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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第十一.五章 婚約しました〜キースside &リンside〜
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リン目線です

 ゴンタの後ろ姿が見えなくなると、カレンは力が抜けたようにヘナヘナと床に座り込みそうになり「おっと、大丈夫か?」と、キースがカレンを支えた。

 カレンはフニャッとした顔で。

「安心したら力が抜けてしまいました。ありがとうございます」

 見上げるようにして言うから、上目遣いになってて破壊力抜群だよね、ソレ。

「ああ。いきなり居なくなるから心配し……」

 キースは照れて赤くした顔をカレンに見られないようにと、フイと横を向いたところで私の存在に気付く。

「おまっ、リン?」

 気付いて更に顔を赤くさせた。

「えっと、お邪魔してます? えへへ」

 気まずい。

 今のは見ちゃマズかったよね。

 ラブラブだよね。

 するとカレンが思い出したように私の手をとって。

「リンちゃん、大丈夫でしたか? 変なことされませんでしたか?」

 ハの字眉にして心配してくれる姿に、ちょっと感激してる私。

「カレンが助けてくれたから、大丈夫。ありがとう」

「リンちゃんにはいつも助けてもらってばかりですから、リンちゃんを助けることが出来て、嬉しいです」

 ああ、もう。本当カレンてば可愛すぎるっ。

 貴族達の好奇心旺盛な目がなければ、いつものように抱きしめるところだけどさ。

「悪い、遅くなっ……あれ? もう見つかったのか?」

 今更ながらウィルがグラスを二つ持ってやって来た。

「ホント遅すぎるわ」

 ボソッと呟くと、カレンがウィルの前に進み出て、ウィルを見上げる。

「ウィリアム様、リンちゃんを置いてどこに行かれていたのですか?」

 あれ? カレン怒ってる?

「先程リンちゃんの腕を掴み、無理やり連れて行こうとする方がおりました。たまたま気が付いて追い払いましたが。……リンちゃんは私の大切な、大切なお友達です。もちろんウィリアム様も大切なお友達ですが。ちゃんと守って頂けないのなら、いくらウィリアム様でもリンちゃんは任せられません!」

 いや、ちょっと待て。

 任せるとかって、それじゃあまるで私とウィルが恋人みたいな言い回しじゃんっ⁈

 まだ、その、つ、付き合ってなんかないし!

 一人脳内パニックを起こしている私を他所に、ウィルはカレンに真剣な顔で答えていた。

「すみません。すぐ戻るつもりでしたがお得意様に捕まってしまって遅くなりました。これからは何があっても守れるように、待たせるのではなく、一緒に連れて歩きましょう」

「そう言って頂いて安心致しました。生意気を申しまして、申し訳ありません。リンちゃんをよろしくお願いします」

 いつの間にかウィルがすぐ横に来ていて、「どうぞ」とグラスを前に出されたので受け取る。

「ありがとう」

 グラスを渡して空いた手で私の頭を撫でる。

「いえ、これからはカレンの許可も頂いたことですし。積極的にいかせてもらいますね?」

 と、爽やかな笑顔を見せた。

 顔が熱く感じるから、きっと凄く赤くなっているのだろう。

 私は恥ずかしいのと何てこたえたらいいのか分からないのとで、思わず俯く。

 そのせいでウィルがボソッと「逃がしませんよ」と言ったのを聞き逃してしまった私。

 今日の主役のカレン達はまだまだやることがあるらしく。

「楽しんでいって下さいね」

 と行ってしまった。

 残されたウィルと二人。

「軽く(食事を)つまんでから帰りましょうか」

「……うん」

 ウィルが腰に手を回し、私を誘導するように連れて行く。

 吃驚(びっくり)してウィルを見ると、先程の爽やかな笑顔と違いニヤッとした黒い笑顔を浮かべている。

「先程積極的に行くと言ったでしょう? 覚悟して下さいね」

 と言った。

 覚悟って、なに?

 聞かなかったことにしよう、うん。

 コルセットでウエストを締めているせいで、あまり食べられそうにないけど、食べておかないと夜中にお腹が空くよね。

 そう思って、お皿にローストビーフやテリーヌなどを乗せていく。

 ウィルも山盛りに盛られたお皿を手に、近くの椅子へ移動する。

「「いただきます」」

 カレンと食事を共にするようになってから、この「いただきます」と言うのが当たり前のことになっている。

 初めて聞いた時は何のことかと思ったけど、食材となった命達に感謝を込めて「(命を)いただきます」なんだとか。

 そして料理を作ってくれた人にも感謝を込めて言っているのだと聞き、私も真似をするようになった。

 ウィルやキースも。

「あ、コレ美味しい」

 見た目にも美しいテリーヌは、味も極上だった。

 こんな豪華な料理はなかなか口にする機会などないから、本当ならたくさん食べたいけど、コルセットが。

 仕方ないので、少量を味わって食べている。

商会(うち)のスタッフが作りましたから、伝えておきましょう。きっと喜びます」

 そういうウィルの方が嬉しそうだ。

 いつもに比べると少ない量の食事を済ませ、ウィルと会場を後にする。

 こうして私の最初で最後であろう、貴族の集まるパーティーへの潜入は終わった。

 カレンから色々聞いてはいたけど、聞くのと見るのでは大違い。

 想像以上の煌びやかな世界だった。

 傍から見る分には楽しいけど、一回見られたからもういいや。

 私は庶民で良かったって思った。

 なかなかない経験をさせてもらって、ウィルには感謝だ。

 カレンとキースには、勝手に潜り込んだことを後日改めて謝罪しよう。

 ウィルの家に寄って窮屈なドレスからいつもの服に着替える。

 コルセットを外して、半端ない開放感に思わず笑顔が浮かぶ。

 その後、ウィルに家まで送ってもらった。


 弟妹達は既に夢の中。

 明日は寮に戻るギリギリまで、弟妹達の相手をしていこう。

 今日のパーティーの話は……出来ないな。

 下手に興味を持たれて何処ぞのパーティーに潜り込まれたら大変だ。

 色々あったけど、カレンの幸せそうな姿も見られて良かった。

 たくさんのお嬢様達の中にあっても、カレンはやっぱり飛び抜けて綺麗だった。

 キースのカレンにベタ甘な所も見られたし。

 今日は疲れたからもう寝よう。

 てか、何でこんなに疲れたんだっけ?

 ……あ、ゴンタだ。

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