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9、事件の中に答えがある!

次話投稿遅れてすみません

自衛隊の全部隊はこの日、北の村で起こった大規模な失踪事件の調査に向かうことになった。なぜ自衛隊がそれを調査しに行ったかと言うと、先日村を調査しに行った王国地方武官の一級魔術師が命からがら逃げ持ってきた情報のためだった。


「死体が……死体が歩いて襲ってきた……」


王宮にいた人間は最初、死体が動くことなどまったく信じられなかった。むしろ、嘲笑したほどだった。しかし、その一級魔術師が突然苦しみだし、心臓発作の様な症状で死んだ後、ゾンビとして生き返り、周りの人間を襲い始めたとなると話は別だ。


この事態を受け、自衛隊は普通科部隊を中心とした戦闘部隊を北の村へ、後方支援部隊を王都と北の中間の村に派遣することにした。


早朝より出陣した自衛隊の部隊は、王都の市民からの歓声を受けながら、正面門から出発する。しかし、その目的は全く違う。


「こちら不知火、各隊、作戦通り行動せよ」


「第一分隊、了解」


「第二分隊、了解」


「第三分隊、了解」


「作戦開始」


少し進んだ丘で、自衛隊の車列から榴弾砲を除く戦闘車両が離脱する。それぞれ装甲車と戦車を分散し、4つの分隊を作る。そして、来た道を逆戻りし、それぞれの隠れ家に向かう。


そして日も暮れかけた夕方、突如王宮から火の手が上がる。アンチ王女派の反乱軍が蜂起し、王宮の占領を実行した。


「隊長、狼煙があがりました」


「……各部隊に通達、本日18:00を持って、我々陸上自衛隊は内戦中のイサラギ王国に対して治安維持行動をとる。総員、突入せよ!」


奇妙に偽装された戦闘車両が姿を現し、王都に突撃して行く。


「第一分隊は王宮周辺の制圧!第二分隊及び第三分隊は兵舎を制圧せよ!」


それぞれの目標に向かう自衛隊の戦闘車両、不知火が率いる本隊も、軽装甲機動車ライトアーマーを先頭に王宮へと突撃する。


「敵発見!」


「武器を持って襲いかかってくる奴らはみんな敵だ!容赦するな!撃てっ!」


「撃てっ!撃てっ!」


M2重機関銃が王宮の正面門を警備する反乱軍の兵士をなぎ倒す。機関銃手が車上ハッチから01式軽対戦車誘導弾を低伸弾道ダイレクトヒットモードで発射する。対戦車ミサイルは一直線に門へ飛翔し、籠城戦を考慮した分厚い門を打ち破る。門に開いた穴に車両が突撃する。


「総員、下車戦闘開始!」


「お!お前らはジエイタ……ぐわ!」


「着剣し近接戦闘に備えよ!」


隊員達は89式小銃に銃剣を取り付け、各個撃破されないように横一列で密集し布陣する。


「小隊横陣!突撃にぃ!前ぇ!!」


向かってくる敵兵を的確に射殺しながら、イアナ王女のいる王座まで急ぐ。


そのころイアナは、突然のクーデターで何をすればいいのか全くわからなかった。近衛師団の半数は反旗を翻し、王宮内の要所はアンチ女王派によって占拠され、残すは近衛兵15名とこの王座のみである。


「見つけたぜぇ、イアナ陛下ぁ」


薄気味悪い声が王座に響く、魔物を引き連れたイサラギ王国の大臣が正面の扉を打ち破って入って来る。


「大臣!あなたは何てことを!こんなことをしてタダで済むとでも思ってるの!?」


「それはこっちのセリフだ、陛下は今の状況がご理解できているとでも?」


「くっ!よりによって将軍達が留守にしている時に!」


大臣は高らかに笑い、両手を広げて魔物を操る。そこ手には魔王軍の一員である証拠の紋章が刻まれていた。


「さぁ、残るはその事情を知らなかった貧弱な衛兵のみ、覚悟は出来たかな?」


「へ、陛下!ここは私達が!陛下は早くお逃げください!」


「させるか!」


大臣が魔物ゴブリンを衛兵に差し向ける、王座では衛兵とゴブリンによる死闘が繰り広げられた。衛兵は武芸の達人であり、ゴブリンなど相手にならなかったが、数に押され、徐々に劣勢になって来る。


「いったい何体殺せばいいんだ!?」


「ぎゃあ!足が!足が刺された!」


負傷した仲間のネガティブコールで、士気旺盛だった衛兵達も士気が低下して行く。


「トドメだ!」


ゴブリン達が衛兵達にトドメを刺そうと棍棒を振り上げる。誰もがダメだと思った瞬間、部屋に見たことない物体が転がり込んで来る。


コロコロコロ………バン!


転がり込んで来たのは自衛隊で使用されている非致死性グレネードであるフラッシュバン。大臣兵に破られた扉と、バルコニーから不知火達自衛隊員が突入してくる。不知火達はあらかじめ突入箇所を二箇所設定しており、一部は上の階からロープを使って突入、本隊は正面から突入した。


隊員達は目がくらんで苦しむ大臣以外の敵を的確に撃ち殺し、大臣を半円で取り囲む。


「ご無事でしたか女王陛下?」


「し、シラヌイさん!?」


「く、貴様らはジエイタイ……なぜこの襲撃を知ってるんだ……」


「観念しろ大臣、我々はすでに貴様の部下を全て射殺した。残っているのは貴様だけだ」


「それは間違いでありますね」


隊員達の89式の銃口が一点を向く、そこには黒いフードを被った男と思わしき人物がいた。


「お、お前どこから!?誰かこいつが入って来たのを見たか!?」


「全員見てません!」


「それはそうです。私はどこにもいません。しかし、どこにでも現れます。私の意思さえあれば」


「それはどう言うことだ……な、なにを!?」


男は懐から小さな試験管を取り出す。その試験管には緑の液体が入っていた。男はそれを大臣の頭に垂らす。すると、大臣の頭が徐々に蒸気を上げながら変化して行く。


「スウォル!?きさまぁ!裏切る気か!?」


「君の役目は終わりだ、あとは化け物となって任務を果たせ」


「貴様!こいつに何をした!?」


「動くな!」


隊員の警告を無視した男に不知火はハンドガンを叩き込む。しかし、男は弾が当たるどころかその場から消えてしまった。


「せいぜい楽しんでくれたまえ!ニホン人の諸君!」


「や、奴はなぜ我々の人種を!?」


「よそ見するな!離れろ!」


元が誰か分からないような醜悪な姿となった大臣バラモスは、周りの死体を取り込み、王座の天井ギリギリの大きさまで成長する。


「おいおいマジかよ!退け!退け!」


「離れろ!」


隊員達は攻撃されないように一旦距離をとる。バラモスは自衛隊員達を見て雄叫びを上げる。


「陛下、部下の皆様と後ろへ」


「し、シラヌイさん?」


「我々、日本国陸上自衛隊が、あなた方を全力でお守りします。総員、対害獣戦闘準備」


隊員が各々の銃を構える。


「戦闘開始、眼前の敵を無力化せよ」

次話で第一章完結の予定です。この話が今までで一番マシな気が……

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