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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第十二章 拐われた使い魔たち
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4

キース目線です

 受付嬢が言った通り、真っ赤な顔したカレンが小さくプルプルしながら俯いている。

 ホントこういうところが可愛いんだよな。

「大丈夫ですよ。それよりこの依頼受けたいんですけど」

 さっき入口を入って来た時に目に入った依頼書を引ったくって受付嬢に渡す。

 受付嬢はスイッチを切り替えるように急に真面目な顔をして、依頼書それに目を通す。

「使い魔有り無し、どっちかしら?」

「有りで」

「ならば許可しましょう。はい、どうぞ」

 と、ギルドの許可印を依頼書に押印して渡して来た。

 今回はウルフの討伐だが、二十匹という数の多さで本来ならばAランクの依頼だ。

 一人でないことと、使い魔の実力があって受けられるワンランク上の依頼だったりする。

「ありがとう」

 依頼書を受け取り、まだ若干赤い顔をしたカレンの手を取って、ギルドを後にした。


◇◇◇


 どういうことだ?

 俺達が受けた依頼はウルフ二十匹の討伐だったはずだ。

 だが目の前にいるのは五十匹は超えていそうなウルフの群れ。

 何かがおかしい。

 通常ウルフがここまでの大きな群れになる前に討伐をされているはずなのだ。

 それに、この時期ならウルフの子供が群れに混じっているはずなのに、全くいない。

 カレンと俺は今、風下からウルフの群れの様子を見ている。

 カレンが「どうしますか?」と言いたげに俺を見てくる。

「あいつらを三つに分断して閉じ込めることは出来る?」

「可能です」

 カレンは言うが早いか「女神の檻」と、詠唱破棄で三つの障壁を張り、左側の障壁内には十六匹、中央には十八匹、右側には二十一匹のウルフが閉じ込められていた。

 詠唱破棄で三つ同時に障壁を張るとか、どんだけ優秀なんだよ。

 もともと魔力コントロールは誰よりも上手だったが、今のカレンは先生の上を行くだろう。

 中のウルフ達はいきなり閉じ込められ、障壁に体当たりをして「ギャンッ」と悲鳴をあげたり、パニック状態だ。

「とりあえず一つづつ障壁を解除して、倒していくか」

「まずは向かって左側の障壁の奴らから行くぞ」

「はいっ!」

 カレンが左側の障壁のみを解除すると同時に、俺とピーが前に出る。

 ウルフの後ろ側にはいつの間にか(アル)ドラゴン(エテルノ)が回り込んでいた。

 魔武器の大剣に炎を纏わせ、次々とウルフを斬り伏せて行く。

 ピーも次々とウルフを焼き尽くして行く。

 ピーよ、火力が強いのはいいけど、討伐の証拠になる牙は残しといてくれよな……。

 あっという間に16匹のウルフは肉塊となった。

「次頼む」

 カレンは頷いて、次は真ん中の障壁を解除した。

 仲間がやられていく様を、障壁内で見ているしか出来なかったウルフ達は怒り心頭のようで。

 ヴゥゥゥゥ……と低い唸り声を上げ、一匹が飛び出したのを合図に他のウルフ達も一斉に飛び掛かって来る。

 本能で避けているのか、犬とドラゴンの方には一匹もウルフは向かわない。

 殆どが俺に向かって来る。

 まぁ、この中で一番弱いのは俺なのは分かっているが、こうまざまざと見せつけられるのは面白くない。

 大剣に先程よりも魔力を込めると、炎は大きく、そして色が青白く変化していく。

 苛立ちを大剣に乗せ、どんどん斬り伏せるというか、焼き切るというか。

 とりあえず牙は残るように加減はしているが。

 障壁はあと一つ。

 その時にカレンがあることに気が付いた。

「キース様、中央にひと際大きく毛並みの違うウルフがおりますが、あれがボスでしょうか?」

 確かに他のウルフと違う体躯と毛並み。

「……なぁ、こいつ。もしかしてダイアウルフじゃね?」

 ダイアウルフの討伐は単体でAランクだったはず。

 何故ダイアウルフがウルフと一緒にいるんだ?

 何がどうなっているんだか。

 すると(アル)がテクテクと障壁の前まで歩いて行き、ジッと中を見据えている。

 時々頷くように頭を上下に動かしてはいるが、何してんだ?

「あのダイアウルフは子供の時に群れが討伐されて、一匹だけ生き残ったところをこのウルフの群れに助けられたようですよ?」

 いつの間にか俺のすぐ横に来ていたカレンがそう言った。

 何でそんなこと分かるんだ?

 多分思いっきり顔に出ていたんだと思う。

 カレンが肩をすくめて「アルの念話です」と、話を続ける。

 いくら子供とはいえ助けられたのが群れのボスじゃなかったら、きっと受け入れてもらうことは難しかっただろうと。

 子供だったダイアウルフも大人になり、ダイアウルフの特徴である短い脚は他のウルフに比べて俊敏性は劣る。

 けれども、大きな体にとても発達した牙を持つ彼は、いつしか群れのNo.2となっていた。

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