27話 別離
長いですが、色々な『別離』なので一気にいきます。
卒業式の翌日にルフィーノ一行は予定通り帰国することになった。
サクラ襲撃事件に居合わせた彼らはすでに調書をとり終えていた。ルフィーノがドナート侯爵の尋問に同席して疑惑なども明らかにしてある。もう彼らが協力できることはなかった。
王城の正門前に見送りの人々が集まっていた。
アルフレードがルフィーノと挨拶している横でコルラードとドロテーアがナナミネ姉弟と握手を交わしてパーティーでのお礼を述べる。エドアルドがカリンと筆談していた。彼はアルフレードの声掛けでこの場に招かれた。
「カリン様、おかげで姉の形見の大部分を取り戻せました。感謝いたします」
『エドアルド様のお役に立ててよかったです』
カリンとエドアルドは名前呼びするほど親しくなっていた。でも、もうその交流も終わりだ。海の王国で冒険者家業を営む彼らとの接点はなくなる。
エドアルドがしょぼんと肩を落としたらカリンが温かい目になった。
『アイリとルフィーノ様の婚約に先立って、アイリとトーヤは海の王国籍を得ることになりました。トーヤと婚姻するわたくしもです。トーヤとは早めの挙式を身内だけで行う予定です』
「そうなのですか。それではまたお会いできる機会がありますね?」
エドアルドは少しだけ声を弾ませた。
金剛クラスが定住するなら爵位の授与もあり得る。友好国の貴族ならば外交で顔を合わせることもあるだろう。
『トーヤもわたくしも式に実家の者は渡航させてまで呼ぶ気はありません。フェデーレ家とは血縁者なので、エドアルド様をご招待したいのですが、いかがでしょうか?』
「よろしいのですか? 父に聞いてみます」
エドアルドは顔を輝かせた。
挙式に親族で呼ばれるなら今後の付き合いも続く。姉のように慕うカリンと交流できると思うと嬉しかった。
エドアルドは母の親族との縁を切ったところで、カリンとの新たな縁はありがたい。
フェデーレ家の親類と名乗るくせに形見分けの品を粗雑に扱ったのだ。ジルベルタの死を悼んでない相手と付き合いたくないと父に連絡をとれば絶縁を了承された。父はエドアルドの学園入学時に母を領地でゆうへ・・・、もとい静養させるつもりで色々と準備しており、今回の件で予定を早めることにした。
手始めに母の親族と絶縁して、後は母を領地でなんき・・・、もとい療養生活を送らせるつもりだ。父が寄越した配下に母を任せてある。明日には荷造りが終わって領地へ旅立つだろう。
肩の荷がおりたエドアルドが貴族らしい表情を崩していると、アルフレードが挨拶にやってきた。
「私もミツフジ嬢と別れの挨拶をしたいのだが、お邪魔だろうか?」
「殿下、私の挨拶は済んだところですので」
エドアルドが表情を取り繕って微笑むと、コルラードに声をかけられてナナミネ姉弟の挨拶に出向いた。
カリンが彼の後ろ姿に慈しむような視線を向けていて、本当に姉弟のようだ。アルフレードはこほんと咳払いした。
「ミツフジ嬢。昨夜は素晴らしい演奏をありがとう。君のおかげで、気の迷いが晴れたよ。その、君には失礼な質問をしてしまったが・・・」
『お気になさらずに。パーティーの華やかな雰囲気に酔われたのでしょう。殿下は強い香水の匂いは苦手と聞いておりますわ』
「まいったな、それもエドアルドから聞いたのかい?」
『いいえ、ルフィーノ様です』
カリンの返事にアルフレードは頬が引き攣りそうになった。何気に個人情報を暴露してくれるなと文句を言いたい。
アルフレードの笑みがひくついているのに気づいて、カリンは微笑ましいモノを見る目になった。
『殿下はルフィーノ様と本当に仲がよろしいですね。素敵な友人関係で羨ましいですわ』
「・・・兄貴分、のような感じかな」
少しだけアルフレードは言葉を濁した。
ルフィーノとは彼が山の王国に留学した時からの付き合いだ。
留学期間中のルフィーノは警備上の都合で王宮に滞在していて年下のアルフレードやコルラードによくかまってくれていた。幼い頃のあれこれや失敗談を色々と知られている相手だけに、素直に友人と言い切るには少々複雑な気分だ。
にこりと微笑むカリンはジルベルタと本当によく似ていたが、もうアルフレードは迷いはしなかった。
昨夜の幻影で本物のジルベルタの笑顔を思い出したからだ。
彼女がアルフレードに向ける瞳にはいつも熱が、愛情が宿っていた。無気力状態になってしまって婚約解消した後だって、紫紺の瞳から情が失われることはなかった。
でも、カリンの瞳は違う。
カリンがアルフレードに向けるのは王族に対する敬意だけしか感じない。弟のように接しているエドアルドに向ける親しみだってこもっていないのだ。
「ミツフジ嬢には本当に感謝している。ルフィーノ様の義妹になると伺った。これからも顔を合わせることはあるだろう。ナナミネ殿とお幸せに」
『ありがとうございます。わたくしも殿下のご多幸をお祈りいたします』
アルフレードとカリンは挨拶を交わして知人として別れた。
ルフィーノ一行が馬車で去ると、見送った面々は解散だ。アルフレードは帰りかけたエドアルドをそっと呼び止めた。
「殿下、いかがいたしましたか?」
「ああ、実はフェデーレ産の桃のジュースを頂いたんだ。美味だった。君がミツフジ嬢にあげたものだったと聞いた」
「お気に召されましたか、光栄です。姉が殿下の好物だと言っていたので、温室で育てていたのです」
「・・・そうか、ジルが」
アルフレードは心穏やかに受け入れて、優しい笑みを浮かべた。もう彼女を想っても胸に痛みが走ることはない。ただ、懐かしく温かい気持ちになる、・・・少しばかり切なさも残っているが。
アルフレードは少々バツが悪そうな顔になった。
「その、確かに私の好物なのだが、あまり公言しないでくれるか? フェデーレ産の桃は美味しいのだが、さすがに桃のジュースが好物というのは格好がつかないというか・・・」
「ミツフジ嬢はジュースにして差し上げたのですね。そのままでも瑞々しくて甘いと思うのですが」
「ああ、もちろんだ。ただ、ジュースは私の好物だからな」
「・・・そうですか。我が領産の桃が殿下の好物と銘打てないのは残念ではありますが」
「あー、それはすまない。桃が好物まではいいのだが、実は桃のジュースが好きとバレそうで困るというか・・・」
アルフレードが目を彷徨わせて、エドアルドは内心で首を傾げていた。
姉から桃が殿下の好物と聞いていたが、実はジュースが好きだとは初耳だ。わざわざ、ジュースにしてまで差し上げたカリンはどこでそれを知ったのか?
アルフレードの様子だとエドアルドも知っていると思われていそうだが・・・。
「殿下、歓談中に申し訳ありません。火急の用件が」
急ぎ足で文官が寄ってきてアルフレードに耳打ちした。一瞬だけ、彼の表情が険しくなったが、すぐにすっと元に戻る。
「エドアルド、用事ができた。すまないが、今日はこれで失礼する」
「はい、殿下。私のことはお気遣いなく、先ほどのお話は大丈夫ですので」
エドアルドが頭を下げてアルフレードは文官に案内されて足早に去っていく。
迎えの馬車に乗り込んでからエドアルドは思案げに紫紺の瞳を揺らした。
「殿下の好物が桃のジュースだなんて詳しく知っているのはそれこそ家族ぐらいでは? なぜ、それをカリン様が知っているんだろう。・・・まさか、カリン様は?」
はっとしたエドアルドは大至急父と連絡を取ることにした。
アルフレードが案内されたのは父の執務室だ。すぐに人払いされて、父と二人きりになる。
「陛下、緊急と伺いましたが? 学園で何か問題が起こったとか」
「ああ、レンタル業者から朝一番で訴えがあった。おそらく、昨夜のうちに学園内で盗難があったようだ」
アルフレードは公的な問題と聞いたので、陛下と呼びかけた。国王は苦い顔をして調書を見せてきた。
レンタル業者はパーティー直前まで着付けやメイクに追われていた。パーティーが始まると引き上げて全て荷物を商会へ運んでいた。レンタル品は後日取りに行くことになっていて、彼らの仕事は済んだからだ。
今朝になってから手入れと確認のためにケースを開けたら十点ほどの装飾品がなくなっていた。多めに用意していて使用されなかった分だ。
最後に中身が確認されたのは学園内でだった。
もし、商会に泥棒が入ったならば、他にも被害がでているはずだ。パーティーで使用されなかった品だけとなると、学園で盗まれた可能性が濃厚だった。
「となると、業者の人間が疑わしいですが、学園内に出入りできるのは身元が確かな者だけだ。確認はとれているのですか?」
「捜査中だ。もしかしたら、巫女姫を襲った犯人と関わりがあるかもしれん」
「しかし、その犯人はすぐに捕まりましたよ」
「他に共犯者がいるかもしれんし、着付け中に盗まれた可能性も否定できない。
とりあえず、盗まれた装飾品が最後に確認された時に着付け中だった令嬢を確保してある。彼女には事情聴取に協力を仰いで城へ招いたところだ。
パーティーにはお前が参加したことだし、世間話のついでのようにして話を聞き取ってもらいたい」
「わかりました。彼女にも被害はなかったか尋ねれば、疑われている印象も和らげられますね」
「ああ、何か不審なことはないか探ってくれ」
アルフレードは頷いた。
容疑者扱いと受け止められると外聞が悪い。令嬢の評判のためにも第一王子が気遣っている体裁にしたほうがいいだろう。
アルフレードは諸々の指図のために退出した。
ドナート侯爵は取り調べに協力的でスムーズに応じていた。
「確かにレンタル用品の依頼をしました。娘のために学園にはご迷惑をかけましたからね。
だが、巫女姫様を襲えなどとは命じておりません。巫女姫様は娘のご友人なのに、そんな命令をするわけがないでしょう」
「しかし、二年前の事件のことはお認めになるのでしょう?」
騎士団長自らの取り調べに侯爵は顔を曇らせた。
「ええ、誠にお恥ずかしながら、娘には公爵夫人は荷が重いようでして。しかし、両国の友好関係の婚約です。婚約解消するにはそれなりの理由が必要となります。
さすがに娘が至らないせいだとは申し上げにくいですし、解消理由には弱い。そこで、娘が事件を起こすのを黙認しました」
侯爵は婚約解消のためだと語った。クラーラが闇魔法で操られた被害者となれば、娘の有責にもならないと思ったという。
侯爵はジルベルタが容疑者にあがったのは気の毒だが、ドナート家では関与していないと主張した。
確かにクラーラは被害に遭った時は意識が朦朧としてよく覚えていないと言っていた。犯人に関する手がかりは一切なしだ。
ジルベルタが最重要容疑者にされたのは学園の一部の教師陣からの主張だ。それに捜査にあたった者が同意した。確かに当時の学園には洗脳できるほど強い闇魔法の使い手はジルベルタの他にはいなかった。
ドナート侯爵やクラーラが彼らを洗脳したり、誘導した証拠は何もない。
侯爵は第一王子の婚約者を嵌めるなんてとんでもない、それだけは冤罪だ、と堂々と述べた。
侯爵は積極的に自供しており、『巫女姫を襲う命令』と『ジルベルタを嵌めようとした』以外は全て事実だと認めている。
クラーラも嘘のように大人しくなって全てを白状したが、ほぼ父と同じ主張だ。
二年前の事件は婚約解消のために自作自演した。サクラに協力してもらったが、他言無用と約束していた。それを破ろうとしたから、口封じで闇魔法でサクラを洗脳するつもりだった。襲撃犯とは無関係だ、侍女が勝手な妄想をしているだけだと言った。
クラーラの侍女のビビアナは『巫女姫の口封じを命じられた』と自供した。
ビビアナは闇魔法の使い手だが、魔力量が少なく弱い魔法しか扱えない。それをクラーラの指図で一時的に魔力が向上する劇薬を使用していた。緊急事態でしか扱えない薬なのに、ビビアナは常用するようになっていた。これ以上の取引はできないとドナート家御用達の商会に断られて、裏社会にまで出入りして手に入れていた。
その裏社会で彼女が『お嬢様が巫女姫の口封じを命じた』と漏らしたせいで、ドナート家に媚びようとした襲撃犯が現れた。
レンタルの運搬人は途中で襲撃犯に襲われて入れ替わっていたのが、後の捜査で判明したのだ。
ドナート侯爵はやれやれと肩をすくめた。
「今回の件は娘個人の所業だと証明されましたな。
前回は婚約解消のために仕方ないと思っておりましたが、まさか友人を洗脳するなんて恐ろしいことを企んでいたとは、気づかなかった。誠に面目ない、どこで育て方を間違えたものやら。
巫女姫様には我が家から謝罪と慰謝料を贈りましょう。本当に申し訳ないことをしました。
至らない娘でお恥ずかしい限りだが、第一王子の婚約者を嵌めようとしたなどと事実無根だ。侍女は何か勘違いでもしたのだろう」
騎士団長は一見申し訳なさそうでいて全く悪びれない侯爵に嫌悪の眼差しを向けた。
「戯けたことを! フェデーレ公爵令嬢に容疑がかかったのは貴殿の娘のせいだろう。それを黙って見過ごしておいて何をほざくのだ」
「公爵令嬢の容疑はすぐに晴れると思っていました。なにしろ、次期王妃なのですからな。
まさか、実家から見放された挙句に殿下にも見限られて婚約解消になるとは思いもしませんでしたよ」
騎士団長はじろりと侯爵を睨んだ。侯爵は神妙な顔をしているが、内心ではせせら笑っていた。
最悪の事態を想定してクラーラには軟禁中に暗示をかけてある。『ジルベルタを嵌めようとした』だけは認めるな、ドナート家が没落すればクラーラを助けることが出来なくなる、と危機感を植え付けていた。
サクラと侍女の自供だけでは罪には問えない、証拠は何もないのだから。クラーラが認めなければ、やったやらないの水掛け論で終わる。
これまでは下手な言い訳や誤魔化しはせずに自供しているのだから、そんなに重い処分は下らないはずだと侯爵は予想していた。
侯爵の罪はクラーラのやらかしを黙認していたことだ。そして、クラーラは自作自演の襲撃事件を起こし、共犯者を口封じで洗脳しようとしたこと。
ジルベルタを貶めたのは関わりのない第三者だ。
尤も、学園に闇魔法に偏見を抱く教師がいるのは把握していた。 彼らは偏見を表に出すような真似はしないが、内心ではジルベルタをよく思っていなかった。そこへ闇魔法が悪者になる事件を起こしたらどうなることか、容易く予想できた。案の定、偏見の持ち主はジルベルタの名を容疑者にあげた。
最有力容疑者になれば、いくら第一王子の婚約者といえど無罪放免になんてならない。容疑者になるだけでも瑕疵がついたとみなす輩はどこにでもいる。そんな狭量な輩には心当たりがあったから、前々から人事異動で学園の警備部門にそいつらを配置しておいた。
ジルベルタへの包囲網はすでに用意されていたのだ。クラーラのやらかしは最後の一手だった。
後は撒いておいたタネが芽吹いて勝手に育っていくのを黙って見ていればよかった。
侯爵はふっとほの昏い笑みを浮かべた。
失敗してしまったが、処刑されるほどの罪ではない。しばしは謹慎して身を慎まなければならないが、いずれは捲土重来で必ず復帰してやる、と密かな決意を胸に抱いていた。
結局、ドナート侯爵の予想通りの展開になった。
二年前の事件はジルベルタを嵌めようとしたとは証明できなかった。友好関係の婚姻をダメにした咎はもちろん問われるが、国家反逆罪にするほどではないと判断された。
何しろ、公爵夫人は無理そうなクラーラの婚約解消のためと主張されてはある意味友好関係を重視しているとも言える。だからと言って、事件を起こすとか乱暴すぎる所業で問題大ありなのだが。
ドナート家は事件を起こした責任で自ら降爵を申し出た。
子爵位になり、領地の半分を王家へ差し出した。しばらくは領地で謹慎すると王都の屋敷も売却して社交界から姿を消した。
侯爵は引退して息子へ爵位を譲り、長男がドナート子爵となった。新当主は領地経営に励み、地道に堅実な実績を積みあげていった。
卒業式の日の事件はクラーラ個人の仕業と判断された。襲撃犯と侯爵家との直接の関わりは見つからなかったからだ。
後の捜査で襲撃犯は指名手配の強盗団の一味だと判明したが、捜査官が踏み込んだ時にはもう強盗団のアジトはもぬけのカラになっていた。
サクラと侍女はクラーラがジルベルタを嵌めようとしたと告発したが、クラーラは絶対に認めなかった。巫女姫の暗殺未遂も襲撃犯に直接の依頼をしておらず、証拠不十分で罪に問えなかった。
国王夫妻は王家の影からの報告でサクラとクラーラが共犯者関係と知っていたが、物証は何もない。クラーラが自室に軟禁状態になって監視を解いていた。それよりも、侯爵や長兄のほうが何やら画策しそうだと警戒して影に見張らせていた。もうクラーラには何もできないと思っていたのだ。
クラーラはサクラに幻覚剤を盛り、闇魔法で洗脳しようとした罪だけ問われた。
クラーラはドナート家から籍を抜かれて平民として修道院に入れられたが、すぐに儚くなった。
クラーラはずっと自分が斬り殺される悪夢にうなされていて取り調べ中も寝不足で憔悴しており、体調も崩しやすくなっていた。慣れぬ修道院での生活で急激に体調悪化して、何かに取り憑かれたかのように亡くなったという。
同日に起きた装飾品の盗難は全く手がかりがつかめずにお蔵入りとなった。
ただ、その後の学園の警備はより一層厳重になり、学園でレンタルするには事前の予約が必要になった。飛び入り参加は認められず、警備体制も見直された。
アルフレードはこの盗難事件で知り合った令嬢が気になり、婚約者候補に推薦した。
令嬢は伯爵家の三女で王宮文官試験をトップで合格していた。領地が水害で立て直し中で婚約者はいなかった。令嬢は自力で持参金を稼ぐついでに王宮内で婚姻相手を探すつもりでいた。できれば、領地の借金精算に役立つ相手を捕獲する気マンマンだったとか。
アルフレードは前向きなバイタリティを好ましく思ったらしい。
令嬢の学園での成績も三年間ほぼトップという素晴らしいもので、王太子妃教育を三年くらいで終えるだろうと試算がでた。令嬢は婚約者への支度金という名目で領地の借金精算が叶うならと婚約を受け入れた。
王太子妃教育にも熱心に取り組み、特に災害の対策強化や支援対策などを意欲的に学んでいたという。
アルフレードが王太子となり、華やかな婚姻式が人々の噂話から飽きられた頃に引退したドナート家の先代が賊に襲われた。
幸いにも命に別状はなかったものの、先代は毒のついた刃で傷つけられて後遺症が酷かった。解毒剤はとても高額で子爵位になったドナート家に払えるものではなかった。
賊は怨恨目的らしく、先代だけを狙った。先代は長いこと後遺症に悩まされて苦しむことになったらしい。
いつもお読みいただきありがとうございます。
評価やブクマ、いいねなどありがたいです。誤字報告も助かります。
後3話で完結予定で、タイトル回収話になります。最後までお付き合いしてくださると嬉しいです。




