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「結婚は卒業してから?」や「二人でどんな所でデートしてるの?」や「何て呼びあってるの?」などなど。
前のめりに聞いてくるリンちゃんに押されて、エドワード様がどんどん後ろに下がられております。
リンちゃん、あまり押されますと後ろの他のお客様のご迷惑になりますから、少し抑えましょうか。
エドワード様は逃れられないと悟ったのか、渋々リンちゃんの質問に答えられます。
「結婚は僕が卒業してからの予定だ。デートって言うようなことは特には……エヴァンスの家に会いに行って、庭の四阿でお茶したりだけど。……呼び方は別に、何でもいいだろ!」
顔を真っ赤にされてフイと横を向いてしまわれました。
お友達とはいえ、横にお相手のお兄様がおられるわけですから、話し難いのではないでしょうか。
ある程度の話を聞くことが出来たリンちゃんは、次のターゲットであるエヴァンス様へと視線を移しました。
「エヴァンスはどうなの? 誰か良い人はいないの?」
エヴァンス様は引き攣ったような笑顔をされております。
まさかご自分には質問されないなどと思っておられたのでしょうか?
「俺? 俺は別に……」
と、視線があちこちに向き、かなりの動揺が見てとれます。
「隠し事はなしだよ~。ほ~ら、お姉さんに言ってごらん?」
リンちゃん、とっても生き生きしてます。
「べ、別に隠しごとしてるわけじゃ……」
「エヴァンスく~ん? 目が泳いでますよ~?」
またリンちゃんが前のめりになったところで、ウィリアム様が助け舟を出されます。
「リン、その辺でやめておきなさい。もう直ぐ到着しますよ」
リンちゃんは残念そうな顔で「は~い」と返事をされ、エヴァンス様はコソッとウィリアム様に「助かった」とお礼を述べておられました。
町へと到着し、乗合馬車を降ります。
ギルド本部などがある街ほどの規模はありませんが、昨年より出店料を下げて出店数を増やしたそうで、こちらの町も中々の活気があります。
「さて、どこから見て回りましょうか?」
ウィリアム様の言葉に一番早く反応されたのはエヴァンス様でした。
「俺とエドワードはリュックを買おうと思ってるんだが」
続いてリンちゃんが。
「使い捨て出来るお皿とまな板と箸を買いたい」
と言えば、ウィリアム様も。
「僕は新しい解体用のナイフが欲しいですね」
「キース様は何か必要な物はありますか?」
「寝袋代わりのブランケットをそろそろ買い替えようと思ってる」
私もそろそろブランケットを買い替えようと思っておりましたのでそれを伝えますと、キース様は私の耳に顔を近付けて、私にだけ聞こえるように少し意地悪な笑顔で囁かれます。
「デカイの買って二人で使うか?」
「む、む、ムリですっっ!」
ここが寮のお部屋だったならば、たまらずゴロゴロと転がって悶えていたと思います。
これ以上ないくらいに顔に熱を感じ、心臓はバクバクと激しく鼓動し、遂に体全体が心臓になってしまったのではなかろうかと錯覚してしまう程で。
思わず両手で顔を覆うと「カレン、凄ぇ顔が真っ赤」と、キース様にギュウッと抱き締められました。
ああ、もう心臓が爆発して死んでしまうかもしれない……などと思っていると。
「ほら、そこのバカップルもサッサと行きますよ」
ウィリアム様が呆れたようにそう言って歩き出され、他の皆様も続いて行かれました。
キース様が私の手を引いて、それに続きます。
……バカップル言われました。
チラッと横目にキース様のお顔を見ると、ご機嫌な様子で前を向かれております。
お付き合いが始まってからのキース様は、余裕たっぷりな感じでズルイです。
はじめに寄ったお店はバッグがメインのお店でした。
エドワード様たちのリュックをこちらで探すようです。
可愛らしい物から意味の分からない物まで、沢山のバッグが所狭しと置かれていたり、吊るされていたり。
……どう見ても達磨に紐がついているような、凡そバッグとは思えないような物から目が離せないでいると。
「カレン、これが欲しいのか?」
と、キース様が可笑しそうに笑っております。
いえいえ、こんな物と言ったら失礼ですが、これを身に付けた私と一緒に歩けますか? 無理ですよね?
そんな思いを込めてキース様の目を見たのですが。
「悪い、冗談だからその目はやめてくれ」
と、頭をクシャッと撫でられました。
そして再度達磨のバッグ? に目を向けます。
買う気は全くありませんが、どんな風になっているか気になりますので、細かくチェックしていきます。
キース様も私の横で大人しく見ておられます。
背中側に縦にファスナーが付いており、そこから出し入れ出来るようになっているようです。
背中側の首? くらいの位置に輪っかのような物が付いておりそこに紐を通すことによって、リュックにもなるようです。
ちなみにこのシリーズ? のコケシバージョンの物は、ファスナーが首をグルっと一周しており、ファスナーを開けると首が後ろに倒れる感じが少し怖かったです。
……売れるのでしょうか?




