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七色の虹を足下に
あら水たまりねと きみは言う
いいえ 空です だってほら
夜の紫 昼の青 黄色い日の出と 夕暮れの赤
そしてふたりで訪れた あの草原の緑を一筋
きみの齧ったオレンジに添えれば
奇麗な虹の橋がひとつ 架かったではないですか
さあ お渡りなさい 回り道をしたくないのなら
するときみは微笑んで その虹を越えた
爪先を向こう岸に乗せ 雨上がりの町をゆく
だけどぼくには 橋を架けてくれる人がいないから
ただ透き通った日差しの中で きみの背中を見送ることしか できないのです
その悲しみが藍色だと 誰も知らないままに