第二話 『他人という名の家族』
色々とすいません。
対戦よろしくお願いします
彼がアニメや漫画、ゲームなどが好きになったのは小4の夏休みの日だった。その日は特段予定がなく、友達なども家族と旅行などに行っており遊ぶ予定もなかった。
暇になった時に親が見ているアニメを見始めたのがきっかけに繋がった。それはまだ少年だった彼にとってはとてつもなく輝かしいものだった。
それからだった。彼がそれを渇望し始めたのは…
それを知るのはただ一人。彼でも、彼の親でもなく――
◇ ◇ ◇
日が窓のカーテンの隙間から漏れ出てき、彼――レインの閉じている眼へと直接陽の光を当てる。
「懐かしい夢だったな。全王と会った時の夢か」
その夢は17年前。彼がこの世界に来た要因となる昔の夢だった。懐かしさもあるがそれよりもなぜ急にそんな夢を見たのか、それがレインにとって疑問だった。
その夢はあったこととまったく一緒であり改変などは一切ない。夢にしては現実と一緒すぎるなんとも言い表せないモヤモヤが彼に纏わりつく。
しかし所詮は夢。数秒たった後彼はその夢を具体的に思い出せなくなる。
「まあいっか。なんか起きるわけでもないし」
モヤモヤがパッと彼の心からなくなると瞬時に彼はいつもの光景を見る。
カーテンの隙間からあふれ出す日の光。ニワトリのような動物の鳴き声。スズメのようにチュンチュンと鳴く動物の鳴き声。そしてもう一つ、全速力でレインのいる部屋へと駆けてくる足音。
それらはすべてレインにとって朝を伝える一日の始まりのアラームの仕事をしていた。
レインはベッドから起き上がり物陰に姿を隠そうとする。それは今から来るものに見つかったら面倒くさいという経験から体が無意識のうちにやっていることでもあった。
足音は次第に大きくなりやがてピタッと止まる。それは音の主が彼の部屋、その入り口である扉の前まで来たことを告げるサインのようなものでもあった。
ドガッという大きな音が鳴ると同時に扉が勢いよく開く。そしてその音が小さく聞こえるくらいの大きな声が彼のいる部屋に響き渡った。
「おはよう!レイン!!!」
「…おはよーとーさん」
レインが父と呼ぶ男はニカッと笑いレインのすぐ近くまで忍び寄る。そのまま後ろまでまわるとレインに四の字固めを炸裂させる。
『ネウファ・カーナシオン』彼が父と呼ぶ男の名でありその名を彼の住んでいる村で知らない者はいない。
「アホだがバカではない単細胞」「強いがアホ」「いい奥さんを持ってるが中身が子供」「解せん」などなど彼の評価は散々である。
「痛い痛い痛い」
「これくらいならすぐ抜けられるだろ〜」
「ムリムリ。とーさんの馬鹿力に小細工で勝てる気しないんだって」
ギチギチと音を立てながら四の字固めは徐々に強くなっていたが緩やかに力が抜けていった。
完全に拘束を解くとネウファは空中で二回転ほどした後ポーズを決めながらレインの前へと歩み寄る。
「母さんが飯だってよ。早く行くぞ〜」
「それを先に言ってくれない?」
そういいながら階段を降りて一階のリビングへと足を進める。リビングに着くとそこには白髪の女性がいた。彼女は皿を置きながらレインたちが来たことに気づくと彼らの元へと駆け寄る。
『デミー・カーナシオン』レインの母親でありネウファにはもったいないとまで言われるほどの完璧な女。
「やーっときた」
「ごめんごめん。レインとの朝のスキンシップに夢中で遅れちゃった」
「そうなの?」
「まあ。そうなるかな」
渋々と受け答えするレインに何かを察したのかそれ以上は何も聞かずにほか二人と一緒に席に着く。
「…そう。まあいいから早く食べよ?」
「じゃあみんなで一緒に。いただきます」
「「いただきます」」
何気ない会話。何気ない日常。何気ない朝食。
そしてその中に混じる何気ない魔法によってここがまだ異世界なのだと再度理解する。
「レイン!飯を食い終わったら買い物に行くぞ!」
「えー?それとーさんがかーさんに頼まれたやつじゃないの?」
「…………」
「はぁ。やっぱり」
会話に見かねたのか母親がレインの肩を叩く。優しい声色で「ねえ?」といいながら続ける。
「レイン、行ってきてあげて?好きなもの買ってきていいから…お父さんのお金で」
「え?」「じゃあ行こ〜」
嬉々として食べ終わった食器を片付けるレインの背後で父親が慌てふためき食器を割ってしまう。
「待って!?お小遣いなくなっちゃうって」
「ごちそーさまでした」
「待って?話し合おう!?」
「レイーン?一緒にお父さんが割っちゃったお皿も買ってきて〜」
「はーい。おとーさん行くよ〜」
「待ってーーー!!」
その家は父の息子を止める声が大きく響いていた。
◇ ◇ ◇
「いやーいい天気だなー。なあレイン?」
「そうだね〜」
「村の商店街も賑わってるし」
彼らはある村のはずれに住んでいた。といっても森と近くで周りに家がないだけで少し歩けばすぐに村の中心部へとつけるくらいには近い。
「人はあんまりいないけどね〜」
「店もいい品揃えだ!…だからな…あの〜」
「分かった!安心して!」
「レイン…!」
「あんまり高くないやつにするから!」
「レイン…!?」
トボトボと歩く父を尻目にスキップしながら商店街を物色する。そして町の中心へとつくとそこには大きな教会があった。
「レイーン。今日も祈りささげとくぞ〜」
「今日も?」
「ああ。なんせこの教会には英雄が。いや人間でありながら本当の神と同等の力を持つ者を祀っているからな」
そしてそれこそが彼を転生させた。
「全王様。でしょ?」
「ああ。彼は紛れもなく俺等の神様だよ」
「神様は祀らないの?」
「うーむ。神は時に残酷だからな〜。俺らは信仰してないな。世界神様とかは信仰してる人結構いるけど、何が基準で信仰するかしないのか俺もいまいち分からん」
そんな会話をしてる間に教会内部へと入り偶像の前まで歩む。膝をつき手を合わせ目を閉じる。
その姿は献身的な僧侶や信仰者のそれであった。
祈りが終わると立ち上がりそのまま教会外へと出ていく。
「よし!じゃあ買い物の続きをするぞ!」
「はーい」
「じゃあレインはこれに書いてある魚と俺が割った皿の替えを買ってきてくれ。俺はこっちにある店で肉とか野菜を買う」
「はーい」
しばらくして集合したレインとネウファ。
双方両手に大きな荷物を持って会話する。
「さて買い物も済んだし帰るぞ」
「え?まだ終わってないよ?」
「チッ。バレたか」
「じゃあ新しい本でも買ってもらおうかな〜」
そうして本屋に向かい新しい本を買ってレイン達は帰路へとつく。
今回も補足します。
レインたちのいる世界は大体が地球と一緒です。
重力があって、法則があって、あと成人の年齢が日本と一緒で18歳だったりと。
違う点は科学の進歩が極端に遅いのと、魔法があることです。まあ魔法があるから科学の進歩が遅いのもあります。
あとはほかの異世界系と同様に異種族がいます。神もいます。というより神は結構出てきます。
それくらいですかね。ああ建造物はレンガとか木とか石とかで作られた物が多いです。よくある中世ヨーロッパみたいな感じを妄想してくれたらいいです。
そういえば言ってませんでしたが。後書きで補足するやつは大体理由があります。それらは後々本編で理由が出ると思うのであしからず。




