考えすぎもあんまりよくない
「自分で決めたのか?」
「勿論、ドゥならすぐにつくりものと分かる。」
ドゥ(Doe)自体が架空の姓である。
「そうか。なら、今日の夜にハッシュドビーフでいいか?」
「別にハッシュドのドからとってきてない。でもそれを食おう。」
因果関係で繋がるところが分からない。ハッシュドビーフなんて食べたことない。
どんな味をしているんだろう。多分今僕は笑顔だ。
「単純に食べたくなった。ソースドゥミグラスのドゥじゃないのか?」
「恥ずかしい、顔料を顔に使うものだと勘違いしていた時くらい恥ずかしい。」
思わず顔を覆う。深読みしすぎた。
ちなみに物の着色に使われる。顔料は溶剤に溶けない、染料は溶けるという違いがある。
「それはきついな。じゃあここに6時集合で。」
「楽しみに待ってる。」
手を振って別れる。彼は外と反対方向に歩いていく自分の部屋に向かっているのだろう。
今1時になろうとしている。軽く昼食をとって服を選んでも十分時間がある。
残りで魔法について調べよう。魔法が一般的なものなら早く手に入れておきたい。
選択肢が少なすぎるのは困る。
外に出る。
近くにあった店に入る。BLTサンドと水を頼む。
ものの数分で皿に盛られたサンドイッチが出てくる。食べる。水を飲む
立てた二つの目的
・美味しいものを食べる。
・服を確保する
前者はもう解決した。三回食べるというのは方便だ。一回の昼食でいい。
「ご馳走様」と言い店の外へ出る。
後者は特に語るような点はない。シンプルな物にした。
戻って来たが後二時間以上ある。魔法について読み込むか。
・魔法の発現については個人差があるが三日から一週間程とされる。
宝石との接触時間がトリガーとなっていると考えられる。
・宝石中に含まれる特定の物質の量が多いほど一人当たりの魔法の発現数が多い傾向がみられる。あくまで傾向であるため少なくても4つ以上の魔法が目覚めることがある。
・魔法は本人の知識量や価値観などによって変わっていく。
根本から魔法が変わる場合もあるがその前後で別人のようになる。
・魔法は願う力に由来する。
なるほど。今役に立ちそうなのは長い時間触れておく、願いが魔法をつくることか。
まだ時間があるからエールキング社について見ておこう。
エールキング社
デウスプロジェクトの失敗による宝石事業の民間企業への売却によって設立。
「人の魔法の力を保存する石」によって日常の大部分を支える企業。
エールキング家が実権を握っている。
エールキング家について
・実子ということへのこだわりが稀薄である
・試練を与える
予想できるのはアインとバンのどちらかが実子ではない。
果たし状もこの試練とやらが関わっているらしい。
少し休もう。