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117.

 須田は、まず石村と連絡をとった。

「俺だ。ちょっと調べて欲しいことが出てきたんだが」

「なんだ、例の件の絡みか?」

「そうだ。似顔絵も頼みたいんだが。今から大丈夫か?」

「今からか、そうだな、すぐには無理だが、2時間後くらいなら大丈夫だ」

「それなら先に下調べをしてから行くことにする」

「ああ、楽しみにしてるぜ」

 須田は電話を切ると、すぐに木村に連絡をした。

「はい、木村興信所です」

 木村が出てきた。

「挨拶は抜きにして、ちょっと聞きたいことがあるんだが」

「はいはい、今度は何」

「電話じゃ無理だな。これからそっちに行く」

「ああそう」

 木村はそれだけ言って、さっさと電話を切った。須田は急いで木村の事務所に向かうことにした。

 少し経ってから、木村と須田は机を挟んで向かい合って座っていた。木村は須田から渡されたカメラの画像を確認していた。

「つまり、こいつの身元が知りたいわけね」

「ああ、俺達と似たような仕事をしてる奴なんじゃないかと思ったんでな」

「俺達じゃなくて、あんたと似たような仕事をしてる奴ね。で、名前は?」

「それが知りたい」 

「なるほど」木村はこれみよがしなためいきをついて立ち上がった。「うちの誰かが見たことあるかもね」

 木村は部屋を立ち上がって、社員に画像を見せてまわった。どうやら、何か反応があったようで、須田とも顔なじみのそれなりにベテランの社員としばらく話し込んでら戻ってきた。

「わかった。やっぱりあんたの同類だったわ」

「名前は」

「森川透。昔はまともにやってたらしいけど、最近は話を聞かなかったらしくてね。まあ、やばいことをやってたんでしょ」

「今の事務所はわかるのか」

「それは無理。昔の情報ならあるけど」

 木村は名刺を須田に手渡した。須田はその名刺の内容をメモして、すぐに返した。

「助かる。たぶん役に立つはずだ」

「それはどうも。慈善じゃないから、そっちのほうはよろしくね」

「ああ、わかってる」

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