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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第六章 ギルドに登録しました
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 中間テストに続いて期末テストも終わり、入学して初めての長期休暇に入った。

 学園では長期休暇後の授業に『グループでギルドでの依頼を受ける』というものがあり、殆どの者が長期休暇中にギルドへ登録しに行くのだ。

 リンとウィリアムは同じギルド『幻影』に既に登録済みで、現在Bランクとどこまでも優秀な人達である。

 カレンは父の友人がギルドマスターをしている『暁』に登録予定だ。

 そしてキースも暁での登録を希望しているらしく、それならばと今日一緒に向かうことになったのだ。

 因みにギルド『幻影』は、所謂(いわゆる)庶民の人達が所属している。

 建物の規模はあまり大きくはなく、ゴチャゴチャした印象はあるが、きちんと手入れされているのが分かる。

 リン曰く『ちょっと柄の悪いというか、人相の悪いというか、そういうのもいるけど結構みんな優しいんだよ』とのこと。

『暁』は貴族もいれば庶民もいるギルドで、他のギルドに比べて実力派が多いことでも知られている。

 その分ランクアップが難しいらしい。

 あともう一つ、『飛翔』は王族や貴族が所属している。

 外観は大きくてギラギラした、一言で言うと『派手』な建物という印象だ。

 こちらに所属する貴族は、貴族至上主義の、庶民や獣人を(ないがし)ろにするような人が多い。

 ……そうでない貴族もいるにはいるが、残念ながら極一部のようだ。

コンコンと扉のノック音がし、「失礼いたします」とマリアが部屋に入ってきた。


「カレン様、キース様がお見えなられました」

「ありがとう」


 読みかけの本に栞を挟み、テーブルの上に置いてから「アル、行きましょう」とアルを抱っこして玄関ホールまで降りていく。


「お待たせして申し訳ありません」

「いや、それじゃ行くか」


 二人並んでギルドへと向かう。

 いつものように、キースはカレンの歩調に合わせて歩いている。

 キースだけでなく、リンもウィリアムも、自然と背の低いカレンの歩く早さに合わせてくれていて、以前それに気付いて謝罪の言葉を口にした時、


「謝罪よりも『ありがとう』の言葉の方が嬉しいかな」


 ウィリアムがそう答えて皆も頷いたので、それからは何かしてもらった時には「ありがとう」の言葉を伝えるようにしている。

 本当に自分の周りの方々は、とっても優しい方達ばかりだと思う。

 他愛もない話をしながら歩いていると、あっという間にギルド前へ到着していた。

 ギルド内は今日も賑わっている。

 奥のBARコーナーは昼間はカフェとして営業しているらしい。

 依頼書の貼り出されている一画には人集(ひとだか)りが出来ており、受付では数人が順番待ちをしている。

 キースと一緒に受付の列に並ぶが、五分ほどで順番がきた。


「サーナさん、お久しぶりです」


 受付には、八年前に魔力検査をしてくれたサーナが座っていた。

 その後も幾度か父についてギルドに顔を出していたので、お会いするのは三年ぶりくらいだろうか。


「カレンちゃん、久しぶりね。登録のことなら話は聞いているわ。今マスター呼んで来るから、ちょっとそこに座って待っていてね。それにしても、カレンちゃんがうちで登録してくれて嬉しいわ。後でちゃんと隣の彼氏も紹介して頂戴ね」


 サーナはニッコリ笑って、受付の奥の部屋に「ちょっと席外すからお願い」と言って、受付を出ていった。


「か、か、彼氏って……」


 いきなりのサーナの発言に驚き、思わずキースの方を見れば、彼は顔を真っ赤にしていて。

 そんなキースにドキッとして、次第に顔が物凄く熱くなり、思わず頰に手をあてて俯く。


「と、とりあえず向こうに行くぞ」


 キースの言葉に頷き、先ほどサーナが言っていた受付近くにあるベンチへと腰掛ける。

 お互い恥ずかしさからかベンチの端と端に腰掛けたために、二人の間には人一人分の隙間が空いている。

 ……会話がない。

 せめてアルがいてくれたら何とか気を紛らわせることが出来たのだろが、アルはカフェにいるお客様(女性)に愛想を振りまき、美味しいものを色々もらっててご機嫌に尻尾を振っているのが視界に入った。

 こういう時は、どんな話をすればいいの?

 というより、いつもどんな話をしていたっけ?

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