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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第十二章 拐われた使い魔たち
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 長期休暇も本日で終わり、明日は始業式です。

 今年の長期休暇はアルとエテルノさんが拐われたり、色々ありました。

 あの後、魔物の子どもたちは分かる範囲で親元へ帰され、親が討伐されて居ないなど帰る場所の無い子どもは、自立が出来るまでギルドが責任を持って育てることになりました。

 人間の子どもを育てるのとは違い、狩の仕方など色々教えることは大変だと思います。

 中にはそんな大変なことをせずとも、魔物の子どもなど殺してしまえばいいというような声もあったそうですが、ツァイ様が人間の勝手でむやみに殺していいものではないと反対されたそうです。

 キース様と私はダイアウルフの群れに、約束通りの報告と子どもを返しに向かいました。

 静かに報告を聞いていたダイアウルフは、私たちが討伐したウルフの子どもたちも一緒に引き取ると言われ、後日その子どもたちを連れて再びダイアウルフの元を訪れた私たち。

 子ども達は初めは警戒していたものの、今はもう先に戻されていた子ども達と一緒に無邪気に走り回ったり戯れたりして遊んでおります。

 子ども達を引き取ってくれることにお礼を伝え、ダイアウルフたちの群れと別れます。

 その足でギルドへと向かい、子どもたちが無事にダイアウルフの群れに合流出来たことをツァイ様に報告致しました。

 その際ツァイ様の膝に小さな飛竜がおり、チイチイと可愛らしく鳴いております。

 その姿があまりにも可愛らしく、目が離せません。

「ツァイ様、そのコは戻る場所のなかったコですか?」

「そうだよ~。この飛竜はこれ以上大きくならない種類でね~、他にも三匹ほどいるんだけど~、この子は人懐っこくてね~、離れてくれないんだよ~」

「あの、抱っこしてみても良いですか?」

「ん、大丈夫だよ~」

 ツァイ様は飛竜をむんずと掴み、「はい」と私の(てのひら)に乗せます。

 ちょっと扱いが乱暴すぎませんか? と思いましたが、掌にちょこんと座り私を見つめる飛竜を見た瞬間、何も考えられなくなりました。

 可愛すぎますっっっ!

 飛竜の乗った掌の反対の手で優しく撫でると、飛竜は気持ち良さそうに目を細め、そしてスリスリと甘えるように頭を擦り付けてきます。

「ツァイ様……」

「ん~?」

「この子、私に育てさせて下さいませんか?」

「え~? いや、僕は別に構わないけど~、そのコたちは妬いたりしないのかな~、なんて~……」

 と、ツァイ様はアルとエテルノさんに目を向けておられます。

「アル、エテルノさん、この子もお家に連れて帰ってもよろしいですか? あなた達の弟、末っ子として」

アルとエテルノさんは顔を見合わせて『『弟?』』と首を傾げられました。

「はい、長男エテルノさん、次男アル、この子は三男で末っ子です。いかがでしょう?」

 と言いますと、エテルノさんが困ったような顔をされました。

『いや、儂は構わぬが……その飛竜、メスなのだが……』

 ……大変失礼致しました。

「アルはいかがですか? 末っ子長女、一緒に可愛がって頂けませんか?」

『我も家族が増えるのは構わぬ。我らの妹なのだ』

「良かった。あなたは今から私たちの大切な家族よ。早速名前をつけましょう。……あなたの桜色の肌からとって、さくら、桃、セレッサ(スペイン語)、ローズパール(フランス)、どれがいいかしら?」

 う~んと迷っていると、エテルノさんが飛竜の言葉を伝えてくれました。

『主よ、飛竜はさくらが気に入ったらしいぞ』

「では、『さくら』で良いかしら?」

 飛竜に確認しますと、嬉しそうにチイチイと鳴いて擦り寄って来ます。

「さくら、私はカレンです。こちらはエテルノさん、こちらはアル、この方はキース様です。よろしくね」

 さくらも元気にチイチイと挨拶をしているようです。

 ツァイ様にお礼を言い、ギルドを後にしました。

 こうして、私に新しい家族が増えたのです。

 今までは左肩にエテルノさん、右肩にアルが居りましたが、今は更にさくらが頭の上にご機嫌で乗っております。

 それを見て、キース様が「これ以上は乗る所がないな」と苦笑されておりました。

 流石にこれ以上増えることはないかと思いますが……。

 多分大丈夫……ではないかと……。

 そして、残念ながらリンちゃんとウィリアム様を吃驚させるような美味しいお店は、この長期休暇中には見つけることは叶いませんでした。

 少し残念ですが、キース様と一緒にお出掛け出来たのはとても嬉しかったので、引き続き美味しいお店探しは続けていきたいと思います。

 そうそう、ピー様のことですが。

 アルと同様にさくらにもライバル視するのではと、ちょっと心配しておりましたが。

 さくらがとてもピー様に懐き、今では妹のように可愛がってくれて居ります。

 その様子を見て、ホッと胸を撫で下ろす私でした。

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