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第1話 予兆

初の投稿です。

夢で見たものをさらさらっと書いているので多少読みにくいとは思いますが、どうぞよろしくお願いします。


気がつけば知らない住宅街の中で立っていた。私はわけがわからないはずなのに、「私」は何をすべきかわかっていた。

知らず知らずのうちに思考回路が働く。


…あぁ、そうだ。感染を…ウイルスの感染の拡大を防がなきゃいけないんだ。

確か、感染源の女の子がこの近くの塾に通ってるはず…。


私はポケットに入っていたケータイで情報を見る。


ー 橋下 舞花 17歳


肩までおりたふわふわとした髪の毛にかわいらしい顔立ちの女の子が画面の中で笑っている。


かわいそうに、今回はこの子が感染源なのか…。


私は重い足取りでその女の子を探しに行く。

もはや一刻の猶予もない。

だんだん足取りが早くなってきた時に突然人とぶつかった。


「いたた…すみません…」

「い、いえ…こちらこそ。大丈夫ですか?」


パッとぶつかった相手を見ると、おそらく舞花ちゃんと同じ年くらいの男の子が息を切らして立っていた。


…あ、この人なら舞花ちゃんのことを知っているかも…


持っていたケータイの写真を見せて彼にこの子のことを知らないか、と尋ねた。


「…今忙しいから何も知らなければ君なんかスルーなんだけどね」


そう言って彼は私の手を引っ張った。


「この子のこと知ってるの⁈ねぇ、時間がないの!この子今どこにいるかな⁈」

「知ってるよ。時間がないのはわかってる。詳しいことは後で説明するからとりあえず安全なところへ行こう。…とりあえず俺の家かな。」


「え、ちょ…」


彼は私の手を掴んだままどんどん歩いていく。


「ウイルスの感染拡大を防ぐんでしょ?協力するよ」

「え…なんで…」

「なんか君に会ったことある気がするんだよね。なんでだろうなぁ。この状況も記憶にあるんだよね」

「なんでその記憶を…」

「え?」

「そうだよ、私たちは会ったことがあるの。別世界でね。君と行動を一緒にした時もあったんだよ」


私はわけがわからないのにさらにわけがわからなくなった。自分の知らない記憶が流れ込んできたのだ。

いくつもの記憶が遠慮なしに流れ込んでくる。

どうやら「私」はいくつもの別世界を飛び回っているらしい。


「べ、別世界…?」

「そう、いわゆるパラレルワールドかな。人の選択の数だけ別世界が存在するの。私はパラレルワールドを飛び回ってるの。ウイルスの拡大で日本が滅びない世界を生み出すために」

「じゃぁ俺のこの記憶は…」

「うん、きっと別世界の記憶だね。たぶん他の世界の君と記憶をかすかにだけど共有してるのかな…。すごくめずらしいケースではあるけど」

「信じられない話だな…」

「まぁ、そりゃぁこんな突飛な話を信じろという方が難しいよね。私も未だにちょっと信じられないもん」


そんな会話をしている時、向かっている方向から悲鳴が聞こえてきた。


「…っ、もう発症したか。はやく行こう!」


私たちは走った。

小さなトンネルに入った時、逃げてきた人たちの群れと鉢合わせた。

うしろには発症してしまった舞花ちゃんがいる。


「しまった…引き返そう‼︎」


引き返そうとした時に後ろからも人の群れが走り込んできた。

小さなトンネルの中でパニック状態になってしまった。


「これはやばい状況だな…」

「皆‼︎トンネルから出て‼︎私が囮になるからそのうちに‼︎」

「ちょっ、待っ…何言って…」

「大丈夫、何回こんな状況に陥ったと思ってるの」

「…なら俺も行く」

「えぇ…ダメと言っても聞かないよねー…君頑固そうだもんね」

「よくわかってるね、ほら、行くよ…っ‼︎」


2人で舞花ちゃんの方に向かって勢いよく走った。もちろん舞花ちゃんも私たちに向かって走ってくる。

彼は彼女の股下をすべってくぐった。私は勢いよく飛んで顔に蹴りをお見舞いした。


…うぅ、ごめんね…女の子の顔を…。でも感染してしまった人間はもう救えないから許してね。


「逃げるのはいいけどこれからどーすんの⁈」

「今何も持ってないからなぁ、とりあえず走って逃げるしかない」

「は⁈え、ちょ、君何も対策せずに感染止めようとしてたわけ⁈」

「…(苦笑」

「じゅ、銃とかは⁈」

「ここ日本だよ?一般人の私が持ってるわけないじゃん」

「…おいおい…」


走っていると3人の女の子たちが曲がり角で合流した。


「え、最悪‼︎こっちにも変なのいたの⁈」


1人の女の子がそう叫んだ。


「こっちにも…?もしかして他にも感染者が出てるの?」

「そうみたいだね、もう手遅れってことかな」


これからどうするか必死に思考回路を働かしていると女の子の1人が転んでしまった。

もちろん後ろには感染した舞花ちゃんが追いかけてきている。


「い、いやぁ…!助けて…‼︎」


私は反射的に引き返した。


…あぁ、なんかデジャヴ感…。

私別の世界で同じようなことして死んだな…。

今回も失敗ー…





はっと目が覚めた。

どうやら居眠りしていたようで、自分の手元に勉強道具が散乱している。


「うゎ…寝てた、最悪…」


頭が割れるように痛い。

体は汗でじっとりとしていて、息も切れている。手も震えている。

まるでさっきまで走っていたように。


…妙にリアルな夢だったな…。

夢にしてはすごく鮮明に覚えてるし…。

それに、夢の中のあの男の子とに掴まれた感触が手に残ってる…。

なんか気持ち悪いな…。


私はその後、同じような夢を頻繁に見るようになった。

シチュエーションは毎回少しずつ違っているが、出てくる人物は必ず同じであった。

さすがの私も普通の夢、では片付けられないほどの違和感を覚えた。


よくよく考えてみれば、夢の中の自分が自分の記憶とはまた別の記憶を持っているのは何かがおかしい。


…夢の中に何かヒントがあるのかな…。

えぇと…、夢の共通点といえば、必ず私がウイルスの感染拡大を止めようとしてて、感染して変な化け物になった人たちと戦ってるな…。

あ、あとあの男の子も必ず出てくる。

…あとは私がいろんな別世界を飛び回ってるんだっけ…。

ん?別世界…?

パラレルワールド…かぁ。もしかして実際に寝てる間にパラレルワールドに行ってたりして。



「まさかね」


バカらしい。

私は鼻で笑った。


…でも、でもあれは、あの夢は普通じゃないよね…。

調べてみる価値はあるかぁ…。


私はパソコンを立ち上げた。

インターネットで「夢 パラレルワールド」と検索する。


…出てきた。


1番上にあった項目を開けてみる。

その内容は、夢=パラレルワールドという説があるというものだった。

夢はパラレルワールドを覗き見ているというのだ。


…へぇ。

パラレルワールドを覗き見る、ねぇ…。

もしそうだとしても…なんで私が世界の滅亡を止めようとしてんのよ…(苦笑)

厨二病くさ…。


私は考えてるうちにだんだんバカらしくなり、あれは変にリアルな夢だったということで片付けてしまうことにした。


きっと疲れてるんだ。

だから何回も同じような夢を見るんだよ。

きっとそうだ。気にすることないよね。


考えないでおこう、忘れよう、そう考えても、私の嫌な予感はおさまらなかった。

















ウイルスってどんなウイルスだよ!等々の疑問が残ると思いますが、主人公本人がよくわかっていないのを表現するためにわざと詳細を書いていません。後々書いていきます。


読んでくださった方、ありがとうございました。

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