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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第十一章 婚約しました
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 ひと足早く婚約のお祝いにと、マリアがとても手の込んだ豪勢な食事とケーキを作ってくれました。

 テーブルの上に並ぶ数々の見た目にも美しい料理たちに、リンちゃんは大興奮でマリアに抱き着き、キース様とウィリアム様も嬉しそうに見ておられます。

 アルとエテルノさんにも、今日は豪華に骨付き肉です。

 こちらの世界では15歳からお酒が飲めますので、今日はテーブルに果実酒が数種類並べてあります。

 各自好みのものをコップに注ぎ、乾杯致します。

「「「「乾杯~」」」」

 杏に似た果物のお酒を選びましたので、甘くて美味しいです。

 二口三口飲んだところで、キース様にあまり呑まないようにと言われました。

「何~? カレンてお酒弱いの?」

 リンちゃんの質問に何故かキース様が返事をされます。

「シャンパン少しで酔う程にはな」

「どんな感じになるの?」

「ふわふわした感じで無防備度がアップする」

 その言葉にリンちゃんとウィリアム様は顔を見合わせ、キース様の肩に手を置いて。

「あんたも苦労するねぇ」

「キース、ファイトですよ」

 と。

 私がお酒を呑むと、キース様が苦労されるのですか?

 お酒を呑むと楽しい気分になれるのですけど、誰かにご迷惑をお掛けするとなれば話は別です。

「あの、ご迷惑になるようでしたら、今後お酒は呑まないように致しますが……」

 すると慌ててキース様が仰います。

「いや、俺が一緒の時なら多少は呑んでも構わねぇよ」

 それを聞いたリンちゃんとウィリアム様が、ニヤニヤとキース様を見ておられます。

「私とウィルが一緒の時だっていいじゃんね~」

「何故キースとだけでないといけないんでしょうねぇ」

 キース様が顔を赤くされて。

「あら、キース。顔が赤いけどもう酔ったのかしらぁ~?」

 とリンちゃんがからかうような口調で言われ、キース様はチッと舌打ちをし、拗ねてソッポを向かれてしまいました。

 何故かリンちゃんとウィリアム様が「イェーイ」とハイタッチをされております。

 私がここで「あまりキース様を揶揄(からか)わないであげて下さい」などと言えば、きっと更に揶揄(からか)われてしまうのでしょうね。

 ここは黙っておきましょう。

 それからもマリアのご飯を美味しくいただきながら、リンちゃんとウィリアム様がキース様を弄る……を繰り返し、時間も遅くなりましたので、キース様とウィリアム様が帰って行かれました。

 お風呂に入りソファーで寛いでおりますと、たった今お風呂から出て来たリンちゃんが私の横に座り、改めて祝福の言葉を下さいました。

「良かったね、おめでとう」

「ありがとうございます」

 嬉しくて、きっと今私の顔はみっともないくらい締まりのない顔になっていると思います。

「婚約式はこれからって言ってたけど、結婚式はいつ頃とか決まってるの?」

「学園を卒業してから、としか……」

「そっか~、卒業したらカレンも人妻かぁ」

 リンちゃん、その言い回しはおじさん臭いです。

「二人の結婚式が見られないのは残念だけどね~」

 リンちゃんに言われて気が付きました。

 私とキース様の結婚式となると、家の格からいってもかなり盛大な式となるでしょう。

 平民であるリンちゃんやウィリアム様をお呼びすることはかなり難しいと思われます。

 でも、私は何処の誰とも分からない貴族の方々より、リンちゃんとウィリアム様に見て頂きたいです。

 前世では施設の近くにある教会で、週末には幸せなカップルたちの結婚式が行われるのを目にしておりました。

 幸せそうな笑顔が眩しく、いつか私もと夢見たものです。


 翌々週の週末に、キース様のご家族と私の家族とで顔合わせが行われました。

 お兄様は始終眉間にシワを寄せられておりましたが、特に何かを言うこともなく。

 キース様のお母様は娘が欲しかったと、この婚約をとても喜んで頂いて。

(私の)お母様と意気投合と言いますか、とても仲良くなられておりました。

 そしてひと月後にキース様のお屋敷で、婚約披露パーティーをすることとなりました。

 お母様二人は私のドレスの話で大盛り上がりです。

 早速仕立て屋を呼び寄せて、また細かい採寸をされ、色々な生地をあて。

 どんな形にするか、色は、生地は、などと私をそっちのけでお母様二人で決められていきます。

 結婚式でのドレスは私が決めるのだから、婚約式のドレスはお母様二人に決めさせて欲しいと言われ、快諾した結果なのですが、お二人共とても楽しそうで良かったです。

 その間男性陣はテラスでお茶を頂きながら、狩の話や学園での話、領地での話などをされていたそうです。

 渋々ながらも、お兄様はキース様を認められたようで安心致しました。

 ……私はクタクタになりましたけれども。

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