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最強のいる異世界で  作者: こっこ治郎
第一章 「愛し、愛され、愛されず」
2/2

第一話 『その物語が始まった』

 もし間違って使っている言葉や漢字、単語、文章の使い方などがありましたら気軽に感想のところに書いてください。それだけで励みになります。

 対戦よろしくお願いします。

 「…え?」


 夢が終わり現実へと戻ったとき彼は驚きと戸惑いで目を見開く。

 見開いた目の目線を上げ辺りを見回すとそこは広い豪華絢爛な部屋だった。鎧が剣を持ち、壁際に一列に並んでいる。一つ一つ形が違うその鎧は見る者全てを魅了する一つの芸術だった。


 「なんだここ?有名な文化財の中とかか?」


 彼は再度あたりをよく見回し外を見ようと窓を探すがその部屋は陽の光が入っておらずランプからの光のみで部屋の明るさを保っていた。


 様子を見ようと立ち上がった時、彼の背後から大きな音が聞こえた。音の出どころは彼の背中よりも10メートルほど離れた場所にある扉が開く音だったが、その扉は彼の何十倍もデカく。まるで――


「門みたいな扉だな……」


 その扉が開くと当時に彼はその中心に一人の男が立っていることに気づく。顔を見ると若々しく、爽やかな好青年という印象の強い男性だった。

 男は彼の隣まで歩くとそのまま通り過ぎ直線上にある玉座のようなものへと腰をかける。


「あの……」

「ようこそ、君を。君だけを私は待っていた」


 彼の小さな声は男の堂々とした言葉によってかき消された。


「私は全王『ダイアン』この世界の王である」

「……はあ。じゃあその王様がなぜ僕なんかと?あとここはどこなんっすか?」


 彼はダイアンの言葉に対して少し皮肉を混ぜながら返答と質問をする。その言葉を聞いたかと思うとダイアンの口はほころび笑みがこぼれる。


「――やはりいい。お前はやはり面白い!」

「……それはどーも」

「堅苦しいのはこれくらいにするとしよう。改めて自己紹介といこう、《全王》ダイアンだ」


「……僕は」

「ああ、君のはいいよ。どうせすぐ変わるから」

「てことは」

「ああ、異世界転生ってやつだ」


 ――ああやはりか

 彼の顔はなぜかほころんでいたがダイアンは構わず言葉を続ける。


「私の世界には決定的に足りないのがあってねそれを君に補ってもらいたいんだ」

「つまりやらなきゃいけないことがあると?」

「…いや?君は別に私のいる世界に来てくれればあとは自由に生きてもらって構わないが?ほかに質問はあるか?」


 「なるほど」と言葉をこぼしながら彼は考えを巡らせる。

 ――なぜ自分なのか?

 ――そんな馬のいい話があるのか?

 ――断ったらどうなるのか?

 ――こちらの利益は?

 ――そっちの世界は安全なのか?

 あらゆる考えを巡らせた上で彼の質問は――


「元の世界の僕はどうなっているんですか?」

「死んでるよ」

「――はぁ。まあそうっすよね……」


 だんだんと実感していた体の軽さと浮遊感から自身の死を予想していた故に彼は動揺を見せずに淡々と話を続ける。


「じゃあ僕は今、魂だけみたいな感じですかね?」

「まあな。死因とかは聞かなくていいのか?」


「…まあどうせしょうもない死因なんだろうなって考えはついてるんで今更すっね。それに一応確認したかっただけなんでもう大丈夫っす」

「…フッ、やっぱり人間離れしてんな…お前」

「やっぱり?てことは……」


 ダイアンの言葉に彼は再度疑問をぶつけようとするが、その言葉は……


「その疑問はまた会った時にでもぶつけてくれ。今はそんなことよりももっと大事なことの話をしよう」

「……まあ、はい」


 渋々了承する彼を尻目にダイアンはカードのようなものを空中へと舞わせる。

 そこには細かな文字と絵が描かれていた。


「よし。じゃあ話を続けるがさすがに何の手助けもなしだとあれだからな、お前には一つ俺の能力をやろう。まあいわばスキルってやつだな」

「それはそのカードのことっすか?選べるんすか?」


「いや?このカードがスキルなのは合ってるけど選べはしない。テキトーに俺が決める」

「なんだ…じゃあ強いやつにしてください」

「心が強いやつだな。まあいいだろう」


 そう言って軽口を叩きながらダイアンは無造作に一枚カードを手に取る。


「ハズレだな」


 そう言ってダイアンは彼にカードの内容を見せる。そこには《越える者》と書かれており「えーっと」と言葉を続ける。


「このスキルは相手を殺したとき相手のスキルを奪うことができる」

「……それって転生ものであるチート能力じゃん」

「いや?まあ自分で殺せなきゃ意味ないしな〜、それにスキルも進化するから無難に攻撃系のスキルのほうが良かったな」


 そういいながらパシッという軽い音を響かせもう一つカードを引く。


「お?これはさっきよりかはマシじゃないか?」


 先ほどと同様にダイアンは彼のカードの内容を見せる。そこには《束ねる者》と書かれていた。


「何この能力?一番最初に『紙や藁などを束ねるのが上手くなる』って書いてあるんだけど……」

「まあまあ、それはおまけみたいなもんだ。本当の能力はその下に書いてあるやつらだ」

「ああなるほどこれは仲間が必須ってことか」


 下の文を読んだ彼が小さく頷く。


「そう『軍や仲間を束ねる』っていうのは当たり前として『相手を捕らえるのが上手くなる』はそもそもお前の攻撃力がなきゃ話にならないからな仲間がいないとどっちみちこのスキルは使い物になんないってわけだ」

「じゃあハズレじゃん…」


「…………まああれだ2つのスキルを合わせたら結構良くなるんじゃないか?自分が捕らえて仲間を指揮しておいしいところをいただけば一石二鳥ってことで――」


 さっきまでと比べて彼は明らかに機嫌が下がっていた。


「…まあ冗談はさておき本当の強みを話そうか」

「よわくないの?」


 弱々しい声で語りかける彼にダイアンは「ああ」と返事をした後


「実はだなこの《束ねる者》には隠していためっちゃ強い能力がある。それは……」

「それは?」


 彼はさっきまでの不機嫌はどこにいったのか唾を飲みダイアンの言葉の続きを待つ。


「それは束ねるものを進化によって広げられるんだ!最初は紙や藁などだが進化していくごとに人、武器、果ては時間までも束ねられる!」

「ウォーー。って思ったけど人と武器はともかくとして時間を束ねて何するの?」

「さあ?」


 彼は内心「おい!」と思っていたがそれをとっても余りある能力に一気に彼の心が揺さぶられる。


 「いわば最終的には人を束ねる神のような存在になれるってわけか」

「……神か」


 ――瞬間彼は底しれない圧を感じた。それは先ほどまでフランクに話していたダイアンから出ていると知るのに時間はいらなかった。

 パキッという音と共に彼の近くにある照明の一つが彼も浴びている圧が原因で床へと落ちてバラバラになる。


「え?」


 その音で気づいたのか圧はいつの間にかなくなっていた。ダイアンが椅子から降りて彼の下まで近寄る。


「…すまない。君は何も悪くないくないのに苦しませてしまったね。ケガや痛いところはある?」

「――いえ」


 その言葉に安堵した表情を浮かべたダイアンは魔法陣のようなものを手のひらから出す。それは手品やCGには見えなく、本当の魔法であり、これが現実なことを彼に再度確信づけた。


「申し訳ないがそろそろ時間切れだな」

「もうですか?もっと話をしたかったんですが」

「そう言ってくれると嬉しいね。まあまた会う機会はあるだろうしその時までのお別れさ。わたしは神ではないのだから必ずまた会える」


 彼の足元にはダイアンの出している魔法陣と同じ模様が描かれたものから淡く白い光が立ち昇っていた。その光は徐々に強く最後にはあたりが見えなくなっていった。

 そんななかでダイアンの声が、言葉が彼の耳へと流れ込む。


「魔法もスキルも剣術も何もかもがある世界で君はどうやって戦うのか。私はすごく、すごく楽しみでしょうがない!」


 その言葉が一度目の彼の人生の最後に聞いた言葉になった。

 そして彼の新しい人生が始まるのであった。

 『レイン』という名とスキルを二つ携えて

 後書きでは少し小噺を披露したり補足したりなんなりします。


 一話を読んで主人公の話し方とか急にバカになったなって思った人がいると思うんですけど変わってからのほうが彼の素なんですよね。

 スキルのところらへんから変わったんですけど彼は生粋のオタクなんで異世界系がめっちゃ好きなんです。それのせいでスキルって聞いた途端にネジが外れて猫被ってない話し方になっちゃったんですよね。


 ダイアンがフランクな話し方をするせいで緊張がほぐれたっていうのもあると思います。その証拠にダイアンの圧によって明かりが落ちたりなんなりしたりするところからダイアンとあったところらへんの敬語に戻ったりしてるんですよね〜。

 この話だけだと分かりづらそうだったんで一応の補足です。次の話でそれがわかるんであしからず。


 そこら辺を加味して読んでくれると嬉しいです。決して後付けとかでは無いですよエエ。


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