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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第九章 魔武器精製と使い魔召喚 〜カレン16歳〜
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 Sクラスは貴族と特待生のクラスだけあり、魔力量は平均以上の方が殆どです。

 A、Bクラスと比べて、強い使い魔達が多いように見受けられます。

「何だか賑やかになってきたな」

 キース様が辺りを見回してポツリと一言。

 確かに彼方此方(あちらこちら)で色々な種族の使い魔たちで溢れています。

 使い魔となった魔物たちは、パートナーである人間が命令しない限り人を襲うことはありません。

 使い魔としてでなく森で会ったなら、間違いなく襲われるわけですから、そう考えると不思議な光景ですね。


 どれくらい待たされたでしょうか。

 いよいよキース様の番となりました。

 緊張した面持ちで、魔法陣のあるステージへと向かわれます。

 ナイフで指に傷を付け、魔法陣に少量の血を垂らし、そして大きく息を吸いこみ。

「我が名はキース・ウォーカー。我は求む、我と共に歩むモノを。汝、我の求めに応じ出でよ、使い魔召喚」

 淀みなく詠唱されると、魔法陣が光を放ち始めました。

 そして光が消えていくと、魔法陣上には五十センチほどの、紅い炎を纏った鳥さんがおりました。

 鳥さんはキース様の頭の上に乗り、無事契約出来たようです。

 こちらに戻りながらキース様が何かをを仰り、頭の鳥さんがキース様を(つつ)いて反撃されているようですが、大丈夫でしょうか?

 ……何だか痛そうです。

「キース様? 指を見せて頂けますか?」

「指?」

「はい、ナイフで切られた指です」

 キース様が左手を掌を上にして出されましたので、両手で包み込み治癒魔法を使い治します。

「カレン、ありがとな」

 八重歯を見せた笑顔で頭を撫でられます。

 思わずキース様の笑顔に見入ってしまっておりましたが、次第にキース様の顔が何だか赤くなっていき、顔を横に向けられてしまいました。

「カレン? えっと、手……」

 言われて自分がキース様の左手をずっと両手で挟み込んだ状態であることを思い出しました。

「す、済みません!」

 慌てて両手を離し、恥ずかしさから思わず下を向いてしまいました。

 どんどん顔に熱が集中していくのが分かります。

「あ〜、次は私ですね。行ってきます」

 背後でウィリアム様の声がし、そちらを振り返れば特に緊張された様子もなく、魔法陣の方へと向かわれる姿がありました。

 そしてリンちゃんが生温かい目でこちらを見ております。

 先程のキース様とのやり取りを、しっかりと目にされていたようです。

 ううう、恥ずかしい。

 ウィリアム様が、キース様と同様に迷いなくナイフで指に傷を付け、魔法陣へ血を垂らし詠唱されました。

 魔法陣が光り出し、やがて光り消えると掌に乗るくらいに小さな、とんがり帽子を被り立派な髭を生やした方が、魔法陣上に浮いておりました。

 ウィリアム様と小さい方は、何かを話し合われているのかお互いに頷き合うと、お二人でこちらに戻られました。

 ウィリアム様も、無事契約されたようです。

 リンちゃんは「よしっ!」と、自分の両頰をバシッと叩いて気合を入れ、魔法陣に向かわれます。

 かなり肩に力が入っておられる様子。

 血を垂らすためにナイフを指に当てますが、やはり躊躇(ちゅうちょ)されたようで、一度ナイフを指から外し、深呼吸を繰り返されております。

 そして今度こそ指に傷を付け、魔法陣に血を垂らし、詠唱を始められました。

 魔法陣の光が消え、そこにいたのは透明な羽を生やした、小さな妖精? でした。

 一言二言話をされ、リンちゃん達も無事契約されたようです。

 ついに私の番ですね。

 ちょっと……いえ、だいぶ緊張しています。

 何が怖いかって、指を自分で切るのが怖いですっ!

 ちなみにリンちゃんとウィリアム様の傷も治癒魔法で治しました。

『アル、お願いがあります。魔法陣に着いたら、私の指をアルの爪でちょっと血が出るくらいに傷付けてもらえませんか?』

 アルは呆れたようにため息をつかれます。

『カレン、それはちと情け無いのではないか? ……まぁ、仕方がないからやってやるがな』

『ありがとうございます』

 自分で指を切らずに済んでホッとしながら魔方陣に向かいます。

『じゃあアル、お願いします。一思いにやっちゃって下さい』

 とアルのいる肩に向けて恐る恐る手を差し出しました。

 アルが爪でピッと指に傷を付け、血が滲んできたことを感じて、慌てて手を魔法陣の方へ伸ばします。

 ポタリポタリと二、三滴、ゆっくりと魔法陣へと落ちていきました。

 それを確認して詠唱を始めます。

「我が名はカレン・リード。我は求む、我と共に歩むモノを。汝、我の求めに応じ出でよ、使い魔召喚」

 魔法陣が今までで一番強い光を放ち始めました。

 そして光が消えていくと、魔法陣上には銀色のとても大きく美しいドラゴンが、静かに私達を見下ろしていました。

「綺麗……」

 無意識に呟いていました。

『お主が儂を呼び出したのか?』

 アルと同じ念話で話し掛けられました。

『はい。私のパートナーに、家族になってくれる方を望み、あなたがいらっしゃいました』

『はっきり言うがの、儂は自分より弱き者に従うつもりは毛頭無いが、お主はどうするかの?』

『それは、私に力で捻じ伏せろということですか?』

『そう取ってもらって構わん』

 そんなことを言われましても、私は戦うことなど出来ませんし、どうしましょう?

『やはりこうなったか。我も着いて来て正解だったな。カレン、こいつの相手は我がしよう』

 そう言って、アルは私の肩から飛び降りました。

『そういう訳でな、カレンに変わり我が相手だ』

 アルは愛くるしい仔犬の姿で、トテトテとドラゴンに近付いて行きます。

『ただの仔犬……ではないな。お主は何者か?』

『我は唯一にして孤高の存在である、フェンリルのアルジャンだ』

 どうだ、凄いだろうとばかりに胸を張っても所詮は仔犬姿……あまりと言うか、全く決まらない。

『フェンリルは代替わりしたと聞いておったが、お主が……フム。フェンリルを従える人間、か。……面白い。気が変わったわい。何だかんだと退屈しておったのだ。フェンリルもおるのなら、儂も退屈せずに済みそうだしの』

 そう言うと、アルと同じくらいまでに小さくなり、私の肩に乗られます。

『手を出すがよい』

 言われるままに小さくなったドラゴンの前に手を持っていくと、前足でチョイと触れられた瞬間、右手の甲に契約紋が浮かび上がるのが見えた。

『儂はエンシェントドラゴンのエテルノ。よろしく頼むぞ、主』

 ……アルのお陰で、無事戦闘無し(何もしない)で契約出来てしまいました。

 今日はマリアにお願いして、晩御飯を唐揚げにしてもらいましょう。

『私はカレン・リードです。エテルノさん、よろしくお願い致します』

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