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32.

 前田はファミレスで、コーヒーを片手に電話をかけていた。

「ああ、あなたですか。早速の連絡ですねえ」

 さっきラブホテルに居る時に電話をかけてきた男がでた。

「それで? 何かありましたか?」

「何もありませんよ、それより、あんたが言ってた女がどこの病院にいるか知りたくなったんですがね」

「あまり関係あることとも思えませんがね」男のふくみ笑いが聞こえたような気がした。「それに、さっきも言いましたが、大丈夫ですよ。むしろ、あなた自身のことを心配すべきですね」

「ご忠告ありがとう」

 今度は前田のほうから一方的に電話を切った。コーヒーを一気に飲み干すと、須田の事務所に電話をかけた。

「はい、須田探偵事務所です」

「どうも、前田です」

「これはどうも。何かあったんですか?」

「いえ、僕のほうは特には。ただ、気になるので」

「今の段階では、気にしても重荷になるだけですよ。あなたは自分のことに集中していたほうがいい」

「自分のことですか」前田はしばらく黙り込んだ。「そうですね、そうします」

「まだ状況がはっきりしないので、気をつけて行動するようにしてください。あなたが何をしているのかは知りませんが、気をぬいていいことはないでしょうから」

 須田は前田の返事を聞かずに電話を切った。前田は受話器を耳にあてたまま、須田が何を知っているのかを考えてみた。会話を思い返してみても、まだそれほどのことは知らないように思えた。しかし、色々感づいているようで、時間の問題とも考えられた。少なくとも、前田にたいしていい印象はなさそうだった。

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