」


俺がオーガ達に聞く。


「わかりません。体が自然に動きました。」


ギレザムが答えた。


武器データベースといいオーガの反応といい・・なんか変だぞ。俺のイメージがそうさせているんだろうか?願望がそのまま形になっている気がする。まずはそれはいい・・なんか俺のいろいろが・・バージョンアップされたみたいな気がする。


データベースなんてアップデートされた。


「とにかく、そろそろ先に進む準備をしよう。」


俺が言うと、ギレザムとゴーグが答える。


「はい、いきましょう。」


「じゃあ俺、変身します。」


「あーゴーグ!ちょっと待って!!」


俺が叫ぶ。


「ちょっとゴーグ!テントの中に入って。」


「はい。」


俺とゴーグが二人でテントに入り込みしばらくすると、テントが盛り上がりばらけてしまった。すると1人と1匹がそこに立っていた。俺の手には陸上自衛隊の迷彩服があった。狼形態のゴーグはでかくてテントからはみでるのだ。


「それではまいりましょう」


ギレザムがそのまま行こうとするので、また俺が声をかける。


「ちょーっとまったまった!!レッドヴェノムバイパーをそのままにしていくわけにはいかないだろう。魔獣であふれかえってしまう!!あともったいないから採れるものはとっていこう。」


「それもそうですね。」


なんかギレザム、ゾンビの村じゃもっと慎重じゃなかった?行動が大胆になってきたように思う。


「あと・・服装なんだけど・・その格好だと厳しいよね。」


イオナ マリア、ミーシャを見る。イオナはドレス、マリアとミーシャはメイド服だったので、馬車や車ならよかったんだが・・歩くとなると厳しい。


「あの・・これに着替えてくれる?」


俺は陸上自衛隊の迷彩戦闘服II型を2着と、陸上自衛隊の常装制服を1着召喚した。迷彩戦闘服はマリアとミーシャ用に、イオナには常装制服を着てもらう。夜は少し寒いけど日中は日があるとまだ暑いしスカートのほうがいいだろう。イオナは妊婦なのでウエストの大きいサイズをだしてやる。


「よし!じゃあテントで着替えて来て。」


3人は俺に言われるままに着替えてくる。


「おお!」


俺は感嘆の声をあげてしまった。ギレザムにゴーグ、マリアとミーシャが迷彩戦闘服で、イオナが常装制服のスーツのため上官と部下みたいにみえるからだ。だと・・惜しいなガザムだけがニンジャと甲冑の格好だ。


「あの・・ガザム。これ着ろよ」


「は!」


ガザム用の迷彩戦闘服を召喚すると喜んできてくれた。


うーんなんか物足りないな・・あ!


「あとこれをかぶってくれ。」


88式鉄帽2型を4個召喚した。自衛隊の戦闘時に被るヘルメットである!もちろん迷彩にした。


「「「はい」」」


みんな快くかぶってくれた。うーん・・オーガはおでこにツノがあるから少しひっかかるみたいだな。あとは・・イオナにも。


「母さんこれをかぶって」


常装制服の帽子を召喚してかぶってもらった。


「おお!」陸自の1個小隊が完成した!


ミゼッタが脇でうらやましそうな顔をしていたので、帽子だけ出してやったら喜んでいた。


「じゃあ、レッドヴェノムバイパーの部位をいろいろとって行こう!」


「「「「はい!」」」」


「母さんは座ってみててね。」


全員で取り掛かる。俺とギレザムとガザムがうろこをはがして皮をはぐ、それを狼ゴーグがくわえて離れた場所に運ぶので、マリアとミーシャがそろえて置いて行く。肉は腐るので持っていけない・・ああこんなに美味い肉を持っていけないなんて。


「じゃあこれらを入れるものを用意するよ。」


俺は、Modular Light Load-carrying Equipment2通称MOLLE 2(モール2 )ロードキャリング ラージサイズリュックサックを3つ MOLLE1パトロールバックを2つ召喚した。米軍が背負ってる馬鹿でかいリュックと、それのコンパクト版だ。


「ミゼッタ詰めてってくれ。」


それぞれのバッグにミゼッタが、女性陣の服とレッドヴェノムバイパーの部位を洗いながら詰め込んでいく。ラージサイズはギレザムとガザムと俺が使う用で、パトロールバックはマリアとミーシャに背負ってもらう事にする。



バックもパンパンに詰まったので、そろそろレッドヴェノムバイパーを処分しようと思う。


「よし!じゃあこれを残さず破壊しよう。」


「ああ、すこしお待ちください。」


ガザムが言う。頭の部分から毒に触らないように牙を2本切り取ってきた。


「これは加工すれば武器になりますので。貴重なのです。」


なるほど・・


牙を1本ずつテントでくるんだが、長すぎて先が出てくる。その2本をレンジャー用のロープでくくり馬の鞍のように狼ゴーグにかけた。


「よし!じゃあこのレッドヴェノムバイパーの周りにこれを置いて行ってくれ!」


俺は、C4プラスチック爆弾のダンボールを20箱 TNT火薬30㎏20箱をだした。


「レッドヴェノムバイパーの体にそって等間隔でおいて行ってほしい。」


ギレザムとガザムと俺で箱を等間隔に並べていく。


「よーし!こんな感じで良いだろう。」


レッドヴェノムバイパーはジャンボジェットのような太さで100メートルもある為、何百トンもあるだろう。


《爆弾で吹き飛ばしたらどうなるかな・・?でもこんなの放置したら魔獣であふれかえりそうだし、とにかく処分しないと・・》


「あとは・・」


起爆装置と遠隔用のスイッチを召喚してC4爆薬に信管を差し込んだ。距離をおいて爆破させるため、遠隔操作することにしたのだ。


「じゃあみんなこのバックを背負って!小さいのはマリアとミーシャがおねがい。」


「「はい」」

「「わかりました!」」


それぞれに返事をしてリュックを背負った。これは!!陸上自衛隊1個小隊の出来上がりだ!!


「ではイオナ様とミゼッタは俺の背中に」


ゴーグが二人を背中に乗せた。テントにくるんだ牙が良い足かけになっているようだ。イオナは自衛官常装制服なのでタイトスカートになっているため横すわりで座った。


500メートルくらい離れたのでみんなに指示を出す。


「止まってくれ!」


全員が止まって俺を見る。


「じゃあみんな、その場に伏せてくれ、頭をレッドヴェノムバイパー側に向けて頭を伏せて。」


全員が腹ばいになってふせる。ゴーグも伏せるが体がでかくてイオナとミゼッタの盾になるようにかぶさってくれている。みんなが腹ばいになったのをみて俺は点火装置をだした。


「点火!」


と叫んで、点火ボタンを握りしめる。



ボボボバババボボバババン!!!!!



レッドヴェノムバイバーがきのこ雲を上げて爆発した。あーこれ見たことあるわ、巨大な鉄橋の除去作業の映像で爆破して落としてるのあったな。あれの数倍破壊力が上だが・・ん?



ビチャ

グチャ

ドチャ


「うわうわあ」


肉が降り注いできた。


レッドヴェノムバイパーは跡形もなく消え去ったようだった。


肉が降りそそいで女性陣が気持ち悪そうな顔をしていたが、気を取り直して出発する。


またわずかに力がみなぎる感じがするな。爆弾をつかったからなのか?もしかすると経験値増えた?


データベースは、なにか変わったかな?


場所 陸上兵器LV3 航空兵器LV0 海上兵器LV0 宇宙兵器LV0

用途 攻撃兵器LV4 防衛兵器LV1

規模 大量破壊兵器LV1 通常兵器LV3

種類 核兵器LV0 生物兵器LV0 化学兵器LV0 光学兵器LV0 音響兵器LV2

対象 対人兵器LV4 対物兵器LV3

効果 非致死性兵器LV1

施設 基地設備LV2

日常 備品LV2


うーん。変わってないみたいだ。なにが関係しているのか?なんらかのこの世界に来てからの経験が関係しているように思うのだが、これから検証だな…


「よし!それじゃあ出発!」


大きな魔石や素材をゴーグに引っ張ってもらうことにする。俺達はグラドラムに向けて行進・・いや見た目は行軍を始めた。


オーガとメイドの陸上自衛隊1個小隊。


かっこいい・・・

次話:第51話 天才メイドスナイパー

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