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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第八章 サバイバルです
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 季節は秋から冬へと移り変わり、更に春へと向かおうとしている。

 文化祭の後の打ち上げはとても盛り上がり、あれから一年Sクラスはとても良い方向へと変わりつつあった。



「休み明けにサバイバルするぞ~」


 ヴァイス先生がHRで突然言った言葉に、教室内がザワつく。

 近々サバイバル訓練があるだろうことは分かっていたが、休み明けというのは(いささ)か急ではないだろうか?


「先生、急すぎねえか?」


 呆れたようにキースが言えば、


「忘れてた」


 と、悪びれずに答えるヴァイス先生。

 誰もが肩を落とした瞬間だった。

 キースが諦めたように代表して先生に尋ねる。


「もういいや。じゃあ、週末のうちに準備しとくことは?」


 それに面倒くさそうにヴァイス先生が答えた。

 ヴァイス先生の言葉を纏めると、

 サバイバルは一泊二日で行われるらしく、持って行って良いものは


 ・タオル一枚

 ・動物解体用ナイフ

 ・調理セット

 ・救急セット

 ・テント

 ・寝袋


 で、五~八人のグループを作り分担して持って行くようだ。


「グループ作ったらここに用紙を置いとくから、名前とリーダー書いて、横の説明書を各自持って帰って目を通すように。終わったトコから帰っていいぞ~」


 そう言って後ろ手にヒラヒラさせて、教室を出て行った。

 段々適当になっていくヴァイス先生にクラスの皆も大分慣れたせいか、グループを作るべく行動に移していく。


「あと一人~四人か」


 キースが呟いた。

 体術、体力勝負のエドワード・ヒューズとエヴァンス・クルスの二人がこちらに向かって来る。


「俺らをグループに入れてもらえるか?」


 文化祭で茹で担当をしていた二人である。

 元々似たような戦闘スタイルの二人だったが、文化祭で同じ担当になってから仲良くなったようだ。


「喜んで」


 と、ウィリアムが返事を返す。

 六人になったのでグループは成立する。

 用紙に名前とリーダー(もちろんウィリアムである)を記入し、次に誰が何を持つかを決めていく。

 タオル一枚は各自の持ち物となるので、残るは五つ。


 ・動物解体用ナイフ

 ・調理セット

 ・救急セット

 ・テント

 ・寝袋


 今回は私の障壁をテント代わりに使用する予定なので、テントと寝袋を外してブランケットを各自持って行くことにして。


 ・動物解体用ナイフ

 ・調理セット

 ・救急セット


 この三つを六人で分けることに。


「じゃあ調理セットを私とカレンで持つよ。動物解体用ナイフはキースとウィリアムで、救急セットはエドワードとエヴァンスでどお?」


 リンの提案に皆が賛成したので、解散となった。


「調理器具は鍋にお玉と菜箸を各二と、キッチン鋏とお箸が人数分+予備に幾つか持ってくとして、あとは調味料だよね」


 戻って早々に、リンとサバイバル訓練で何を持って行くか吟味中である。

 お醤油に砂糖、塩コショウは絶対。


「一泊だからそんなに要らないとは思うけど、朝はどうしても味噌汁が飲みたいっ‼︎」


 リンのこだわりで味噌も追加された。

 調味料は持込み可能だが、食材は現地調達と決まっている。


「キースとウィリアムは荷物少ないんだから、調味料は二人に持たせよう」


 今日も二人はこちらで晩御飯を頂く予定なので、その時に押し付……持ち帰ってもらうことに。


「カレンのお陰でテントが要らない分、大分荷物が減って助かるよ~」


 嬉しくて「えへへ」と笑うとリンがニコニコしながら頭を撫で撫でしてくれた。

 ブランケットとタオルも用意して、調味料以外を大きなリュックに詰め込む。


「これでヨシ……と」


 中等部でのサバイバル訓練は、一泊二日~三泊四日までの所謂(いわゆる)野宿体験である。

 学年が上がる毎に一泊づつ増えていく。

 ギルドのランクが上がれば日帰りの出来ない依頼が増えるため、村や町が近ければ宿に泊まることは可能だが、もし近くにない場合は必然的に野宿となるので、今のうちから慣れていくようにと毎年サバイバル訓練が行われるのだ。

 高等部になると、サバイバル訓練はバトル形式となる。

 こちらは全学年二泊三日は共通だが、学年毎にサバイバルの場所が変わる。

 バトル形式なので負ければ直ぐ学園に戻され、そこでサバイバル終了だ。

 最後まで残ったチームは成績にポイントが加算される。

 バトルで勝った者は個人的にポイントが加算されるのだ。

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