信長は西 信忠は東へ
宿敵上杉を追い詰めたところでの出馬要請。
これを断るわけにはいかない。
だが、四国は三男信孝が総大将として出陣している。
そして、自身も四国に渡ることを宣言している。
どちらも自身が出向く必要があるものの、同時に行くことができないのも事実。
四国に関しては、秀吉と毛利軍に加え、光秀と与力を向かわせれば十分な戦力になることは事実。
だが、肝心の秀吉は毛利から領地を受け取る必要があり、毛利は毛利で手放した領地に残る将兵を残った三か国に戻す作業がある。
秀吉たちの四国侵攻まで一か月ほどは必要となるが、信孝の軍はすぐにでも援軍が必要であるため、光秀軍はすぐに動く必要がある。
そうなれば、光秀軍とともに上陸する予定である信長は、まず四国に行くことになる。
さらに信長が四国に渡ったとなれば、信用を失いかねない秀吉や毛利も大慌てで四国にやって来るのは必至。
そういう意味からも信長は四国へ上陸する必要がある。
一方の越後は、上杉の勢力は駆逐され、春日山城は孤立している。
このまま数か月包囲させておいても問題ない。
だが、総大将の勝家から出馬要請。
自身が出向くことができなければ、当然相応の者を代理で出す必要がある。
そうなれば、その役は長男信忠しかいない。
ありがたいことに信濃、甲斐勢は皆武田征伐の際に信忠の配下だった者たち。さらに勝家とともに春日山城を包囲している滝川一益もその一員。
選択としては悪くない。
自身は堀秀政、長谷川秀一、稲葉重通、蒲生氏郷、稲葉貞通ともに、光秀や細川藤孝、さらに池田恒興ら摂津勢に続いて四国に進む。
一方、越後に向かう信忠には団忠正、斎藤利治らの側近、さらに織田長益、長利という信長の弟、信長の次男信雄、五男織田信房という一族衆が同行する。
さらに、南信濃、甲斐に領地を持つ川尻秀隆、毛利長秀、あらたに臣従した穴山梅雪らに出陣を命じ、徳川家康にも援軍を依頼する。
四国が片づき次第越後に行くので無理な攻撃はするなという勝家への言葉とともに。