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蒼の時刻
夕暮れと日没のあいだ 世界がほんの一瞬だけ
インディゴになる時刻
ぼくらは家路を見失い 昼と夜の隙間を ふらふらと彷徨っていた
太陽は山の向こう側で すやすやと眠りにつき
星々は布団から這い出した子供のように みな瞬きをしている
行き先の知れぬ踏切を 無人の電車が通り過ぎたとき
遮断機がカチンコとなって 辺りは夜と化していた
詩の一行よりも短い時間の中で 迷子になっていたぼくらは
お互いに手を繋ぎながら とぼとぼと家路を目指す
ぼくらは魔法にかかっていたのだろうか
それともまさに この醒めたぼくらが
魔法にかかっているのだろうか