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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第十二章 拐われた使い魔たち
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アル&エテルノ目線です

 前を行くカレンと(キース)は手を繋ぎ楽しそうに歩いている。

 カレンと一緒に過ごすようになって、何年になるか……。

 カレンが今とても幸せであることを、誰よりも理解して(わかって)いるのは、ずっと一緒に居た我なのだ。

 奴のことは嫌いではないが、我の大切な大切な初めての『家族』を取られるようなものなのだ。

 面白くなくて散々奴の肉を奪ったりもしたが、膝から降りる時にわざと爪を立ててやったが、足に噛み付いて(甘噛み)やったりもしたが。

 ……少しくらいのイジワルは、許されるであろう?

『のう、先程から何やら美味そうな匂いがしてくるのだが』

 エテルノの声にハッとし、言われてみれば肉の焼いた良い香りがするではないか。

 ついフラフラと匂いのする方へと向かって行くと、そこには美味そうな肉を手にした男と、丈夫そうな厚手の袋を開けて持っている男が二人の、合計三人の怪しげな男たちがいた。

 袋を手にした男たちは、我とエテルノに向かって袋を被せるようにし、拘束する。

『何をするっ。さっさと先程の肉を寄越すのだっ』

『アルよ、我らは一応拘束されておるのだがのう。このような状態で肉をくれるようなお人好しの人間は在るまいて』

 このような袋程度のものは簡単に抜け出すことは可能な上、我ら以上の強者もまず居らぬし、拘束されても特に慌てることもないだろう。

 怪しげな男たちは二人(二匹)が大人しく捕まってあげている(・・・・・)ことに気付くこともなく。

「いやぁ、今回は随分と呆気なく捕まったな」

「全くだ。抵抗すらしないとか、お貴族さまに飼われていると、魔物も間抜けになるのかもな~」

「そのお貴族さまに飼われてるクセに、肉につられて来るとか随分と意地汚い魔物だよなぁ」

「本当になぁ」

 などと笑い合い、ご機嫌に人気のない裏通りへと進んで行く。

『アルよ、激しく馬鹿にされている気がするのだがのう』

『実力も無い雑魚の人間の言うことなど、我には聞こえぬわっ!!』

『(しっかり聞こえているようだがのう)……。ところでこれからどうするつもりかの? 此奴(こやつ)らはきっと、ウルフたちの子供を拐った一味であろう?』

『クククク、雑魚たちの拠点を確認したら、大暴れするのだっ! そしてウルフの子供を連れて帰れば、カレンはきっと褒めてくれるのだ』

『う~む、褒めると言うより(心配して)怒られそうな気はするがのう。まあ、最近は体が(なま)っておるし、大暴れには儂も賛成じゃな』

 そしてこの瞬間、雑魚たちの運命が決定した。


 カツーン、カツーンと少し響く様な足音に変わり、袋への振動を感じ

『どうやら何処かの建物の地下のようだのう』

『……』

『アル?』

『……』

『信じられんわ。この状況でよく寝られるものだのう……。ハア』

 エテルノが呆れたように一つ溜息をつくと同時に、ギギギギィと錆びついた扉を開ける音がした。

 袋の口を開け、檻の中へと放り込まれる。

 起きていたエテルノは対処出来たが、寝ていたアルは頭を打ったらしい。

『我を投げるとは貴様ら、どうやら命は要らないらしいなっ!』

 念話の内容は物騒だが、実際の声はアルが可愛らしくキャンキャン吠えているようにしか聞こえないのだが。

 男たちは笑いながらその部屋を後にした。

 辺りを見回すと、部屋の中には所狭しと檻が並べられ、魔物の子供が種類別に入れられているようだ。

『それにしても、こんなもので儂らを閉じ込められると本気で思っておるのかの』

 エテルノは短い両手で「フンッ」と格子を掴み広げていく。

 体が通るくらいの広さになったところで両手をパンパンと(はた)いて手の汚れを落とす。

『アル、拐われた子供がこれで全部か確認したら、遊ぶ(暴れる)のだろう? いつまで拗ねておるのだ?』

『わ、我は拗ねてなどおらぬぞっ! そうだ、さっさと遊ぶのだっ!!』

 ……いつの間にか「暴れる」が「遊ぶ」にすり替わっているが、気にしない。

 アルとエテルノが手分けして拐われて来た魔物の子供たちに話を聞く。

 どうやら此処が本拠地で間違いないらしい。

 と、言うことは、だ。

『『遊ぶぞ~(のだ~)』』

 先ず、エテルノが錆びついた扉をブレス(かなり加減して)により破壊。

 この部屋には子供たちがいるので暴れることが出来ないため、この部屋以外で遊ぶ(暴れる)のだ。

 破壊された扉を出て右側から沢山の人間の気配がする。

 アルはエテルノとそちらに向かって走って(飛んで)行く。

 突然の扉の破壊音に吃驚して出て来た人間達と鉢合わせる。

「なんだぁ、さっき連れて来たばかりの奴じゃねぇか。ちゃんと檻に入れなかったのかぁ?」

 エテルノに向かって手を伸ばして来た。

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