第12話(魔法使いに儀式は必要)
なろうの投稿画面って日付を間違いやすくってドキドキします。
話を飛ばしちゃうかもしれない((((;゜Д゜)))))))
「えっと〜。ドーム屋根のある建物は。っと。お、あれかな?」
(そのようですね)
「ここが図書館か。なんか立派な建物だな」
とレイは図書館を見上げながら感心したように呟いた。
図書館は二階建てで、入口には大きなアーチ型の扉があり、その扉には「セリン公共図書館」と刻まれたプレートが掲げられていた。
建物の正面には石畳の広場があり、二階の天井には美しい丸いドーム屋根が設けてあった。遠くからでもその壮大さが目を引く。
レイは扉を押し開け、図書館の中に入った。館内は静寂に包まれており、木製の床が足音を吸収していた。
ドーム屋根の天井は高く柔らかい光が図書館の内部を照らしていた。
一階と二階をつなぐ大きな階段が中央にあり、階段の手すりは精緻な彫刻が施されている。
一階には広々とした閲覧室があり、壁一面には無数の本が並んでいる。本棚は高く積み上げられ、手が届かない部分には梯子が設置されていた。
閲覧用のテーブルと椅子が整然と並び、訪れた人々が静かに本を読んでいた。
レイが図書館の空気に当てられ呆気にとられていると、司書らしき人が
レイの近くに寄ってきた。
「お待ちください。ここに入るには入館料と保証金が必要です」
「入館料?どれくらいですか?」
「入館料は銅貨二枚、そして保証金として金貨一枚が必要です」
レイはポーチを取り出し、中を確認した。銅貨は持っていたが、金貨一枚を保証金として支払うのにドキドキしてしまった。
「分かりました。これでいいですか?」
レイは銅貨二枚と金貨一枚を司書に差し出した。司書はそれを受け取り、丁寧に記録を取った。
「はい、ありがとうございます。保証金は退館時に返却いたしますので、安心してください。それでは、どうぞお入りください」
レイは金貨が戻ってくることにホッとした。今の全財産と言っても差し支えない金額である。
「はい。あと本の場所を教えてもらえると助かるんですが…」と司書に尋ねた。
「どんな本をお探しですか?」
「魔法の原理に関する本を探しています」
「一般的な魔法の書に関しては一階の階段の奥に魔法関連の棚があります。また二階には専門的な資料や古書がありますので一階で見つからなかった時はそちらも探してみてください。」
「ご丁寧にありがとうございます」
レイは司書に礼を言ってから、1階の閲覧室に向かった。
壁一面に本棚が並び、その前には整然と並べられたテーブルと椅子が置いてあり、何人かの人が静かに本を読んでいる光景が広がっていた。
彼は初級の魔法の書を探すため、一階の本棚を丁寧に調べた。
(ここは基本的な魔法の書みたいだな。ギルドの本と変わらないかも)
(それなら、二階に行ってみましょう。二階には専門的な資料や古書があるはずです)
レイは中央の階段を上り、二階に向かった。ドーム屋根の下は、ステンドグラスから差し込む柔らかな光が差し込んでいた。二階にはさらに貴重な書籍が並び、魔法の理論や古い資料が豊富に揃っていた。
レイはいくつかの本を取り、中を読んでみた。
この本は古代の魔法の伝説みたいだ。
古代の偉大な魔法使いの逸話や伝説が多く語られていたが、具体的な技術や理論についての記述がなかった。
伝説は興味深いが、実際の魔法の習得にはあまり役に立ちそうにない。
別の本を開いてみると特殊魔法について書かれていた。
特定の星の位置や、特定の日時にしか使えない特殊な魔法に関する内容だった。
実用性が低くそうで、初級の魔法使いには関係のないものだった。
レイは特殊魔法の本を戻すと、次の本を手に取った。
(アル、この本には「体内に存在する魔力」とかが書いてあるみたいだ)
(レイ、読んでみましょう)
「どれどれ…っと?」
内部の力(マナや生命エネルギー)
マナは 魔法使いの体内に存在する魔力である。マナを消費して魔法を発動する。
生命エネルギーは自身の生命力を利用する。強力な魔法を使うと疲労や寿命に影響する。
(へええぇ! 強力な魔法を使うと寿命にも影響が出るのか!)
(レイの体は私が細胞単位で老化を防いでいますから、寿命に影響は出ませんよ)
(えっそうなの?じゃ強力な魔法を使いたい放題じゃないか!で、どうやったら魔法が使えるようになるんだろう?)
レイは食い入るようにその本を読んでいった。
マナの変換
マナを魔法として発動するには精霊の力が必要である。
契約したエレメンタル精霊によってマナを魔法に変換する。
「ん?精霊?契約?」レイは書いてあることが良く理解出来なかったが読み進めることにした。
エレメンタル精霊とは、自然の要素に関連する精霊である。四元素魔法を使うには火水風土の精霊によってマナを変換しなければ魔法は発動しない。
「ええぇぇ!」レイは驚きの声を上げた。
(レイ、図書館内ですよ)アルが注意した。
(あ、ごめん。でも、これって精霊と契約しないと魔法が使えないって書いてあるように思えるんだけど?)レイは焦りながら思考で問いかけた。
(確かにそう書いてありますね。)アルも冷静に答えた。
(じゃあ、魔力を持っていてもダメってことじゃないか!)レイは絶望的な表情を浮かべた。
(レイ、まだ使えないと決まった訳ではありません。精霊との契約方法も見てみましょう)
レイは、ガックリしながら次のページをめくった。
精霊との契約方法
精霊には相性があり、生まれた場所や血統や遺伝で相性が決定される。
精霊との契約は、村や町のコミュニティで祝う洗礼式で幼少時の儀式を通じて精霊と契約を結ぶ。
「儀式っ?」レイはさらに驚いた声を出した。
(レイ、声が大きいです。みんな、こっちを見てます)アルが再び注意した。
(ごめんって、でも、そんな儀式があるなんて全く知らなかった)レイは肩を落とした。
(レイ、この本を何ページかめくってください。私が読んでおきます。それが終わったら、とりあえずここを出ましょう)
アルは冷静に指示を出した。
(アル、任せたよ。オレは今、ショックで立ち直れそうにない…)
レイはがっくりとした表情で答えた。
レイは本の内容をアルに任せると、文字だけをざっと眺めた後、本を戻し、司書に保証金を返してもらい、図書館を後にした。
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