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「ひい~! 疲れた。」

美代先生は外来生物の相手に疲れた。

「先生! もう新キャラ、新患者を出すのをやめましょう! みなみ、限界です!」

「キュル!」

抗議する歯科助手とパンダ。

「そうだね。全キャラが元主役で創作されたキャラクタばかりだから、個性が強く作成されて完成されてるから、私たちの方が個性が無くなっている!?」

美代先生たちが普通に見える。

「みなみが埋もれちゃいますよ!?」

「キュル!?」

パンダも出番を確保しないと笹が食べれないと言っている。

「やっぱり、私たちは私たちの中で知識小説用のキャラクターを作成して登場させた方がいいのかな?」

美代先生は、いいことに気がついた。

「せ、先生!? 美代先生!?」

「キュル!?」

あたふたする歯科助手とパンダ。

「どうしたの?」

「あれ・・・あれを見て下さい。」

「え?」

歯科助手は入り口の外を指さす。

「ゲゲゲ!?」

入り口の外には大行列ができていた。

「なんだ!? あれは!?」

「きっと過去キャラの大行列ですよ!?」

「なんだって!?」

「キュル!?」

これ見よがしに出番がもらえると思い、アベンジャースのようにオーバーストーリーでタイムトラベルして、過去の作品のキャラクターが大行列を作っていた。

「因果応報って、やつだな。」

説明しよう。因果応報とは、善い行いをすれば善いことが起こり、悪い行いをすれば悪い行いが起こるという意味である。

「そうですね。みなみが今回でみなみ4で16万字を突破するので、妬みや僻みで他の作品のキャラクターたちが、カワイイみなみを困らせようとしてるんですよ!?」

人間の生きる意味はなんだ。他人を不幸にすることしかない。なぜか。それは人間が自分と他人を比べる生き物だから。本来であれば、昨日の自分と今日の自分を比べ、未来の自分がより良い暮らしを過ごせるように生きるものであったはず。

「キュル。」

飼い主にゴマを擦り、少しでも食事を良くしてもらおうとする賢いパンダ。

「こうなったら・・・治療しまくって、亡者どもを墓場に送り返すだけだ!」

美代先生は過去のキャラクターの虫歯を治しまくり、この虫歯地獄から抜け出すことを決心した。

「美代先生、カッコイイ!」

「キュル!」

歯科助手もパンダも歯科医師の雄姿にドキドキ。

「さあ、みなみちゃん! どんどん患者さんを入れなさい!」

「はい!」

「キュル!」

みなみちゃんは出入り口の戸を開けた。

「さあ、みなみちゃん! 後よろしく!」

いつものように美代先生は休憩室に逃げた。

「え? ええー!?」

「キュルー!?」

歯科助手とパンダはどよめいた。

「美代先生め! 謀ったな!」

「キュル!」

「こうなったら美代先生を成敗してやる!」

「キュル!」

みなみちゃんは侍の姿に、パンパンは出陣の太鼓を叩いている。

「あの・・・虫歯の治療を・・・しやがれ!」

出入り口から患者が入って来た。

「は、はい!?」

「キュル!?」

入って来たのは女子高生だが、関西弁にビビった歯科助手とパンダ。

「お名前は?」

「川田マオ。」

「歯のどの辺りが痛いんでしょうか?」

「全部や! 寝ている間に婦長に虫歯を植え付けられたんや! 鬼! 悪魔! 婦長! 絶対に許さんぞ! ボケ婦長!」

「はあ・・・。」

「キュル。」

怒涛の会話の流れについていけない関東人の歯科助手とパンダ。

「口を開けて下さい。」

「あ~ん。」

場所が待合室から診察室に移る。

「な、なにこれ!?」

「キュル!?」

患者の口の中は真っ黒なあんこで覆われていた。

「なぜ!? あんこ!?」

「あんこちゃんは、わえのソウルフードや! あんこがあればご飯を何杯でも食べれるで!」

「はあ・・・。」

「キュル・・・。」

あんこと御飯。人は、それを、おはぎと言うのだろう。呆れてものが言えない歯科助手とパンダ。

「あの・・・あんこを取り除いてもいいんですよね。」

「あかん! あんこは命や! あんこの無い人生は死んだも同じや!」

虫歯治療を拒む患者。

「じゃあ、死ねや。」

歯科助手はキレた。

「キュル。」

パンダもキレた。

「ギャアアア!? 殺される!?」

歯医者で歯医者さんに歯向かうと危険であると、やっと自分の立場を理解した患者。しかし、時すでに遅し。

「パンパン! 麻酔!」

「キュル!」

「ギャアアア!?」

患者に麻酔の注射を撃ち込むパンダ。あらかじめ言っておくがパンダの医療行為は責任をもたない。

「zzz。」

患者は永遠の眠りについた。

「大人しくなったわね。最初から、こうしていればよかった。」

「キュル。」

納得の歯科助手とパンダ。

「よし、治療しよう!」

「キュル!」

こうして、いつも通りのダイジェスト虫歯治療が始まる。

「みなみ、いきます!」

「なんだ!? この虫歯は!? つ、強い!?」

「負けるものか!? 私は絶対に諦めない!」

「私に治せない虫歯は無い!」

「一撃必殺! クリーニング波動砲!」

「ふう~、白い歯って、いいな。」

少しダイジェスト虫歯治療に話を盛った。それでも、これで2000字オーバーの縛り。

「ありがとう。これであんこが食べれるぜ。」

「もう来るな!」

「キュル!」

患者は帰って行った。

「さあ、パンパン。」

「キュル。」

みなみちゃんは侍姿に着替え、パンパンは太鼓を叩き始める。

「みなみの討ち入りだ! 美代先生の首を取るぞ!」

「キュル!」

ちなみに、これを書いた日に赤穂浪士の討ち入りは関係ない。そうなってしまっただけである。


つづく。

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