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春日山城攻防戦 南の戦い
新発田重家と五十公野信宗を案内人とした柴田勝家の与力衆である佐々成政、前田利家、佐久間盛政、金森長近ら一万六千がまず目指したのは南三の丸。
そして、そこを守るのは斎藤朝信率いる四千。
一応説明しておけば、斎藤朝信は先代上杉謙信の時代から戦場で活躍していた忠義に厚い有能な武将であるのだが、史実では本能寺の変の直後隠居している。本能寺の変がなければ、おそらく攻め寄せる織田軍に対し最後まで景勝とともに戦ったと思われる。
さて、肝心の戦いであるが、本丸の主路と言っても、その周辺には数多くの家臣の屋敷が砦の役割をしている。
当然織田軍はこれをひとつずつ落としていかねばならない。
火矢、鉄砲だけではなく、大砲まで使用した織田軍に対し、上杉軍は奮闘する。
たとえば、これが春日山を初めて登る初見となる織田軍だけであれば、苦戦は免れなかったことであろう。
だが、残念ながら、家臣として何度もこの山を登った新発田重家と五十公野信宗が道案内をしている。
伏兵や抜け道が簡単には使えない。
となれば、正面からぶつかるだけ。
そうなると、数の差が徐々に効いてくる。
まず、南三の丸、続いて、激戦の末南二の丸も落ち、斎藤朝信も遂に討ち死にする。
