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転生令嬢の異世界愛され生活〜ご褒美転生〜  作者: 翡翠
第二章 モフモフに出会いました 〜カレン11歳〜
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3

 その中から選ぶのなら、白銀(しろがね)かアルジャンかな?

 ……どちらも好きな響なので悩む。

 それならばと、本人(フェンリル)に聞いてみることに。


「あなたのお名前ですが、白銀とアルジャンの二つで迷っております。あなたご自身では、どちらがよろしいでしょうか?」


 お弁当を入れていた籠を肘にかけ、仔犬なフェンリルを抱っこしながら屋敷に向かっている。

 フェンリルは顔をカレンの方に向け、首を傾げた。


『しろがねとは聞いたことのない響だが、何か意味はあるのか?』


 その姿もまたとても可愛らしい。

 カレンは思わずフェンリルの頭をナデナデしながら答える。


「しろがねとは、ここではない世界の言語で特定の色を指します。アルジャンも同色を指した言葉で、あなたの毛並みの色からとりました」

『ほう……我の色か。では呼びやすい方でアルジャンにするとしよう』


 仔犬な姿では表情は分からないけれど、フェンリルの纏う空気が喜んでいるように感じられた。

 尻尾も若干振れてる気がする。


「では、改めてよろしくお願いしますね、アルジャンさん」

『我もよろしく頼む。そして、さんは要らぬ』


 にっこりと笑顔で言うと、アルジャンはそう言ってフイっと顔を背けた。

 もしかして、照れてる?


「はい、アルジャン」


 カレンはそう答え、またアルジャンの頭をナデナデ。


『してカレン、先ほどここではない世界と言っていたが……』


 ナデナデしていた手がピタッと止まる。

 カレンは少し考えてからアルジャンにはあの世のこと(閻魔大王、赤鬼、恩赦の件など)以外、全て話すことに決めた。


「はい、家族にも内緒にしておりますが、私には前世の記憶があるのです。私の前世はここではない世界の住人でした」


 私はゆっくりと歩きながら、アルジャンに前世の私の世界を説明していく。


『魔法のない世界なぞ、考えられぬな。随分と不便な世界だったのではないか?』

「いえ、魔法のかわりに科学が発展しておりましたので、特に不便なことはありませんでした。魔物などもおりませんでしたし」


 アルジャンはクワッと目を見開いてカレンを凝視する。

 これはきっと、魔物がいないということに吃驚した表情なのだろう。

 とても可愛らしい。


「その世界では、この世界のような魔法のある世界をファンタジーというジャンルで、様々な書物が売られておりました。私も大好きで、たくさん読んでその世界に憧れていたのです」


 アルジャンは黙ってカレンの話を聞いている。

 前世の私の境遇や交通事故で死亡したことなど簡単な説明をした。


「小さい時に頭を強打し、前世の記憶を思い出しました。逆にそれ以前の記憶は失ってしまいましたが……。気が付けば、私は小さな子どもになっていますし、姿形も変わっておりますし、何より憧れていた世界の住人となっているのですもの。とても驚きました」


 ふふふ、と笑っていると。


『カレンは今、幸せか?』


 カレンの目を見てアルジャンが聞いてくる。

 これはきっと、アルジャンがカレンを心配してくれているのだろう。


「ええ、とても幸せです。アルジャンに出会えたことも、とても嬉しいです」


 アルジャンは『それは良かった』と言い、目をつむり動かなくなった。

 お腹がいっぱいで眠くなったのだろう。

 とても温かい。

 カレンは寝てしまった仔犬なアルジャンを見つめ、久しぶりの心からの笑顔と軽い足取りで、屋敷に帰るのだった。

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