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59.よけいな二言三言



「リュミエール、そろそろ王都へ向けて発つ時期だが、準備の方に障りはないか?」


「はい、お父様。人や荷の手配、入学試験に向けた復習。そうしてわたくし自信の心構え、いずれも滞りなく」


 あとはソラに装備してもらう鞍ができれば言うこともありませんでしたが・・・全てが思い通りなるなど、それほどまでに傲慢ではないつもりです。


「いや、鞍?」


「お嬢様・・・諦めていらっしゃらなかったのですね・・・」


 何を当たり前のことを。

 諦めねばならない理由など、どこにもありましません。



 そうです。

 諦める理由などないのであれば。


 フィリオとクリスに会えない時間を少しでも短くするため、どれほど勝ち筋が見えない戦いであっても、例えこの身が引き千切れようとも、わたくしはどこまででも足掻いてみせます。



「その情熱をもっと別のとこに向けてくれ・・・」


「旦那様、お嬢様の場合その向く先が戦闘方面になられる可能性が非常に高いのですから、あまり迂闊なことはお口になされない方が・・・」


 アル?



「あ、あぁ。そうだな、その通りだ。リュミエール、先に俺が言ったことは忘れてくれ。そして少し自重してくれ、うん。」


 お父様?






「いやー、だってリュミエールお前・・・知ってるか? 相手が貴族だからって決闘をふっかけて良い理由にはならないんだぞ」


「・・・お父様はわたくしを何だとお思いですか」


「可愛い可愛い愛娘」


「その愛娘へ語る姿勢に何か疑問はありませんか」


「あ・・・・・・いや、無い。・・・ぁ、無いっ」



「・・・無いなら無いで結構ですから、そこは一言で言い切ってください」


「お嬢様、これは仕方ないのです。これは仕方ない・・・」



 どうして二度言うのです。



「旦那様のお気持ちも察して上げてくださいませ、お嬢様。旦那様はどこぞのクソ老人とは違いそれはそれは普通の親御さんとしてお子を可愛がられているというのに、件の娘さんはと言えば全力で親の心子知らずを地で行っているのですよ? しかも地で行く部分は貴族令嬢としては何かと比べるまでもなくストレートに醜態なのに、ご本人は喜々としてそれを憚りもしないのです・・・思わずポロリとしそうになるのも、仕方のないことなのです」



「あ、おい・・・!」


「なるほど、分かりました」


「おぉ、なんとお嬢様が素直にお認めに・・・」



「お、おぉ・・・それで良いのかリュミエール」
































「言いたいことは分かりました。二人とはしばらく口を利かないことにします」



「アルフレドぉぉ〜〜〜っ!!?」



「あれ・・・?」





 ・・・何故首を傾げているのか知りませんが、わたくしとて腹に据えかねることくらいあるのです。




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