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「ダイジェスト虫歯治療を止めなければ!?」

美代先生は、出だしがグダグダで最後に尺が無く、ダイジェスト治療になっているのを何とかしたいと思っている。

「もうネタになってますよ。キラン。」

「キュル。」

「ヒッヒヒヒ!」

不気味に笑う歯科助手とパンダであった。

「やっぱり、この物語は私の、どうもです、から始まるのが典型的な始まりだよね。」

「そうですね。美代先生のどうもですは世界を救いましたからね。」

「キュル。」

これでも美代先生は偉い歯科医師だった。

「いま、またくだらないことを思いついた。どうもですを、どうもデスにすると死を司る神みたいだ。」

ですとデスをかけているオヤジギャグである。

「ついにみなみも異世界ファンタジーに進出ですか!? 勇者みなみの誕生ですね!?」

異世界で歯科医師をやって何が悪い、タイトルはこんなところだろう。

「キュル・・・。」

こいつらアホだと、歯科医師と歯科助手をバカにしている、お手上げパンダ。

「なんかムカつく!?」

パンダに敵意を燃やす歯科医師と歯科助手。

「ここら編で今日の患者を登場させれば、歯科モノらしくなるんじゃないですか?」

「そうだね。みなみちゃんも、たまには言いことを言うね。」

「これでも主役ですから。」

「キュル。」

「ワッハッハー!」

妙な所で一体感がある歯科医師と歯科助手とパンダ。

「で、今日の患者は誰だ? 毎回、スペシャルゲストで変わるってやつでしょう?」

「今の流れは、そうですね。」

「キュル。」

現代ドラマの主流である。

「これまでに野菜防衛隊の綾野綾こと細菌娘、普通娘の友梨、爆食娘の麻美、透明娘のミクの歯は治療したぞ。」

「まだ世界を破滅に導く魔女、おかずおやつマイスターの綾ママの歯を直していませんよ。」

「綾ママ!?」

他作も含めて、綾ママは最強クラスの無敵キャラクターであることは間違いない。

「触れるのはよそう!」

「賛成です!」

「キュル!」

虫歯パンデミックの時も綾ママがラスボスであった。その恐怖と労力を知っているので、綾ママには当たらず触らずで通すことを決めた美代先生たち。

「他に1度きり登場のキャラは置いといて、後は職場ストレスの安倍景子と爆弾娘イスラちゃんぐらいか。」

「結局は、30話の長丁場ですから、他作から移動させてきた方が早そうですね。」

「キュル。」

既に最強の歯科助手みなみちゃんに、過去作のテロリスト女子高生のイスラちゃんと安倍景子。それに野菜防衛隊から細菌娘たち4人。もっとも、みなみちゃん事態が野菜防衛隊のおまけから発生した物語であるが・・・。コア層が多い異世界ファンタジーでなく、普通の現代ファンタジーなのが少し残念。

「ということは、次は妖怪ですか?」

「妖怪だね。」

「キュル。」

美代先生たちは少し時間が止まる。

「妖怪の歯って、どうやって治療するんだろうね?」

「そもそも歯が見えるんですかね?」

「キュル?」

パンダも妖怪を信じている。

「すいません。歯を見て下さい。」

そこにカワイイ女性がやって来た。

「すいません。予約のお客様意外はお断りしているんですが。」

美代歯科医院はセレブ御用達の歯科医院である。

「そうですか、残念です。」

カワイイ女性が帰ろうとした時だった。

「みなみちゃん、その人が次のお客様だよ。」

「え?」

「だって、足が無いモノ。」

「うわあ!? お化け!?」

「キュル!?」

歯科助手とパンダは、幽霊の登場に驚いた。

「私は癒し女のおみっちゃんです。エヘッ。」

幽霊は可愛く笑う。

「か、カワイイ。」

「なに!? このみなみの世界にいないキャラは!?」

「キュル!?」

幽霊に戸惑う歯科医師と歯科助手とパンダ。

「脇役から主人公にまで上り詰めました。エヘッ。」

遂に幽霊は自分の主役の話すら持っている。

「この感じは危険だ!?」

「そうですよ!? みなみ4が乗っ取られてしまいます!?」

「早く虫歯を治療して、あの世に帰ってもらおう!」

「おお!」

「キュル!」

身の危険を感じる歯科医師と歯科助手とパンダ。

「それではみなみちゃん、後よろしく。」

「ああ!? 先生!?」

「キュル!?」

「逃げるが勝ちだ!?」

美代先生は休憩室に逃げていった。

「もう!? 美代先生め!? プンプン!?」

「キュル!?」

プンプンみなみちゃん久しぶりの登場。ダイジェスト虫歯治療をしないと、普通に入ってくる。

「それでは治療しますので、診察室にどうぞ。」

「はい。」

足の無いカワイイ幽霊はみなみちゃんに憑いていく。

「それでは席に座ってください。席を倒しますよ。」

「はい。」

幽霊だけどリクライニングはOKみたいだ。

「はい、お口を開けて下さい。」

「あ~ん。」

幽霊は口を開けた。

「きれいな歯ですね。まるで何も食べていないみたい。」

「だって幽霊ですから。エヘッ。」

じゃあ、何しに歯医者に来たんだよという目で見る歯科助手。

「ありがとうございました。」

幽霊は去って行った。

「みなみちゃん、今日見せ場がなかったね。」

「そうですね。決めゼリフを一度も言っていません。」

「キュル。」

盛り上がりに欠けるダイジェスト虫歯治療無しになってしまった。

「気分転換に、ラーメンでも出前しようか?」

「はい! 美代先生のおごりで!」

「キュル!」

「パンパンには、新商品の笹小籠包を頼んであげよう!」

「キュル!」

「もしもし、渋谷塚軒ですか? みなみです。ラーメン50杯と笹小籠包を1個お願いします。」

幽霊が虫歯治療にやって来たが、何事も無かったかのように日常を過ごす歯科医師と歯科助手とパンダであった。


つづく。

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