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美形その1


その家の近くまで来ると、ますます小人がいそうな雰囲気を感じた。それに“Oasis”という看板らしきものが、扉の横にぶら下がっているのを発見し、お店なのか、とか、ケーキ屋さんとかかな、とか考え込んでいた。


見た目もピッタリだしね。じーっとその家を見つめながら、ふむふむと、納得する。だから気づかなかった、後ろから人が近づいてくる気配に。










「バイト希望者??」



突然響く、低音で心地好いその声。心地よさを感じて、反応が遅れた。

2秒たったぐらいでバッと後ろを振り返ると



「バイト希望者かな?」



美形な顔が目の前にありました。




「…」


わぉ……。あんまりにも美形なもので声が出なくなってしまった私に


「どうぞ入って」


美形さんはその家の中へ入るのを勧めた。




「…」


こくりと思わず頷いてしまったのは、美形な彼の瞳からでる魅惑のキラキラビームに心がやられたからであろう。うん。



-カランコロン



美形さんが扉を開けると綺麗な音色が私の耳に届いた。落ち着く音色。この扉を開くのが少し楽しみになるような音色であった。



これまた、引き寄せられるように中に入ると、違和感。


「あれ?」


ケーキがない。


「どうしたの?」



不思議そうに店内をきょろきょろする私に美形さんが優しく声をかけてくれる。モテるだろうなこの人。初対面の私が感じるほどの優しさが出ている。


そんな美形なお兄さんに不思議に思ったことを聞く。



「…あの、ここってどんなお店なんですか?」



「カフェだけど、バイト希望者なのに知らなかったの?」



クスと笑う美形さん。くらくらするわっ!自分が美形だって知ってます??今のその顔で、何人の女の子が落ちるだろうか…。っと落ち着こう。へぇ、カフェなんだ。すみません、今知りました。そしてバイト希望者ではありません。すみません。



「す、すみません」



「別にいいけどさ」



またクスと笑う美形さん。その笑い方似合いますね、とてもかっこ良い。



「それで?君、名前は?フルネームね」


お兄さんのかっこよさを心で褒めていると名前を聞かれた。


「東條 海です」



男らしい名前だけど、列記とした女の子ですから!女子高では、王子様なんてあだ名があったのは黒歴史にしといてくれないか……。いいんだ、女子力なんて、女子力なんて……。



「…海、ね」



覚えるように繰り返す美形さん。



女子高のことは置いといて、今はそう…美形お兄さんの名前を知りたいですかね。



「あの」


「うん、何?」


「あなたの名前は…」


「あぁ俺?言ってなかったね。俺は、薫-カオル-」


「薫、さん」



なんだかピッタリな名前だなぁ。




「海って呼んでいいかな?」


「はい」


「じゃあ海」


「何でしょうか」


「採用、決定!」


「…採用?決、定?」




採用って ……っ!!ここのバイトってこと?

え?決定しちゃったの!??もしかして、さっきのが面接みたいなものだったの!?



ぽかーんとしている私に


「明日からよろしく~」


という薫さんの声がかかった。軽い。




あの後、薫さんに事情を説明したら電話をかしてくれた。 そして、お母さんに“Oasis”っていうカフェにいるから迎えに来てと言ったら


『はぁーっ!?お、おあしすぅー!?あんたっ!!!OKすぐ行くっ☆』


と言われそしてついでにバイトをする事を言ったら


『っでかした!!バイト頑張んな!!』と言われた。



うーん…。…もしかして“Oasis”って結構有名なの? ミーハーのお母さんが知ってるくらいだし。うーん。





バイト頑張ろう。結局お小遣い減らされたからな!









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