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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第三章 フォード学園に入学しました 〜カレン13歳〜
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マリア目線です

 入学式を無事終えて、寮に戻られたカレン様はとてもご機嫌なご様子で。

 お茶の準備などで動いております私の方をチラチラ見てみたり、ソワソワと落ち着きがありません。

 きっと良いことがあったのでしょう。

 私に聞いて欲しいと顔に大きく書いてあります。


嗚呼(ああ)、本当に何て可愛いらしい)


 アル様にはテーブルの下に専用の甘さ控えめのクッキーを。

 カレン様には紅茶と、お昼前なので小さめのクッキーをお出しし、一息つくと待ってましたとばかりに。


「マリア、わたくしにお友達が出来ましたっ!!」


 と、瞳をキラッキラさせ、あるはずのない尻尾がブンブン振られているように見えます。


「それは良うございましたね。お友達はどんな方ですか?」


 カレン様はとても喜ばれておりますが、そのお友達がどんな人間なのかを私は把握しておかねばなりません。

 カレン様はとても素直にお育ちになられましたが、素直故に騙されやすいという難点がございます。

 そのために私達周りにいる者が常に気を付けていかねばならないのです。

 カレン様には、今の素直で純真なままでいて欲しい。

 それは御当主様やラルク様、そして使用人一同が思っていることでございます。


 カレン様の良き友となれるお方であれば、どんな方であっても丁重におもてなしさせて頂くつもりでおります。

 反対に損得勘定で近寄って来るような輩には、即刻フェイドアウトして頂かねばなりません。

 もちろんカレン様が傷付かぬように。

 私がカレン様を全力でお守り致します!

 カレン様のお話によると、お友達は平民の方のようですが、今の所悪い方ではないように思われます。

 最も、リン様という方のお話が九割で、ウィリアム様とキース様という方達の話は一割と少ないため、後のお二人はまだ何とも申し上げられませんが。

 まだまだ長く続きそうでしたので、一旦きりの良いところで昼食をとった後、食材の買い出しに出掛けます。


 この学園の敷地内にはスーパーのようなお店と、ドラッグストアと服飾店があります。

 全寮制であるこの学園は、長期休暇以外の外出には前もって届出をし、受理されなければ外出することが出来ません。

 余程怪しい場所でなければ大抵のものは受理されますが。

 ちょっとした買い物くらいで一々外出届を出さなくても良いように、簡単な買い物であれば学園内にあるお店で済ませられるようになっています。

 学園内で働く多くの方の寮もあるために、この学園は小規模な町ほどの大きさになっているわけです。

 私のような侍女や侍従は基本週末は町まで買い出しに行き、後は学園内のスーパーなどで補充するのです。

 その間カレン様はソファーに座り膝の上にアル様を乗せ、いつもの読書タイムに入っておられます。

 今日のディナーは、カレン様に初めてのお友達が出来た記念に、ちょっと豪華にいきましょう。

 それにしても、今日のカレン様の喜びようといったら。

 可愛らしいお姿を、お腹いっぱいに堪能させて頂きました。

 ああ、幸せ。

 私はご機嫌に鼻歌を歌いながら、食材をカゴに入れて行くのでした。

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