女の子と情報と
この子がお菓子等を食い散らかしたのは間違いない。
なぜなら口周りが完全に汚れているからである。
「そういえば出してそのままだったっけ?
……熊とかじゃなくて良かった。」
お菓子等の臭いにつられてくる可能性があったのにそのことを考慮してなかったとか
お前は死にたいのか?と言われても仕方ない。
それにしてもこの女の子もこんな場所でよく眠れるなぁ。
まぁ、危険かもしれないし起こしていこうかな?
肩を叩こうと近づいてみたら女の子がパッと目を開いてすごい勢いで遠ざかった。
そしてこっちをすごく警戒してにらみながら
「だれ?」
と一言言ってきた。
「えっと……その辺に散らばってる食料の持ち主です。
もうないけど。」
そのまま三秒ぐらい沈黙が続いて女の子が口を開いた。
「え?これ捨ててあるものじゃないの?」
「いや、実験で色々出したけど全部食べるつもりだったし、
ていうかこんなところに人が来るとは思わなかった。」
だから広げたまま『お泊りセット』を使ったんだしな。
「……勝手に食べてごめんなさい。」
そういって頭を下げてきた。
「いや、別にいいよ。」
チケットで出した分を処理してもらっただけだし。
「え?でも高級食材みたいな感じがしたのだけれど?」
「うん。高級食材というか最高級の食材だね。」
最高級ってついてたしそうなんだろう。
「……私お金もってない。ごめんなさい。」
「支払とか別に気にしないでいいよ。」
チケットで出したしね。
「でも…」
「それじゃあさ、色々と教えてほしいことがあるんだ。」
そう、優先すべきは情報である。