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41.

 ホテルにチェックインした須田は、早速大平に電話をかけた。

「須田です」

「ああ、もう着いたのかね」

「ええ、本当は明日の朝に連絡すべきだったんでしょうけど、とりあえず到着したことだけでもお知らせしておこうと思いまして。それで、今ホテルにチェックインを済ませました。リバーサイドホテル楓という所です」

「駅前のホテルだね。明日は私がそっちに行ったほうがいいかな?」

「大平さんの都合のいいやりかたでお願いします」

「そうだな、それじゃ昼頃に私がホテルに迎えに行こう。こういう話をするのにはうってつけの場所があるからね」

「わかりました、ではお待ちしています。それから、時間を割いていただいてありがとうございます」

「いいんだよ、それほど忙しい身でもないからね。それに、私のほうこそ礼を言いたいくらいだ」

「それでは明日」

「ああ、頼むよ」

 大平が電話を切ったのを確認してから、須田も電話を切った。前田の依頼を受けてからは、あまり満足に休めなかったので、今日のところはじっくり休みたい気もしていたが、今日のうちにやっておこうと思っていたことがあった。須田は荷物を適当に整理してから部屋を出た。フロントに鍵を預けるついでに、夕食をとれる店を聞いてから、教えられた方向とは反対に向かった。客観的に見ればあまり意味のないことだが、須田は以前の事件のヒモの住居に向かっていた。

 到着してみると、5階建で当時としてはそれなりに新しかったマンションは、変わらずにそこにあった。須田は何か新しい事実でも出てきて欲しいというような様子で、マンションをじっと見つめた。

 特別な洞察も、昔の鮮明な記憶も浮かんではこなかった。須田は何気なくうなずきながら、夕食にありつけるほうに足を向けた。

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