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不要な生と必要な出会い

世界の終末の引き金を引いたアジ=ダカーハ

しかし、彼自身は終末に巻き込まれる事無く

何故か別の世界、“幻想郷”に飛ばせれてしまった

今後彼はどのような道を歩むのか

世界の破滅と同時に別世界へ飛ばされた青年―――アジ=ダカーハ。そして、飛ばれた先は“忘れさられた者たちの世界『幻想郷』”らしい。脳に直接流れ込んできた言葉しか情報が無いために、そう判断するしかなかった。しかし、彼は許せなかった。己はあの世界で生まれし試練、超える者が居なければあの世界と共に滅ばなければならなかったのだ。あの世界の文明の進化のためだけに存在していたのだから、あの世界無き今、己には生を受け続け存在する理由はないのだ。だが、もしかしたら思考のどこかで死を恐れていたのかもしれない、と考えてる己が一番許せなかった。試練として生まれた以上、己は討たれるか、滅ぶべきだったのだ。

悪の試練として生まれたのなら、尚更別の世界に来てまで生を受け続けるのは許されないのだ。しかし、悪の試練として生まれた以上は自ら命を絶つ事は出来ない。悪の命を絶つのはいつでも“勇気ある者の一振り”であり、試練は超える者にのみ打たれる。つまり、試練として、悪として、己の命を絶つ事は不可能なのである。――――――しかし、例外はあるものである。




三頭龍の姿は大きすぎて目立つ為、取り敢えず人化の術を使い姿かたちを青年のものに変えた。そして、悪としての存在意味を失い、不確定存在“Noise”となった青年はまず、“アジ=ダカーハ”の名を使い続けるのをやめる事にした。アジ=ダカーハとは絶対の悪を語る者の名だ。つまり、悪を失った今の彼にその名を語る許されないのだ。しかし、名を捨てたからと言って三頭龍の姿に成れない訳では無い。そして、名も無き者となった青年は、取り敢えず行動しなければどうしようも無いと思いゆっくり歩き始めた。その一歩一歩は何処か重い足取りだった。目的も無く歩き始めた結果、数日、数十日、数か月と途方も無い距離と時間を歩き続け、結局五年ほど歩き続けた。しかし、その間は特に何も無く、無数の山があるだけで時折に村がある程度だった。そこで青年は目的を時間の経過に定めて、考えと行動を別に変えた。近くにあった山岳に向かい、滝の中の向こうの壁を爆音を上げ破壊し奥深い洞窟を作り出した。たった一発の拳でこの威力なのだから、名が無いにしても流石は元悪神だと言えるだろう。さらに大きさの丁度いい岩を見つけ、お粗末だが龍の遺影を使って岩を切り裂き寝台を作った。その寝台の上で横になった青年は封印されたように眠り続ける事にした。彼には眠ると言う行動自体に意味は無いが、時間の経過が目的ならこれ以上に最適な行動は無かった。その行動でどのくらい眠る事になるかは分からないが、そんなことはどうでも良かった。このまま永遠に眠り続けても構わない、と。宿命無き今、悪をする理由も無くなったのだから。そして、彼は山の深い深い洞窟の奥底で意識を閉ざした。





―??? Side―




時は青年が眠りに着いてから数百万年後。


三日月が顔を出した始めた頃、灯りは月明かりのみの薄暗い森の中に1つの妖艶な人影があった。しかし、人影―――少し幼げな少女の行動は何処かコソコソしているようにも見えた。その不審な挙動から何か少女の及ばぬモノに追われているのだろうと思われる。しかし、少女は一部の者から視れれば違和感があった。そして少女はおそらくは人間ではないだろう、とそれは普通の人間では有り得ない力を持っているように感じられるモノがあった。それは先ほどから木の位置が動くことから転移能力であるだろう事が分かる。だが、幼い為に力は弱く、転移距離も僅かだった。そして、追う者に見付かったの少女は顔を青くしながら疾走しだした。追う者は三メートルほどの一匹の白い大蛇であった。しかし、大蛇の頭は2つあり、恐らくは“大蛇(オロチ)”と呼ばれるモノの類いだろう。だが、今は冬であり、時期的にこの類いは冬眠中の筈だが、この状況はそれと関係しているのだろ。



「ハァ、ハァ………ハァ、ハァ………ッ!」



だが冬の寒さは少女の体力をも持っていく。それが原因でもあり少女は今にも倒れそうな程に疲労していた為に力が使えなかったのだろう。だが、大蛇との距離は一定を保ったままだった。冬である事が大蛇の動きを鈍くしているのだろうが、大蛇に疲れはいっさい見られない。先に厳しくなったのはやはり少女であった。少女の限界が間近となり、走る速度が落ち始める。これを好機とばかりに大蛇は飛び掛かる勢いで急に速度を上げた。少女は終わりを覚悟するも必死に動かす足を止めない。だがやはり距離はドンドン詰められてしまう。あと数十センチと言う時、大蛇は唐突に動きを止めた。少女は足を進めつつも思わず振り返ったが、大蛇は追うときの速さを越えて旋回していった。その理由は少女にも分かっていたが、足を止めず進み続ける。大蛇が旋回した理由は、少女が進む先は妖怪や人間、動物、昆虫までもが近づくのを恐れている、“禁忌の霊脈”とされている山岳があった。圧倒的な威圧感に恐怖して皆近付かないのだが、まだ幼い少女は恐れられていると知っているだけで、まだ威圧感にまでは気付かなかった。そこで少女は急な酷い渇きを感じ始め、近くにあった滝に駆け寄り水を口に含んだ途端に安心感と疲労が限界に達したのだろう。眠るように意識を閉ざした。




少女は強大な殺気と身の危険を察知して意識を戻し、無意識に跳び跳ねていた。その危険な殺気を放ったであろうと思われる正体は、白髪赤眼の若い青年であった。




―青年 Side―




青年は何者かの山への侵入により目を覚ましが、今までも寝ている間に山に侵入した気配はあった。だが今回のは気になる気配であった。気配は2つあったが、1つは直ぐに離れていくように消えた。だが、もう1つは消えるどころか近付いて来る。まだ、幼いという事までは見抜いた。そして、青年が気になった気配の持ち主は少女である。青年は数百万年振りに身体を起こした。勢いの強い滝に向かって進むが、水は彼を避けるように開いた。滝を抜けた青年が見たのは泉の端で倒れている少女の姿だった。青年は近付きながら殺気を立てると少女身体を震わせは跳び跳ねるように目を覚まして立ち上がった。キョロキョロ周りを見回していたが、直ぐに殺気の正体を見抜いた少女は青年を睨み付けた。




「ッ!············すいません、あ、貴方は?」




その言葉に青年は僅かに驚愕した。殺気は既に納めているが、普通の者ではあの殺気を当てられれば恐怖で言葉を発する事は出来ないが、あろうことか少女自ら声を掛けて来たのだ。確かに足は少し震えているが、それでも少女は勇ましさを持っていた。少女が異質なのか、この世界が異質なのか。どちらにしろ青年はある可能性をこの世界に見出だしていた。それを確認するために彼女を試す事にした。




「此処を寝床としている者だ。それよりお前は何の目的で立ち入った、理由次第では·········」




「······えっと、その······ごめんなさい! そんな事知らなくて、その、お邪魔なら直ぐに何処かに行きます ! 」




少女はあたふたして頭を下げた。その姿に悪意は無いと判断した青年は試すのをやめ、煩わしそうに手で払った。




「構わん、死なれる方が迷惑だ。私―――いや、俺は奥に居る。3日間だけなら滞在を許そう。何か必要な物があるなら言え、可能な限りは用意しよう」




「え、いいんですか? ·······ありがとう御座います ! 」




少女は再び頭を下げるが足の震えは収まっていない。恐怖が止む事は無いだろう、弱まったようではあった。早速少女は洞窟に入っていった。青年はこの少女にある可能性を確信にする為に滞在を許したのだ。それは彼自身では叶わぬ事、己の本来の宿命。彼女は英傑になりえると、磨けば光る原石だと判断したのだ。今は試練では無い彼は力ある者なら誰でも討てるのだ。現に彼のギフトカードにある悪の印の上に×が付けられていた。と、洞窟内から少女の呼ぶ声が聞こえた。呼び出すとは無遠慮なのか、はたまた阿呆なのか。久方ぶりに興が乗った青年は無意識に笑みを浮かべ少女の元へ向かった。




「······すいません、名乗りを挙げてなかったことに気付いて。改めて、私は八雲 紫と申します。······それと、何とお呼びすれば宜しいでしょうか?」




「·········俺の呼び名か、何でもいい好きに呼べ。所詮名無しだ、どう呼ばれようが構わん」




「名無し、ですか。では、そうですね。·········先生と呼ばせて頂きます」




紫の言う“先生”は裏があると見た青年はその言葉に含まれた意味を瞬時に理解し、言葉を発しようとしたが、グゥ~と気の抜ける音に阻まれた。どうやら紫の腹から出たようだ、その証拠に紫は赤面して顔を伏せていた。しかし、先ほどまで疲労で倒れていたのだから何も不思議はなかった。仕方なく青年は森に出る事にした。五分待て、と言いつけて彼は影の中に沈んでいった。その現象に紫は目を剥き驚愕していた、が私も行きますと声を上げた。青年は紫の瞳を覗き込んだ。澄んだ青い瞳の中には覚悟の色が見えた。断っても紫の能力で森に出るのだろうと、判断した。死なれると困ると思い同行を許可した。彼女が同行する以上は影は使えない。ならばと思い紫を強化する手段を選んだ。青年は人差し指に赤い光を宿し、その光を紫に向かって放った。紫は突然の事に驚いていたが光を受け入れた。一時的に紫の身体が発光した。外見に変化は見られなかったが、紫自身は自分の変化を感じ取り、さらに驚愕した。




「これは·········スキマの能力の効果が強くなった···············分かりました、お送りします」




青年の意図を汲んだ紫は、早速強化された隙間を展開した。紫は隙間妖怪と呼ばれる類いの妖かしだが、幼い為にまだ力は弱く、自身の身体を5メートルほどしか移動出来なかった。しかし、青年の謎の光によって、三十歳程になって取得出来るか出来ないかの無制限転移を僅か13歳で可能にした。余談だが、紫は此が切っ掛けに数年後、隙間妖怪の一族で天才と呼ばれる事となり、見舞いの申し出が殺到し色恋沙汰で隙間妖怪の一族は滅ぶ事になる。二人は隙間の中に入り、一瞬視界が暗転する。そして、次に視界が開けたのは薄暗い森の中だった。月の位置を見る限り、寝床から数十キロ離れた森林だった。離れすぎた場所に隙間を作った為か、紫は更に腹を空かせているようだ。だが、此れは隙間の代償ではなく、強化の代償なのだ。しかし、此れも直ぐに身体が慣れ代償の効果は薄くなえうだろう。青年は手短な食料をと思い、視界に入った鹿を動かず仕止めた。再び驚愕する紫はただ座って見てるだけだった。それを他所に青年は軽い火を生み出し鹿に火を通す。この火は火を尊び崇拝する拝火教の加護を受けている青年には造作もない事だった。しかし、紫は鹿が苦手だったようで我慢して食していた為に、紫が動ける程度まで我慢させ空腹を回復し、大半を炭にし野に放った。そして、二人は森の探索を始めた。茸や薬草、鹿以外は大丈夫そだったから豚や牛を、紫が満足する程に食料を集めた。その内の数匹は紫が仕止めた物だった。紫は狩る対象の心臓を転移をさせると言う惨い手で狩っていた。それに対し青年は龍の遺影を巧みに使い、外傷無く心臓を貫いたやり方だった。




「こんなに沢山、1週間は持つ量ですね♪ そろそろ帰りましょうか、先生」




しかし、紫が呼び掛けるが変事は返って来なかった。それもそうだろう、そこに青年の姿は無かったのだから。紫は怪訝そうに顔を歪め隙間を空へ繋げ地上で空から探した。直ぐに青年は見つけたが、青年ともう1人男性の影があった。

書き方を詰め字に変えました。

それと今後はそれなりにちゃんとした前書きと後書きを書いて行こうと思います。

それと東方編に入ったので、出してほしいキャラなどいたら感想欄にお願いします。

指摘、感想、要望、などあれば( `・∀・´)ノヨロシク

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