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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第十一章 婚約しました
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 婚約式までのひと月は、慌ただしく過ぎて行きます。

 準備はウィリアム様のご実家であるサンチェス商会の活躍により滞りなく進められ、いよいよ当日の朝。

 私は社交界デビューの時と同様に、いえ、それ以上に気合の入った使用人達のなすがままに、お風呂で全身磨かれ、今はオイルマッサージをされております。

 この後にはネイルを施し、そして私の嫌いなコルセット着用が待っているかと思うと、とても気が重くなります。

 無意識に溜息をもらすほどに。

 施術をしてくれていた使用人が心配そうな顔をして。

「カレン様、何か気持の悪い部分などございましたか?」

「あ、違うのよ。不安にさせてしまって、ごめんなさいね。ただちょっと……この後のコルセットのことを考えていたものだから」

 と言うと、使用人は苦笑して。

「それは……溜息も出てしまいますね」

「今この間だけでも、開放感を満喫しておくわ」

「ではリラックスして頂けるよう、更に頑張ります」

「ありがとう」

 と笑顔が出たことで、少し緊張がほぐれたように感じます。

 オイルマッサージで癒された後はネイルの時間です。

 ここで片手でつまめる軽食が並べられます。

 数種類のミニサイズのサンドイッチに、カナッペ数種。

 フィナンシェやクッキーなどのお菓子も数種。

 本日の主役であるキース様と私は、パーティーの間に食事をいただく時間など、きっとないでしょうから。

 というよりも、コルセット着用後にはキツくて食事など出来ません。

 かと言って食べ過ぎてしまうと、これから地獄のコルセット着用が待っておりますので、少しお腹に入れる感じで。

 今日のネイルはドレスに合わせた、桜色から濃いピンクのグラデーション。足も同様に。

 サンドイッチを幾つかつまみ、お茶を頂きます。

 ……そして地獄のコルセット着用タイムへ。

 凡そ一時間程の時間を掛けて、ウエストを締め上げていきます。

 コルセットを着用すると、鼻呼吸ではなく口呼吸になってしまうのは、何故でしょう。

 漸くコルセットの締め上げが終わった使用人達が「お疲れ様でした」と一言頭を下げ、部屋を後にします。

 代わってマリアたちがとても和やかに入室して来ました。

 鏡台の前に座ると、ぐるっと背後を半円状にしてマリア達が囲みます。

 先ずメイクを施し、そしてヘア。

 今日はサイドを複雑に編み込んだハーフアップで、白銀の美しい細工のされた髪留めを。

 下された髪は緩く巻きます。

 お母様達が選んでくださった、桜色のグラデーションが美しいドレスを身に纏い、ようやく完成致しました。

 マリア以外の使用人たちは部屋を後にします。

 程なくして両親とお兄様が部屋へ入って来られ、羞恥のベタ褒めタイムをセバスチャンの「そろそろウォーカー家へ向かいませんと」の一声で助けられ……。

 今私はキース様のお屋敷へと向かう馬車に揺られております。

 社交界デビューでした前回のパーティーと違う胸のドキドキが騒がしいです。

 前回は後ろ向きな感情によるものでしたが、今回はキース様の隣に堂々といられる喜び? のような、嬉しいドキドキです。

 学園ではいつも一緒に居ますのに、早くキース様にお会いしたいと思う私は重症でしょうか。

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