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第1章 Bar No Name①

初めて投稿します。

わからない、見直さなきゃならない所、多いかもです。

暖かい目で見てくれると嬉しいです。


仕事をしながらのため、書き溜めてから出す方式ですが、不定期です。

ネオン街の喧騒から少し外れた裏路地。

淡い光を放つ古びた看板には《Bar No Name》の文字。

店内には古いジャズが流れ、煙草と酒の匂いが漂っていた。


カウンターには無愛想な女、セリス・ヴァンス。

その隣でグラスを拭いているのは、まだ青臭さの残る青年、ルーク。


「はい姐さん、これでいいっすか?」

「もっと力抜け。グラス割る気か」

「ちぇっ……」


軽口を交わす二人の横、カウンターの端にフード姿の男――シグが座っていた。


「ステーキ、イタリアン、フレンチ……完璧だったのに!」

「その順序がバカだね。胃袋にも礼儀ってもんがある」


セリスとシグのやり取りにルークが口を挟む。

「……食ってばっかじゃん。大男とのデートかよ?」

「うるせぇガキ!」とシグが顔をしかめると、ルークは「な?」とセリスに同意を求めた。


「私だったらどっちともデートする気はないけどね」

「ちぇっ……」


ルークがクスクス笑う中――。

扉が乱暴に開かれ、血まみれの青年が転がり込んできた。


「た、助けてくれ……!」


青年――ビリーの姿に、ルークが思わず手を止める。

セリスは冷たく言い放った。

「ここはバーだよ。揉め事なら警察に」


シグは立ち上がり、フードを深くかぶり直す。

「……俺は帰る」


だが出口へ向かった彼の裾を、血まみれの手が掴んだ。

「助けて……!」


シグは顔をしかめる。

「……うわ、血……!」

反射的に振り払うと、ビリーはバランスを崩し、椅子に倒れ込んで失神した。


「……何なんだ一体」

シグはフードを直し、肩をすくめた。

セリスは煙草を咥え直しながら呟く。

「手を出さなくても倒れてくれて助かったろ?この潔癖症が」


「高かったんだよ、この服…」


カラン――。

扉が再び開き、サングラスにスーツ、いかにもな男が2人…


「……邪魔する」


「チッ…厄介ごとかい…今日はもう店じまいだよ」

セリスが煙を吐きながら言う。


「そいつに用があるんだ。渡してもらおうか」

男達は銃を構える。


シグは肩を鳴らし、静かに立ち上がった。

「店仕舞いだって……よっ!」


一歩踏み込み、拳が閃く。

男達がシグに振り向くよりも早く顎を打たれた男は、瞬時に崩れ落ち、もう一人も膝蹴りで沈む。


「ほらな、だから言ったろ。店仕舞いだって」

カウンターにしゃがみ込み、顔を半分出していたルークは、思わず口を半開きにして呟いた。

「……マジかよ」


「ルーク、警察に電話しな、いきなり銃突きつけられたってな」


「ふぅ…」シグは右手を軽く左右に振りめんどくさそうな顔をしている。


「あんたも相手に名乗る時間くらいあげなよ、ったく…」


「すまん、癖でな」

---つづく



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