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18.

「あの、もしもし、前田ですが」

 事務所に戻った須田を待っていたのは、前田からの電話だった。

「どうしました?」

「いえ、実は警察から連絡があったんです」

「どんな用件でしたか?」

「いえ、別に、ちょっと聞きたいことがあるから時間をあけておいてほしいっていう話でした」

「そうですか」

「あの、どうすればいいんでしょうか?」

「ああ、そういうときは隠し事をしないで、聞かれたことには正直に答えたほうがいいですよ。聞かれてないことと、自分に不利になるようなことに答える必要はありませんが」須田は少し間をあけて続けた。「何があったかは、警察が教えてくれますよ。とりあえず、警察との話が終わったら、連絡を頂けますか?」

「あ、はい、わかりました。よろしくお願いします」

 前田は電話を切った。須田は受話器を置くと、すぐに石村の携帯電話に電話をかけた。

「ああ、俺だ」

「何だ? 面白い情報でも出てきたか?」

「いや、ちょっと確認したいことがあってな。例のヒモの件なんだが、どれくらい進展してる?」

「馬鹿言うなよ、今資料の整理と書類の作成中だ。検死だって済んじゃいない。大して動けるわけがないだろ」

「だろうな」

「お前のほうで何か進展があったのか?」

「まだわからない。ひょっとしたら、進展があるかもしれないな」

「聞いたところで、何も言わないんだろお前は。まあ、こっちで扱えるような情報があったら言ってくれ、こんな事件はさっさと片付けたいんでね」

「そっちこそ、俺になら扱える情報があったら頼むよ」

「憶測やらあてずっぽうやらで動けるのがうらやましいよ」

「個人で仕事をしてる特権だ。それほどいいものだとも思えないがね」

「それはわかってるけどな。それでもやっぱり、時々はうらやましくもなるさ。それじゃあな」

 石村が電話を切ってから、須田は受話器を置いた。机の上のメモ用紙に、前田→要調査、とだけ書いた。

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