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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第四章 同棲改め同居です
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マリア目線です

「……というわけですので、リンちゃんもこちらで一緒に生活したいと思います。マリアにはお世話を掛けてしまい申し訳ありませんが、お願い出来ますか?」


 カレン様から突然リン様の同居をお願い? されました。

 本来であればここできちんとお断りをせねばいけないところではございますが。

 あの五歳の時の記憶喪失があってからのカレン様は、我儘を言われることなど全くと言っていいほどにございませんでした。

 誰かに(使用人にすら)迷惑を掛けることを極端に嫌い、我慢されてしまう姿を見るたび心が痛んでおりました。

 そんなカレン様が、初めて我儘を仰ったのです。

 人を見る目はそれなりにあるつもりです。

 リン様はカレン様にとって良き友になられる方だと思います。

 私がカレン様に視線を向けると、カレン様は心配そうな目で私を見つめております。

 垂れた耳と尻尾が見える気が致します。


「……かしこまりました」


 何かしらあっても、私がカレン様をこれまで通りお守りするだけのこと。

 カレン様のことですから、決まったら直ぐにでも引越しをするよう、瞳をキラキラさせつつあの耳と尻尾でアピールされることでしょう。

 そうなれば、リン様はお断り出来ないはずです(私ならお断り出来ません)。

 幸いにも余っている一部屋は本来衣装部屋になるはずですが、カレン様はまだ社交界デビューをされておりませんので、綺麗に空いたままです。

 大掛かりな引越し作業になってしまうと人目につきやすくなるので、少しずつ荷物を運び入れることとなりました。

 但し、ベッドのような大きなものは男手が必要だと申し上げると、カレン様は「私が呼んできます!」と言うが早いか、何処かへ出て行かれました。

 きっとキース様達を呼びに行かれたのでしょう。

 そうしますと晩御飯は五人分必要ですね。


「私は今のうちにお食事の支度を致しますので、リン様はお部屋から教科書と着替えをお持ち下さい」

「はい」


 良いお返事をされ、リン様もお部屋を出て行かれました。

 ……これから賑やかになりそうですね。

 まあ私はカレン様の笑顔が見られるためなら、何でも致しますよ。



◇◇◇



 ベッドは一度解体し、何度かに分けて新しい部屋へと次々運ばれてきます。

 そして最後にマットは解体出来ませんので、カレン様が周辺に誰も居ないことを確認しながら、キース様とウィリアム様が二人掛かりで部屋へと運び入れました。

 リン様は必要な荷物を何往復かして運び入れ、今はベッドを組み立てておられます。

 組み立てが終わり、マットを乗せ布団をセットしたところで。


「お食事の用意が出来ました」


 全員リビングに集合です。

 ダイニングテーブルの上に所狭しと色々な料理の乗ったお皿を並べていきます。

 本日は大皿料理をご用意致しました。

 取り皿を用意し「お好きなだけお召し上がりください」の言葉にキース様が満面の笑みを浮かべておられます。


「やりっ。頂きます」


 言うが早いか取り皿に山盛りに盛り始めました。

 海老やナス、かぼちゃに獅子唐などの天麩羅、鮪などのお刺身数種、豚しゃぶのサラダ、他にも煮物や和え物もご用意しております。

 皆様が美味しいと言いながら楽しそうに食べられる姿はやはり嬉しいですね。

 作った甲斐があるというもの。

 とは言え、今後は買い出しの量を増やす必要がありそうですね。

 早速明日、追加の買い出しに向かうと致しましょう。


「最後の海老頂きっ」

「あ、キース、それ私が狙ってたのに。レディファーストだから私に寄越しなさいよ」

「どこにレディーがいるんだよ。取ったもの勝ちだろ」

「お前ら、もう少し静かにだな……」


 ……賑やか過ぎやしませんかね?

 カレン様が楽しそうに笑ってらっしゃいますので何も申しませんが、若干二名ほどテーブルマナーを教えて差し上げた方がよろしいかと存じます。

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